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ラブ アンド ピース おかげで今日も異世界は平和であった

「いやはや、普通ならば僕の命がかかっていると聞けば、疑問に思いつつも犯人の言うことを聞くはずなんだけどな。だが、あんたは普通ではないらしい。もしかして親父も判っていてあんたを寄越したのかい?」

「モチのロンである。いや、伯爵は判っていなかったようじゃが我にはバレバレじゃ。じゃが伯爵がお前を連れ帰れば不治の実屋のショートケーキを奢ってくれると言うでな。なのでお前を連れ戻しに来たという言うわけじゃ。」

魔法使いの説明に探偵は知っていたと言うのは嘘だなと思ったが口には出さなかった。まぁ、このような場面では、時に張ったりも必要なのである。


「さて、今回の件はいたずらで済ますには影響を受けた範囲が大き過ぎる。それにこのゴブリンの少女にかかっている呪いは本物じゃ。と言う事で探偵殿はこれをどう読み解くかな?」

「おやおや、謎解きは任せてもらえるのですな。では私の推理をご披露いたしましょう。」

いきなり魔法使いから主役を譲られた探偵は、その持てる能力の全てを使って今回の経緯を推測し披露する事にした。


「まず初めに今回の事件の動機ですが、それはこのゴブリンの少女にかかった魔王の呪いを何とかして解きたいというものでしょう。そして狸たちは相談し、この地で懇意になった伯爵家のご子息を頼ろうとして手紙を書いた。それを読んだご子息は呪いを解除する魔法使いを探したが、子息が頼める範囲では見つからなかった。なので子息はこの国にてそれなりに権力のあるお父上、ポラリス伯爵を頼ろうと思った。だが、呪いを解く相手がゴブリンとあっては伯爵も動いてはくれないと思い、一芝居打ったというところでしょうな。」

「うむっ、さすがは本職。中々説得力のある推理である。して続きは?」


「まぁ、私もこうやって皆さんに会うまでは、子息がこの地で友だちになったのがゴブリンの少女だとまでは判りませんでした。ですがこの世界では種を超えた友情というものは普通に成立しますからね。ただ、やっぱりゴブリンを忌み嫌う人々の方が多いので子息も策略を練ったのでしょう。」

「成る程のぉ、今回の動機は種を超えた友愛であると。まぁなんとも博愛な心構えである。どれ、無駄話をしている間に魔王が呪いに仕掛けたトラップへの対応策も済んだので解くとするかのぉ。ふむっ、ちちんぷいぷい、痛いの痒いのお空の彼方へ飛んでゆけぇ~っ!」

魔法使いのなんとも微妙な詠唱が完了した途端、ゴブリンの少女の体から真っ黒な霧が湧き出てきてぐらんぐらんとのた打ち回り始めた。

そしてその霧は最終的に小悪魔の姿となった。その小悪魔は今度は自身を少女から引き剥がした魔法使いへと目標を変えたらしく唸りを挙げて襲いかる。


だが、その伸ばした手が魔法使いの喉を掴もうとした瞬間、魔法使いの自動防衛魔法が発動し瞬く間に小悪魔は魔法の業火に飲み込まれ、焼かれて霧散してしまった。

その光景をただただ呆然と眺めていた探偵は、それでも魔法使いに説明を求めた。


「おい、今のはなんだったんだ?私には何やら禍々しいものに見えたんだが・・。後、魔王のトラップって何の事だ?」

「あーっ、黒い霧は魔王の呪いが具現化した姿じゃな。うむっ、魔王はセンスがないのぉ。どうせならもっとサダコみたいに動画受像機から這い出てくるような演出をさせればいいのにのぉ。あっ、この部屋には動画受像機がなかったから出れなかったのか?くくくっ、まさか魔王も今時動画受像機がない部屋があるとは思わなかったのじゃろうなぁ。もっとも今はハンディ会話機でもチューナーが内蔵されていれば動画は観れるらしいので『KHN』から請求されるらしい。うむ、サダコも時代に対応しておればハンディ会話機から出現できたのにのぉ。まっ、もっともその場合はサイズがちっちゃくなって怖さが半減しそうじゃがな。」


