↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様機構―悠久なる歯車―  作者: 太郎ぽん太
第 7 部 天界学園 編
340/347

†47話†:資産価値は背中に宿る



「えーと……ここ、俺の部屋……だよな?」


 サダオミは、上半身裸のまま一歩後退り、必死に周囲を見回した。

 ふかふかのベッド、大理石のバスルーム。

 間違いなく、さっき感動のあまりダイブした「文明の香り」がする自室だ。


「左様でございます、サダオミ様。天界学園・第一圏域クラウン専用、天枢寮3階2号室。……主様(透哩様)の隣室にして、現在、私が管理を任されている『聖域』でございます」


 リブラは表情一つ変えず、音もなく距離を詰める。

 その手に持たれた上質なタオルが、獲物を狙う網のように見えてサダオミの背筋が凍る。


「管理って……いや、俺、一応男なんだけど。着替えとか、その、プライバシーってものがあるだろ!」

「プライバシー。……『個人の秘密、または私生活をみだりに公開されない権利』……でございますね? 辞書データと照合いたしました」


 リブラは無機質な瞳でサダオミの鎖骨あたりを凝視する。


「しかし、サダオミ様は小波透哩様の『所有物(備品)』でございます。備品にプライバシーは付帯しません。あるのは、劣化を防ぐための『保守管理』の義務のみです」


「備品って言うな!! あと、その『保守』の範囲に俺の背中を流すのは入ってないだろ!」


 サダオミの叫びが防音壁(を無視した透哩の聴覚)に響いた瞬間、壁の向こうから冷徹な声が届いた。


『――サダオミ。リブラの管理に従え。お前の皮膚状態が1%でも損なわれることは、私の資産価値の低下を意味する』


「透哩! お前、絶対こっち見てるだろ! 覗きか! 覗きなのか!」


『……聞こえているだけだ。……リブラ、作業を続けろ。背中の隅々まで、一分の隙もなく、だ』


「承知いたしました、主様」

「承知するな! 待て、待てリブラ! その怪しく光る瞳をしまえ! ……いずれ何かを『いただく』って、さっきから不穏なんだよ!!」


 リブラは、逃げようとするサダオミの肩を、逃れられぬ力でがっしりと掴んだ。


「ご安心ください。私は『完璧メイド』を自称する者。……汚れを落とすことに関しては、魂の髄まで完遂リセットさせる作法を心得ております。……さあ、サダオミ様。お覚悟を」


「湖生活に戻してえええええええ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。