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あの子の  作者: ヒビ
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20/20

あの子の


収監されて1週間後、裁判は筒がなく進んだ。予定調和の如く弁護人が綴を弁護したが、その勢いは全くなかった。当たり前だ、綴自身が弁護人に弁護するための材料を与えなかったから。


結果しどろもどろな弁護人と、美しく泰然自若と優雅に被告人席に座った綴、苦渋をいくつも噛み締めた顔をした軍上層部、そして涙も枯れ果てて呆然とした様子の朔夜と、そんな息子を心配そうに見守る父親、目を瞑ってしまいたいと言わんばかりの綴の後輩や同僚たち、明らかにその裁判は何かがおかしい。けれどもそれを指摘することは文字通り軍の、国家の闇を覗くことになるため、きつく箝口令が記者たちには敷かれた。


そして、いくつか形式ばった質問を終えたのち綴は絞首刑が執行されることに決まった。


その瞬間、朔夜は気を失った。

 






















××××年×月××日


次の者について下記の通り死刑を執行したので、報告する。


死刑確定者 京紡綴(××××年×月×日生 19歳)

罪名 外患誘致 殺人

確定日 ××××月×月×日

執行日 ××××月×月××日

執行指揮 帝国軍中央軍本部参謀本部 中将 田中正臣

執行立会人 田中正臣 雨宮祥史 流朔夜








これが私の初恋です。



この味気ない報告書だけが私の恋心と、あの子の存在を証明する唯一の紙切れなのです。


紫色の瞳を持つ美しい怪物、死の天使、帝国の頭脳、そしてたった一人で死んでいったあの子。


どうか、誰か教えていただけませんか。


あの子はきちんと幸せになれるようにプログラムされていたのか、それとも不幸になる星の元で生まれてしまったのか、どうか教えてください。


美しいあの子の、



ここまで読んでいただきありがとうございました。

見ていただけただけで感激で、何度も何度も書き直してはまた打ち込む日々でしたが楽しかったです。


ぜひ続きの文を考えてみて、教えてください。

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