隊員紹介 ~前篇~
カイムは、隊長室を退出すると、同じ階にある副隊長室へ向かった。
誰もいない1番隊宿舎の廊下をカイムは一人、隊長から言われた1番隊第1副司令班の札を探しながら歩いていた。少し歩くと、カイムは一つの札のかかった部屋を見つけた。
カイムはへの前に立ち、『1番隊第1副司令班』と札の掛った部屋にノックをすると、「入りなさい。」と男の声が聞こえた。カイムは声を聞いてから扉を開けて部屋の中に入った。扉から中を見ると7人の男女が部屋の右側に置かれた大きな机の回りに座っていた。机の左の壁には、黒板が掛けられていた。黒板に何も書かれていなかった。部屋にはカイムの入った扉以外に二つの扉が左右に付いていた。正面には窓が三つ開いており午後の光がはいてきていた。入口の左側の壁の扉には、『副司令官室』という札が掛っていた。右側の壁の扉には、『1番隊第1副司令班休憩室』という札が掛っていた。部屋の左側には、1人用の机が8個向かい合わせで置かれていた。
大卓の一番奥に座っていた男が立ち上がった。彼の背は高く2mはあるように見えた。彼が1番隊第1副司令班の班長兼副隊長のクサイームであった。
「よく来たな、ウンエンス上級兵。私がお前の上司になるクサイームだ。階級は、一佐だ。」と副隊長は言った。
彼は、遊撃騎士団時代青龍分団『鴎』部隊隊長をしていた。鴎は、要人警備を主任務としていた。そこでの彼のとうり名は『白き巨人』。白き鎧を着、戦場を駆け回る姿からそ呼ばれるようになっていた。
まだ立っているカイムに向けて
「ウンエンス上級兵、そこに座りなさい。」とクサイームは言った。
クサイームは、机の右側手前の空いている席の内一番左をさした。カイムが示された席に座った。
「ここに座っている私を含めて7人が第1副司令班のメンバーだ。定員は8人なんだが、最近1人産休をとってな。定員に達していなかったんだ。1か月くらいは、単独任務や分班任務をやらすことはない。その1か月を隊員育成区間とする。その期間に各種指導をする。
しかし、それが終わったら他の隊員と区別はしないぞ。各種指導内容は、週頭に渡す。今週分はあとで渡す。自ら調べて集合場所に移動するように。皆、自己紹介をしてくれ。」と副隊長は言った。
副隊長の右隣りに座っていた女が立ち上がった。髪は、赤髪で肩までのばしていた。目は、青かった。歳は40歳ぐらいに見えた。
「私は、『エリザー・マーナ・シェイレン』です。階級は、二左です。この班の副班長をやってます。解らないことがあったら私に聞いてね!」と言った。
彼女は、騎士団時代、遊撃騎士団諜報部隊『隼』に所属していた。隼部隊は、朱雀分団に所属であった。とうり名は、『紅の隼』であった。シェイレン家は、王国内の隼部隊隊長を代々勤めていた。そして、彼女は今は、シェイレン家現当主であった。そして、エリザは座った。