「いや、なにを言っているのか判らんのだが?」

「まっ、魔王の呪いは焼いたからもう安心と言う事じゃ。そもそもこの呪いのトラップは呪いを解こうとするものに対して発動するものじゃったしな。」


「呪いを解こうとする者だって?それってお前の事じゃないかっ!」

「うむっ、魔王もこすいやつよのぉ。呪いはあくまで魔法使いや聖女をおびき寄せる餌で、その目的は呪いを解こうとする者の魂を乗っ取り、その者が持つ魔力を魔王復活の為の魔力補充に当てようと画策したのじゃろう。おかげで対抗策を施すのにちと時間が掛かってしまった。もっともそれはお主に謎解きをさせて誤魔化したがな。いや~、お主もノリノリで説明していたから呪いのやつも聞き入って我から気が反れていた。うむっ、グッドジョブであったぞよ。」

知らず知らずのうちに魔法使いから囮役をやらされていたと知った探偵は気分を害したが、それでも結果オーライと自分を慰めた。

そんな探偵に魔法使いは慰めの言葉を掛ける。


「まぁ、時間稼ぎなどせずいきなり呪いを解いてもよかったのじゃが、そうすると魔王のチカラとガチンコ勝負になりこの周囲に莫大なエネルギー反応が起こってしまうからな。そうなるとお主や狸たちもただでは済まぬ事になる。しかも呪詛の仕掛けがばれた事を悟られても荒事になるのでわざと時間稼ぎをしたのだ。うむっ、我って周囲を気遣える優しい聖女みたいじゃ。あははははっ!」

何故か魔法使いは自分で言った例えに笑い出した。まぁ、ここら辺は魔法使いの笑いのツボが普通とは違うが故のミスマッチだったのだろう。

で、取りあえず魔王の呪いは消え去ったのだが、魔法使いはもうひとつ別の件について話し始めた。


「じゃが、この娘はちと厄介じゃな。なんと魔王の呪いとは別にもうひとつ呪いが掛けられておった。ははは、ふたつも呪いにかかるとは随分間抜けな娘である。」

その言葉を聞いて今度は探偵ではなくディッパーが血相を変えて魔法使いに詰め寄った。


「もうひとつ呪われているだと?おいっ、その呪いも解除出来るんだろうなっ!」

「モチのロンである。あーっ、だがタダではなぁ。我は別にボランティアでやっている訳ではないからのぉ。でもまぁ、対価として不治の実屋のショートケーキを33ホールくらい贈ると言われればやらぬでもない。」


「判ったっ!ケーキなど幾らでも買ってやるっ!直ぐに呪いを解けっ!」

「まぁ、そう急くな。魔王の呪いと違い、この呪いは別に命に関わるものでもない。まっ、呪いの波長を見たところ、この呪いは西の森の嫉妬深い魔女のものじゃ。多分この娘はその美貌から魔女に妬まれてゴブリンになる呪いを掛けられたのであろう。」


「ゴブリンになる魔法だと?えっ、つまりこの子は本当は人間なのか?」

「それは呪いを解いてからのお楽しみじゃな。ではマジックショーの始まりじゃ~っ!ミュージックスタートっ!」

魔法使いは宣言と共に指をパチンと鳴らした。すると突然掘っ立て小屋の中にファンファーレが鳴り始めた。

更にはドロドロドロロ・・というドラムロールがその後を受け持ち、嫌がうえにも気分を高揚させてきた。

そんな中、魔法使いは呪いを解く呪文を詠唱した。


「イッツァ センターセメントっ!教えて魔法の鏡さん。この世で一番糞ったれな魔女は誰?」

いや、それって魔法の詠唱なのか?そもそもそんな詠唱で呪いが解けるのか?そしてその問いかけって思いっきり誘導してるよね?この流れだと、どう考えても西の森の嫉妬深い魔女の名前が挙がるよね?


