表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS奴隷になった親友と、俺は今日もいちゃいちゃする。  作者: ときひな
奴隷になった親友と、俺は今日もいちゃいちゃする。
22/50

英雄と戦闘開始


王城の1番上、王都を一望できる屋上のような場所。

そこに俺とサツキ、エリザとおっさんはいた。

俺とおっさんは望遠鏡で進撃するドラゴンを見ている。

サツキはエリザに抱きつき、怯えた様子だ。


「ワイバーンにランドドラゴン、小さいドラゴンばかりだが、数が多いな。こりゃあ只じゃ済まないだろうなぁ」

「言ってる場合かっての」

「前みたいに、英雄が現れてくれたらいいんだけどな」

「血塗れの英雄か?……あの時血が口の中に入って、それがまた不味かったんだよな」


俺はおっさんと軽口を叩きあった。

以前ドラゴンと戦った時は、不意打ちの一撃で倒したのだが、その時にドップリと血を浴びた。

すぐに息を止めたが、ちょっと口の中に入ったことを思い出した。

すぐに水で流したが、一部の騎士から、血塗れの英雄だと言われたこともあった。おっさんもその光景を見てたしな。


「それで、おっさんはどうする?」


ドラゴンの数は100を超えて、まだままいる。小さい、子どものドラゴンだが、それでも2mぐらいはある。十二分に驚異的だ。

俺はおっさんの指示を仰ぐ。

おっさんはすぐに答えた。


「すでに行っているが、まずは住人の避難だな。王城と礼拝堂になるべく収容するように、騎士団に誘導させている。エリザ、お前も街の住人の避難に当たってくれ」

「エリザ、サツキを頼むな。俺はドラゴン共を討つ」

「御意に。サツキちゃん、行きましょう」


サツキはエリザに連れられる前に、俺に向かって走り出し、ぎゅっと抱き着いた。


「ケイ、行くの?」

「あぁ、行くよ。……これでも英雄と呼ばれているんだ。それに、あのままだと、たくさんの人が、サツキも死ぬかもしれない」


あの数のドラゴンが王都に突撃すれば、間違いなく大勢の人間が死ぬ。

サツキも、無事では済まなくなる。

そうなる前に、王都に入る前に、全て殺す。


「ケイ、死なないでよ。ケイが死んだら、私は」

「……お前、かわいいな」

「はぁ!?」


サツキは顔を真っ赤にして慌てた。

うん、かわいい。

声に出して、はっきりと言ったのは初めてかもしれない。

俺はサツキを抱きしめ返す。


「いや、本当に、かわいいなって」

「何バカなこと言ってんのさ!さっさと行って帰ってきて、私を安心させろ!」

「ははっ、こりゃあ、死ねないな」


サツキはばたばたと暴れて、俺から離れていった。

俺は笑った。

これから、100を超えるドラゴンの軍団と戦うというのに。

なんだか、なんでもできそうだ。前にドラゴンと戦った時よりも、勇気が湧いてくる。


「サツキちゃん、行きましょう。礼拝堂の方が魔法使いの結界が強固なのでそちらに」

「ケイ、無事でね」

「ああ。エリザ、サツキを頼んだ」

「任されましたわ」


サツキとエリザはその場を後にした。

残ったのは俺とおっさん。


「ケイ、今ならあの娘と、逃げてもいいんだぞ?」

「おっさん?」

「英雄英雄と呼ばれているが、それは別に強要じゃない。王としては、その力を振るってほしいが、年配者としては、若い少年に、そこまでの重荷を背をわせるべきではないと思ってな」

「思ってもないことをべらべらと」


俺はおっさんの考えを読んだ。

あーいうそれっぽいことを言って、こっちの使命感とかを煽っているのだ。


「俺は、この街にサツキがいるから、奴らを殺す。それだけだ」

「そうか」


おっさんは短く言った。

それよりもだ。


「問題は、あの奥のやつだな」

「そうだな。あれは、ケイに相手をしてもらわないとな」


先程望遠鏡で覗いた、ドラゴン達のさらに奥。青い鱗の、ひと回りもふた回りも大きなドラゴンがそこにいた。

そのドラゴンは、街から程遠くない場所に鎮座して、すべての様子を伺うようにして動かない。

それだけに、余計に不気味だった。


「でもとりあえずは、街にドラゴンが入るのを食い止める。魔法使いも、騎士団も展開してるんだろ?」

「あぁ、街にいる腕利きの冒険者にも声をかけている。単純に、多くのドラゴンを屠ればいい」

「やることが簡単だな」

「それだけに、難しいな」


いかんせん数が多いからな。

厳しい戦いになりそうだった。


「そろそろいくわ」

「ああ。ケイ、私からも言っておく。死ぬなよ」

「あんまり行ってくれるな、フラグが立ちそうだ」


俺は、そう言って、城から飛び降りた。

壁伝いに減速して、着地してから、街を駆けていく。

しばらく走り、王都の門を越えれば、ドラゴン共はもうすぐそこにいる。


「さぁ、これでもドラゴン倒して英雄なんて呼ばれてるんだ。てめぇら如きに引けを取るかよ!」


俺は剣を抜き、ドラゴンの群れに突っ込んでいった。


ちょっと短くなりましたが、ここが区切りだったので。


ブクマ、評価、感想、いつもありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

☆ 新連載始まりました!☆

『ようじょ・はーと・おんらいん!』

同僚から誘われたそのVRMMOゲームの中で、様々な出会い、友達と遊び、色々なことを経験する。

『自分自身が幼女となって、懐かしのおもちゃや遊具で遊びまわる。子どもの頃の心を取り戻そう!』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