第38話 迫りくる氾濫までの一週間②
素材をたんまりを預かったバツたちは、まず西側の門に向かうことにした。
「まずはこの街のメインストリートに向かうか。」
「そうですね!一番お世話になってるところですから、いの一番にお届けしましょう!」
「だな、ついでにシェルター建造も何個か手伝おうか。」
「ですね!」
西側の入り口は森林側に位置し、守りの面から考えても侵入を止める最重要拠点となる。
他の方角にも大きくはないが入口も存在してはいる。が、侵入するうえでの十分な広さではないため、優先度は二の次との判断が下されている。
んー、西がダメならほかの入口ってなりそーな気しかしないけど大丈夫かこれ。
「ん?おぉ!!バツじゃねぇか!!なんだよ彼女と一緒か?」
「かっかかかかか「彼女じゃないって。今チーム組んでるアンナさん。」.............よろしくお願いします、アンナです。」
「で、こっちの顔におっかない傷があんのがルクス大好き串焼き屋のザンの兄貴だ。」
「よろしく頼むぜ。何なら串焼きの常連になってくれてもいいぞ?」
「じゃあ、10本買わせてください!!」
「お!早速だな、毎度ありぃ!!」
「アンナ、俺届けてくるから兄貴の相手頼んだ。」
「はい!行ってらっしゃい!」
ザンの相手をアンナに任せ、地図にあった目的地へと向かう。
記されている場所は西側入口の詰め所になっている騎士所だ。
「すみませーん、ギルドの依頼で資材運搬に来ましたー。」
「はいはーい。お、待ってたよ。これで早速補強作業に取り掛かれる。」
「あ、それなんですけど、私ともう一人、シェルター建造の手伝いもしに来てるので、やることあればお手伝いしますよ。」
「え、ほんとに?助かるよー。」
「いえいえ、元はといえば私が報告したことが発端ですから。」
「あ、君が見つけてくれたのか。早期発見ありがと。おかげで一週間も対策とかができるから。」
「え、あ、そうなんですか?」
「そうそう。前なんて1日だよ?結構頑張って半壊で収まったからよかったけど、気づかずに氾濫が起きてたらと思うと、怖すぎるね。」
「............話だけでもゾッとします。」
実際、あの巣にいる奴らが襲ってくるって考えれば無理ゲーだよなぁ。
俺が現地人だったら無理や。生きてけないわ。
「ま、それも過去の話だ。とりあえず案内するから、その場所に資材持ってってもらってもいいか?」
「はい、大丈夫です。」
結構量あるけど行けるもんなん??
◇
「おぉ.................」
「結構広いでしょ、ここ。」
「いや外観から見てこんな広いと思わないですって。」
案内された場所は外からは全く想像がつかないほどの広さがある修練場のような場所。
思っていた3倍は広い。
「ここ、昔のお偉いさんが空間拡張魔法で永続的に通常の広さ以上に広い空間にしたらしいんだ。だから緊急の時はここに物とかの貯蓄をするんだ。」
「なるほど、まぁ確かに便利ではありますよね。」
魔法で空間を、ねぇ。聞いても全く原理はわからん。
「じゃあ順番に出してもらっていい?」
「わかりました。」
「えーっと、じゃあ木材が3トン」 < ドーンッ!!
「........石材が2トンかな」 < ガラガラガラッ!!
「........うん、問題ないね。ありがと。」
「いえいえ、これくらいならなんぼでも運びますんで。」
「お、頼もしいね~。何かあったらまた頼むから、今度詰め所に遊びにおいでよ。」
「時間できたら遊びに行きますね。」
「うん、じゃあギルドには私から報告入れとくから。おつかれ。」
「はい、お疲れ様です。」
騎士所を後にし、ザンの兄貴とアンナのところへ向かう。
「グルゥ??」
「ん?あぁ、今はこの街を守るための準備をしてるんだ。ルクスは守る戦いのときに思いっきりやってもらうから安心しな。」
「グルァ♬」
「めっちゃご機嫌じゃんどしたよ。」
『たぶん戦うのすき、ニトはバツのためになるなら戦う』
「ニトもありがとな。」
少しほっぽり過ぎたか?まぁ準備の時だけだし、少し我慢してもらおう。
「あ、おーい戻ったー。」
「あ、お帰りなさい!大丈夫でしたか?」
「おう、ばっちり問題なし。」
「もう少し時間かけてよかったんだぜ?そしたらアンナちゃんともう少し話せたんだがな!!がっはっは!!」
「おいジジィ。」
「なんだクソガキ。」
「アンナとのお話し券は10分串焼き5本です。」
「キャバクラじゃねぇんだぞ!?」
「いや金請求するわけじゃないから。」
「そういうことじゃねぇだろ...........。」
「まぁまぁ笑」
「笑うんじゃねぇ!!」
うるせぇ、こっちがクエスト消化してるときに接待みたいな感覚になってんじゃねぇ。
「じゃ、アンナ行くぞ。」
「は、はい!ではザンさん、また来ます!」
「おう、毎度ありぃ。」
ザンのところを後にし、シェルター建造区域まで向かう。
「そういえば、シェルターって何の素材で作るんですかね?」
「んー、おそらく地下シェルターだから材質は地面と同じだろうな。ただ正確な作り方は知らん。」
「地面の中.........なんだか秘密基地みたいな話ですねっ。」
「名前が避難シェルターってのを除けば、な。」
「あ、そうでした。緊張感なかったですね。」
てへってしたってかわいくないぞ。
「グルルル.........」
「あぁごめんごめん。」
「あ、すみませんルクスさん。急ぎましょうね。」
「どうする?向こうに戻って待っとくか?」
「グルァ!!!」
「だぁーごめんってば!?」
クエストを散々進めていった結果。
ルクス、アンナに嫉妬をするのであった。
さぁ、準備で一週間です。長いですかね?
まぁ襲撃来るってわかってる状態での一週間は十分かもですね。
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