だが、魔法使いから指名された魔法の鏡は、10人に聞けば12人はそう答えるであろう答えを忖度なく言ってきた。


<ピッ、お答えします。それはあなただっ!>

「シャラーップっ!誰が本当の事を言えと言ったっ!ちっとは忖度せんかいっ!この場合は西の魔女だろうがっ!」

魔法の鏡のボケ?に魔法使いは鋭く突っ込みを入れた。いや、本当は予定調和の突込みではなく、本気の文句だったのかも知れないが、魔法の鏡は意に返さなかったようである。


<ピッ、ボケただけです。と言うか判っているなら聞かないで下さいよ。>

「いや、これは様式美というものじゃ。こうする事によって他愛もない事でもなんか格式があるように思わせられるからな。」


<ピッ、さすがは世界一糞ったれな魔法使い。善悪の基準が崩壊しています。>

「むふふふふっ。これ、そんなに褒めるでない。照れるではないか。じゃが、どうしてもと言うのであれば不治の実屋のショートケーキを貰ってやらぬでもない。」

いや、それって褒めてないよね?やっぱりこの魔法使いってぶっ壊れているのか?そして相変わらず報酬に不治の実屋のショートケーキを要求するんだな。

だが、実体のない魔法の鏡は現金を持ち合わせていないらしくそこはスルーしてきた。


<ピッ、相変わらずメンタルがお強い。はい、そうこうしている内に呪いの解除に成功しました。それではさようなら。もう呼び出さないで下さいねっ!>

そう、魔法の鏡は魔法使いと漫才の掛け合いをしている間にも、その裏ではちゃんと仕事をしていたようである。

なのでベッドの上では呪いが解けた『元』ゴブリンの少女が、見目麗しいエルフの少女に戻っていたのだった。


はい、もう一度言いますが、『エルフの少女』です。まぁ、私にはその違いはよく判らないんですけどね。

でも商業的にヒロインはエルフじゃないと駄目らしいんです。ははは、男の子たちは正直だなぁ。


さて、魔法の鏡のチカラによって本来の姿に戻ったエルフの少女だが、まだ問題は残っていた。

そう、ゴブリンに変化するという呪いは解けたのだが、エルフの少女は眠ったままで意識が戻らなかったのである。

その事をディッパーが魔法使いに問いただした。


「おい・・、この子、目を覚まさないが大丈夫なのか?」

「アホ、我が気を利かせてそこは敢えてそのままにしてやったのじゃ。そもそも物語ではお姫様の呪いを解く方法は王子様のチューと決まっておる。さてさて、この娘の王子は誰なのかのぉ。あっ、この国の本物の王子でも連れて来て試してみるか?いや、あやつはエロ小僧じゃからな。キスだけでは済まぬか。にょほほほほっ!」


「くっ、うるさいっ!いらぬ節介だっ!」

魔法使いのおちょくりに、ディッパーは顔を赤らめながらもその役目は譲らぬとばかりに眠る少女の顔を見つめた。

そして決心が付いたのか、そっと少女の唇にキスをした。


そう、キスをしたのである。と言うかいつまでしているんだ?おいおい、もしかして高揚のあまり固まってしまったのか?そんなんじゃ、また魔法使いにからかわれるぞ?

そしてディッパーが少女の唇に自分の唇を重ね続けること33秒。痺れを切らした魔法使いがディッパーのケツを蹴りあげてふたりを無理やり引き剥がした。


ぽこんっ!


「これだからチェリーボーイは面倒なのじゃ。そんなにキスをし続けては娘も目を開けられぬではないか。ちったぁ空気を読めっ!」

魔法使いの言葉にエルフの娘は横たわったまま顔を真っ赤にして両手で覆ってしまった。うん、どうやら図星だったようである。


かくしてエルフの少女に掛けられていた『ゴブリンになる呪い』は解かれた。

だが、ベッド上にて起き上がった少女は恥ずかしさからなのかディッパーの顔を見る事が出来ないようである。


それはディッパーも同じようでふたりはベッドに並んで腰掛けながらも互いに別々の方を見ていた。

だがそのふたりの間では互いの手が重なり合っていた。それを見て探偵は私にもこんな時期があったなぁ、などと感慨深げに見守ったのだった。


だが、そんな空気を読めないのか、はたまた読む気もないのか、魔法使いはディッパーに対して今回の件に対する判決を言い渡した。まっ、所謂説教である。


「まぁ、今回の件は我を呼び出す手段としては悪くなかったが、それでも人に頼ろうとしたのは減点じゃ。そもそも勇者ならば困難に対して自ら行動し打破しようとするものじゃ。」

