【150話後感想返信】ロレッタ、ジネットのおさがりをもらう
――陽だまり亭、ジネットの部屋
ロレッタ「ほわぁ……本当に、これ全部もらっていいです?」
ジネット「はい。わたしの着ていたお古ばかりで申し訳ないですが」
ロレッタ「とんでもないです! 凄く助かるです!」
エステラ「ロレッタには妹が沢山いるから、古着があれば随分助かるだろうね」
ロレッタ「はいです。もう、やんちゃの盛りで、何度縫い直してもすぐ破いちゃって……」
ジネット「あ、でも。この服も少し修繕しないと……」
エステラ「そうだね……胸とか、余りまくるもんね……」
ジネット「いえっ、そういうことではなくてですね!?」
エステラ「……これとか、九歳くらいの頃の服だよねぇ…………九歳で、『コレ』かぁ……」
ジネット「あ、あの、エステラさんっ、こ、こういうのは、その、個人差がありますので、一概にどうとか、平均とか、そういう対比は出来ないのではないかと……」
ロレッタ「人智を超えているです」
ジネット「超えてませんよ!? わたし、人ですもん!」
ロレッタ「でも、これはこのまま着させてもらうです」
エステラ「でも、胸がガバガバだとみっともないよ? ……実体験から、忠告するけどさ……」
ジネット「エステラさん、落ち着いてくださいっ」
ロレッタ「余った部分には小物を入れるです。胸ポケットです」
ジネット「胸ポケットはそういうものではないですよ!?」
ロレッタ「それに、妹たちも多少は膨らみがあるですし、いい感じで蓋になるです」
ジネット「なりませんし、みっともないですから、ちゃんと作り直しましょう」
エステラ「でも、これを活用すれば、かなりの量が入りそうだよね」
ロレッタ「エステラさんには負けるですけど」
エステラ「ロレッタって、そういうこと言う娘じゃなかったはずだよね!?」
ロレッタ「お兄ちゃんと長くいると、どうしても……」
エステラ「ちょっと、ヤシロをつねってくる!」(部屋を出ていく)
ジネット「あの、エステラさん!? …………ヤシロさん、災難ですね」
ロレッタ「あれ? これ、お尻のところ破れてるです」
ジネット「あ、それは、塀を潜り抜ける時に引っかけてしまって……懐かしいですね」
ロレッタ「店長さんも塀を潜り抜けたりしたです?」
ジネット「しましたよ。うふふ……昔はおてんばだったんです」
ロレッタ「無謀ですよ、この胸で」(服の胸の部分をピンと引っ張る)
ジネット「あの、ロレッタさん……一度、ヤシロさんから距離を取ってみてはいかがでしょうか?」
ロレッタ「こっちの小さい服は、他のに比べてなんだか地味ですね?」
ジネット「あ、それはお爺さんが作ってくれたものなんですよ」
ロレッタ「へぇ…………不器用さんだったんですね」
ジネット「はい……裁縫は苦手だったようで」
ロレッタ「こっちは凄く上手です」
ジネット「当時、お爺さんが作る服が嫌で、自分で作るようになったんですよ。もっと可愛い服を作ろうって勉強して…………ふふ、わがままだったんです、わたし」
ロレッタ「いやいや。女の子なら誰でもそうです。妹も服にはうるさいです。これは嫌だとか、無い色がいいとか……」
ジネット「じゃあ、可愛い服に作り直して、喜ばせてあげませんとね」
ロレッタ「作り直してくれるです?」
ジネット「一緒にやりましょう。きっと妹さんたちも、ロレッタさんに作ってもらえると嬉しいはずですから」
ロレッタ「そうですかね……なんか、生意気ばっかり言ってて……」
ジネット「それは、甘えているだけですよ。可愛いじゃないですか」
ロレッタ「ふむむ……じゃあ、あたしも一緒に作るです!」
ジネット「ではまず、簡単な修繕から始めましょう」
ロレッタ「なら手始めに、胸の空洞を活かしてポケットを作るです!」
ジネット「それはやめましょうってば!」




