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しもつけそう。  作者: 白菜
第二話 下野荘の怪物
13/61

丘夏は13秒、耐えた。

「おっかー、回覧板持ってきたぞー! って、おっとーもいるのか?」




 昼下がり、丘夏が乙女と部屋でゲームをやっていると、突然ゆあんと薫がやってきた。

 勿論、ゆあんと薫は肩車がったいして。

 というより、ゆあんと薫を丘夏が見る時はゆあんが薫の肩に乗ってるのが常なのだ。


「もしかしてお邪魔だったかー?」


 ニヤニヤと下世話じみた笑みを浮かべるゆあん。

 とことん、性格の悪いやつだ。

 ひらひらと丘夏は手を振ってやる。


「ゆあんちゃんが期待しているような事はないって。僕達はただ、新作の格ゲーをやってただけだよ」

「ゲーム厨、乙!」

「それはソフトを持ってきた乙女ちゃんに言ってくれない?」


 丘夏はただ、乙女に付き合わされてるだけだ。……練習台として。


「……ゆあんも、やる?」

「え、いいのか? それって2P(二人プレイ用)なんじゃ……」

「というか、丘夏が弱すぎるから、代わって」

「乙女ちゃん酷くない⁉︎」

「それなら弱いおっかーに代わってゆあんが相手になるぞ!」

「二人とも言葉も暴力だって分かってる⁉︎」


 そこまで丘夏は弱いんだろうか。

 丘夏からコントローラーを受け取ったゆあん──いや、薫はリレーのようにコントローラーを肩に乗ったゆあんに渡した。

 そこは降りてやれよ、と思わなくもない。


「今こそ自称、百戦錬磨のゆあんの力を見せる時だぞ!」


 キャラを選択し、拳を握るゆあん。

 そのキャラは確かパワーが高い割に動きが遅い、重量級のキャラで初心者が扱うにはかなり難しいキャラだったはずだ。

 そのキャラを迷いなく選択するとはゆあんは余程自分の腕に自信があるのだろう。


「……」


 無言で全体的にバランスの良い中量級のキャラを選択する乙女はゆあんの発した自称のところに特にツッコミはしないようだ。


 そして、いざ戦いが始ま──あ、終わった。



 乙女のキャラの空中5連コンボが発生した後、止めの必殺技でゆあんのキャラの体力が尽きた。

 開始、わずか10秒で決着である。



「うわーんっ! 酷過ぎるーっ!」

「……勝利」



 あんまりな結果にゆあんが涙を流し、格ゲーではドジを起こす事がない乙女がガッツポーズ。

 これはもう、丘夏やゆあんが弱いというわけではなく、乙女が強すぎるだけなんじゃないだろうか。

 乙女とゆあんの対戦を見て、丘夏はそう思った。


「まだやる?」

「ぐ……っ! こうなったら、選手交代だぞっ!」


 余程悔しかったのか、そう言ってゆあんはコントローラーを薫に渡す……。


「って、ちょっと待って! ゆあんちゃん、仁井田さんにやらせるの⁉︎」

「そうだぞ! 兄ちゃんならきっとおっとーに勝てるはずだ! なっ、兄ちゃん!」

「……」


 武人的オーラを発する薫。

 確かに薫なら乙女を打倒し得る力を持っているのかもしれない。

 この人なら何かしてくれる、と確信出来るだけの雰囲気を持ち合わせる薫はコントローラーを強く握る。




 ──何故か、逆向きで。




((……そういえば兄ちゃんこのひと、天然だった!))




 今更ながら思い出す丘夏とゆあんだった。

 ちなみに結果は乙女の圧勝で終わった。

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