「勇者様と僕なんかを比べないでくれよ。僕には親父の権威を利用してどうにかするのが精一杯だったんだから。」

魔法使いの説教に対してディッパーは自戒を込めて反論した。だが、そんなディッパーに対して魔法使いは更に畳み掛けてきた。


「そうじゃな、しかし策としては中々よく出来たものではあった。だが人助けとはいえ、その助ける相手がゴブリンでは殆どの魔法使いはまともに話も聞いてはくれまい。そうゆう意味では今回お前はラッキーじゃったのぉ。」

「ああ、来てくれたのがあんたで良かったよ。」


「しかし、まだ疑問は残る。そもそもなんでこの娘は魔王の呪いなんぞにかかったのじゃ?エルフならば呪いの有効範囲は知っていたであろうに。」

「えーと、俺も貴族の端くれなんで今回の魔王の呪い対策に借り出されそうになったんだけど、かったるいので仮病を使って誤魔化そうとしたんだ。ただ、言葉だけだと信憑性がないから北の地方に自生している仮病草を飲んでリアリティを出そうとしたんだよね。そしてそれって魔王が封印されている場所の近くに生えているやつが強力らしいからこの子に取りに行ってもらったんだ。そしたら呪いにかかっちゃったらしいんだよね。」


「お前が原因かいっ!娘を助けようと自ら行動したと感心しておったのに尻拭いしただけかっ!」

「ははは、すみませんでした。反省してます。」

最初から最後まで期待を裏切らないボンクラ子息の行動に魔法使いと探偵は呆れてしまったようだった。だが、そんな子息をかばう者がいた。そう、エルフの少女である。


「どなたかは存じませんがディッパー様を責めないで下さい。そもそも私が魔王さまの領域に出向いたのは別の理由からです。まぁ、確かに仮病草の採取も目的のひとつでしたが、それはあくまでついででした。」

「ほう、なんじゃ。また新たな新情報か?情報の後出しは推理モノでは嫌われるのじゃがのぉ。まぁよい。申してみよ。」


「実は・・、魔王さまの呪い領域にはその昔、魔王さまが勇者さまと戦った際に勝ち取ったとされる聖女さまのパンツが隠されているという話を聞いたのです。」

「あーっ、聖女の聖布伝説じゃな。確かその聖布を持っていると、どんな男でもメロメロに出来ると言われておったはずじゃ。なんじゃお主、どこぞのゴブリンの部族長にでもハニートラップを仕掛けるつもりじゃったのか?」

いや、ここでその問いかけは煽りすぎだろう。なのでエルフの少女はますます顔を真っ赤にしてしまったじゃないか。

因みにここまで説明しても判らないというニブチンに教えるが、エルフの少女の思い人はディッパーである。


ただ、当時の彼女はゴブリンの姿をしていたのでその想いは胸に堅くしまっていたのだ。だが、聖女の聖布伝説を聞き、居ても立っても居られなくなったのだろう。

そんなエルフの少女の気持ちを察した魔法使いは呆れつつもふたりの間を取り持つ事にしたようである。


「なんじゃ、異種間恋愛なんぞこの世界では普通じゃろうに。とは言え相手が人間だと、ゴブリンの側からしたら、ちと躊躇うのも女心かのぉ。じゃが、真の男とは女の見てくれなどは気にせぬものぞよ?なぁ、そうじゃろ?ディッパーよ。」

いきなり話を向けられてディッパーはあたふたした。だが、決心は固いようである。なのでこのまま彼女を連れ帰って伯爵に紹介すると宣言した。


「そうか、まっ、それは勝手にするがよかろう。我には関わりない事じゃ。どれ、それでは我らは帰るとするかのぉ。うむ、この時間ならばまだ午後5時のアニメに間に合う。行くぞ、探偵。ふふふ、伯爵の屋敷に帰ったら不治の実屋のショートケーキをホールで33個食べ放題じゃ~っ!」

