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しもつけそう。  作者: 白菜
第二話 下野荘の怪物
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私はきのこの里派(by 乙女)

「おっかー。冷蔵庫から何か飲み物取っていいか?」




 ゲームが終わった後、帰ると思われたゆあん達は残ってお菓子をつまみながら駄べり始めた。

 すっかり、自分の部屋気分だ。

 クッキーをもぐもぐと頬張り、カスを薫の頭と床に落としている。

 ……薫は少しは怒ってもいいと思う。それとあの辺は後で掃除機をかけよう。


「別にいいよ。ただし、ヴァンタ以外ね」


 きっちりと釘を刺した上で許可してやる。

 ヴァンタ(炭酸飲料)は丘夏の好きな飲み物なのだ。


「というか、冷蔵庫に手が届かないんじゃないの?」


 丘夏の部屋の冷蔵庫はかなり大きい。

 小さいゆあんじゃ上まで届かないのではないのだろうか。


「それは愚問だぞおっかー! この状態のゆあんが冷蔵庫ごときに屈するとでも⁉︎」

「その状態じゃなくても誰も冷蔵庫には屈しないんじゃないかなぁ……」

「いやいや、きっとおっとー辺りなら冷蔵庫にも屈するぞ!」

「確かに。ドジで足の小指をぶつけるとか日常判事だもんね」

「扉を開ける時に勢い余って顔をぶつけたりしたり!」

「……二人共、ちょっと後で話が」


 背後から乙女の殺気。

 ……事実を言ってるだけだというのに。


「じゃあ兄ちゃん、冷蔵庫までゴー!」

「丘夏。私もいい?」

「別にいいよ。確かいちご牛乳もあったはずだし」

「いちご……!」


 キラキラと目を輝かせ、乙女は一目散に冷蔵庫に向かう。

 続くようにどしどしと音を立てて歩く薫ロボ。

 仁井田さんが暴れたら床が抜けそうだなぁ、と丘夏は先ほど入れたお茶をすする。



『うーん……あんまりいいのがないなー』

『いちご牛乳……』



 がさこそと奥で冷蔵庫を漁る音がする。

 はて、そんなに冷蔵庫には漁るほど飲み物があっただろうか。

 ヴァンタ以外の飲み物といったらいちご牛乳、オレンジジュースぐらいのものだと記憶しているのだが……。


『ついでにこれも……』

『じゃあ、このきのこの里でいいかー。あ、兄ちゃんそれを……』


 ん? と丘夏は首を傾げる。

 きのこの里……そんな名前の飲み物はない、というかそれは完全にお菓子だ。

 慌てて丘夏は冷蔵庫の元まで向かう。


「ちょっと待ってゆあんちゃん! それは飲み物じゃないと思うんだけど⁉︎」

「ゆあんはちなみにたけのこの山派だぞ!」

「知らないよ!」

「この漬物、おいしい」

「……」

「乙女ちゃんと仁井田さんまで何やってるの⁉︎ それと仁井田さん、それって実家から送られてきた割と高めの生ハムなんですけど⁉︎」

「おっ、兄ちゃん良い食いっぷりー! そして美味しいぞこれ!」

「食うなよっ⁉︎」




 結局、一日分の食料を食い荒らされた。

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