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傲慢な住処  作者: 一色 サラ


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箱庭


 浅い箱で、青い枠、砂。そこに自分の置きたいものを置く。その枠は自分の感情の枠だ。


 飛沫対策の透明のアクリル板が隣に座る北岡きたおかの机の間に立てれている。このアクリル板が北岡との境界線だ。侵入されたくない。なのに、北岡の爺が、紙をホッチキス止めたクリアファイルをアクリル板を上から挟んできた。侵入された。挟まないでほしいとは直接は言えない。そちらがのアクリル板の壁にセロハンテープで紙を張ればいいとは言えばいいのだろうが、でもこんな事する人がまともではない。直接話すのはおぞましい。怖すぎて上司の大石に頼んだが、前の人何も言わなかったと取り次いでくれる様子はない。大石曰く、北岡は人が視界に入るのが苦手なので、気にしなくていいと言ってきた。そういうことではなく、クリアファイルがこちら側に入っていることが気に入らないのだが、それは伝わらなかった。何か土足で心に侵入された気分でしかたがない。

 ただ日を増すごとにクリアファイル入っている紙の下に紙をまたホッチキス止めて、だんだん増えていく。こっちが意識していないのに、北岡が勝手に意識して紙がどんどんと増えていく。そして挙句の果てに、こちら側のアクリル板に紙を置いてきた。勝手に意識するのは自由だけど、こっちの視界に見える形でされたことに、不快な気分になって、気分の悪るくなっていく。限界だった。もう無理だ。大石に席を移動したいと申し出た。すぐに許可をされ、「やっぱりダメか」と漏らされた。

 これについて、大石は北岡と話したらしいが、「もっと寄り添おうとか思わないですかね」と言っていたらしい。引いた。反省はないし、赤の他人に不愉快な気分にさせても、そんなことすら気が付かない。なめられていたのかもしれない。全くの関係性のない人が許すわけもない。関わりたくない。社会人なのに甘えているとしか考えられない。なめられているとは、甘えてられる、許してくれる人だと思っているのだろうか。不愉快な考えすぎる。

結局、北岡が会社を辞めていった。他の人とも仕事が上手くいっていなかったのだろうし、毎日のように遅刻してきた。たぶん将来はホームレスなのだろう。こんな人、誰も助けてはくれないだろう。


箱の青い枠は決して、砂をはみ出しても置物も青い枠の外に置いてもいけない。青い枠は相手との境界線だから。

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