「しれっと数が増えているよ・・。」

魔法使いの言葉に探偵は呆れたが、その呟きは魔法使いまでは届かなかったようである。なので魔法使いはパチンと指を鳴らし転移魔法を発動させ、探偵共々あっという間に消えてしまった。

なので後にはラブラブなふたりと、あまり出番のなかった狸たちだけが掘っ立て小屋の中に残されたのであった。


その後、伯爵の屋敷に戻った探偵は伯爵へ今回の経緯を報告した。その間、魔法使いは客間にてアニメを観ながら用意されていた不治の実屋のショートケーキをホールでむしゃむしゃと頬張っていた。

そして伯爵との話しが済んだ探偵は、自身も客間に赴き魔法使いと今回の事についてお喋りを始めた。


「もぐもぐ。しかしあれじゃな。伯爵は今回の息子のやんちゃに対してあまり不機嫌にならなかったな。それどころか嬉しそうであった。なんでかのぉ。」ぺろりん。

「そうだな、まっ、色々あるんだろう。ただ敢えて推理するならば、今回のご子息の行動は伯爵の期待に沿ったものだったんだろう。」

魔法使いの言葉に探偵もソファーにて静かに紅茶の香りを楽しみながら答える。


「ほう、それはまたなんでじゃ?貴族の息子が本当はエルフだったとは言えゴブリンの娘を助ける為に騒動を起こしたのじゃぞ?しかもその動機が貴族の義務から逃れるためという何ともな理由からじゃ。本来ならば勘当モノじゃと思うのじゃがのぉ。」もぐもぐ、ぺろりん。

「確かにな。だがヒントは子息の名前に隠されていると私は読むね。」


「ほう、名前とな。あー、あやつの名前ってなんじゃったっけ?」

「デッパーだっ!覚えていないんかいっ!まっ、ディッパーと言う名は『柄杓 (ひしゃく)』という意味を持つ。つまり『すくい取るもの』だな。そして伯爵はその『すくい取る』という部分を『救う者』と言い換えて自分の息子の名前にしたのだと思う。『救う者』、これは転じて『勇者』を意味するんじゃないかな。つまり伯爵は子息に『勇者たれ』と願ってその名を付けたんだと思う。」


「ほう、それはまた面倒なこじ付け命名じゃな。我はてっきり家名である『ポラリス』、つまり北極星から、その近くにある北斗七星に因んで付けられたのではないかと今、思ったのじゃが。ほれ、北斗七星も、その形から『ディッパー』と呼ばれておるであろう?」

「あーっ、確かにっ!あれ?なんかあんたの説明の方が信憑性が高い気がしてきた。」


「まっ、伯爵の真意は判らぬが、別にどちらと言う訳ではなく両方の意味を持って名づけられたのかも知れぬ。ははは、まぁ、どちらにせよ、結果オーライじゃっ!子息は恋人が出来てハッピー。伯爵も息子の行動に勇者の面影を見れてハッピー、我も不治の実屋のショートケーキを食べれてベリーハッピーじゃっ!」

「なんかそれだと私はのけ者なんだが?」


「お主は今回の出来事を書籍にでもして売れっ!さすれば本職探偵が書いた日常系ほのぼの推理モノとして爆売れ間違いだらけでハッピーじゃっ!」

「間違いだらけなのかよっ!なんか今回の事件を的確に表現しているようで、すとんとに落ちたぞっ!」

いや、間違いだらけの推理モノは爆売れしないと思うのだが?

とは言え、今回の事件は魔法使いのしょうもないボケと探偵の的確な突込みによって幕を閉じたのであった。


因みにその後、エルフの少女を伴って屋敷に戻った子息は、伯爵から罰として魔王の呪い封印作業で一番危険な場所へと送り出された。

なので当然子息は魔王の呪いにかかってしまったのだが、エルフからのチューで呪いはあっさり解除されたらしい。


そう、愛は全てを救うのだ。


ラブ アンド ピース


おかげで今日も異世界は平和であった。


-異世界ご子息誘拐事件~伯爵様、大変ですっ!お坊ちゃまがかどわかされましたっ!~ 完-

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