↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【平安転生】ありえない源氏物語 〜桐壺の更衣を救ったら光源氏の愛が重すぎて労基違反です!〜  作者: 揚子江
第一章 源氏物語の悲劇をぶっ壊します

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/26

いや光源氏、浮気しすぎじゃね?

ご覧いただきありがとうございます!

本作は「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しております。

全話執筆済み(完結保証)ですので、最後まで安心してお楽しみください。 


10/22の完結日まて、毎日更新します。


基本的に【夜20時】に更新いたします!

源氏物語(げんじものがたり)――


それは千年の時を超えてなお人々に読み継がれる、古典文学の金字塔である。


光源氏(ひかるげんじ)を主人公とし、平安時代の「もののあはれ」という感覚を極めて優美に描いた、日本人ならその名を知らぬものはいないとされる名作。



その物語を読んだ私は、まずこう思った。



「いや光源氏、浮気しすぎじゃね???」



この物語は簡単に言うと、ステータスチートで産まれた皇子『光源氏』が、昔亡くした母の面影を追い求め、その母とそっくりな義母に恋してしまい、その禁断の想いを埋めるためにあちこちの女性と恋人になると言う話である。




その数多の恋人歴が、まあ……えげつないのである。




友達の元恋人、兄の婚約者、本命の義母、つまり実父の奥さん。 

その他にもあちこちの女性(人妻含む)に手を出しては泣かせ、まだ幼女だった少女を誘拐同然で攫い正妻に仕立てあげる。




「頼むから一人を真っ直ぐ愛する誠実なスパダリになってくれ……」




『現代語訳版 源氏物語』を閉じて、天を仰ぐ。



 


――まさかその祈りが特大のブーメランとなるとは、この時の私は夢にも思わなかった。





***





はい皆様こんにちはこんばんはハローボンジュール。



私はどこにでもいるしがないオタクの一人――まあモブ子だと思ってくれて構いません。



普通の家庭に育ち普通の社会人になり普通に働き、極めて忙しい社畜でありながらそれなりに充実した日々。

 


それが今は懐かしゅうございます。



え、何でこんなお嬢様みたいな丁寧口調で喋ってるんだって?



(私が今お嬢様だからだよ!!!)



何故かしら

平安時代に

転生だ



五・七・五(字余り)の雅なリズムで現実逃避してみる。


だが心の中で「嬉しくないわ!」と全力でちゃぶ台をひっくり返す。



肩の凝る十二単(じゅうにひとえ)を着ている私は、死んだ目をしていた。

 


知ってる?十二単って時代にもよるけど20kg近くあるんだよ。

つまり毎日、2リットルのペットボトルを10本、体に縛り付けて歩いている感じ。  



(Tシャツにジーパンが恋しい……)



そして目の前にいる御方(おんかた)を、チラリとみる。

 



「どうかしたの?


紅蓮(ぐれん)の君(きみ)。


顔色が悪いけど……」

 


「いえ。どうかお気になさらず。



桐壺(きりつぼ)の更衣(こうい)さま。」




桜襲(さくらがさ)ねの扇子で、引き攣った笑みを隠した。




(源氏物語に転生とか聞いてない!!!)




***




幼い頃から、ぼんやりと霞を踏んでいる様な気分で生きていた。  




私が生きる場所はここではないような、妙な気分。




「今上帝(きんじょうてい)の皇子を産めば幸せになれるのよ」




母は何度も私にそう言った。  




私は、その言葉が好きになれなかった。




だが、親の言われるままに生きてきた童(わらべ)時代。





その人生が一変したのは、五つの時だった。





(あれ?

お母様とお父様、どこ?)




キョロキョロと見回すが、誰もいない。



うちの屋敷に勝るとも劣らない、立派な美しい廊下を見る。




(「今日はお前のご主人様に会わせる日だよ。  


よくお仕えする様に」とか言って、お父様が連れてきたくせに……)




ウロウロと屋敷を彷徨う。



すると、真っ赤な蓮の花が咲き誇る美しい池に出た。




「わあ……」



てくてくと、鏡の様な水面に近づく。



ヒョイっと覗き込むと、蓮の花に囲まれた私が映った。



(あれ?)



頭が、ずきんと痛む。




(これが、『私』?)




――違う。




私は、『前の私』は、もっと日に焼けていて、


少し茶色がかったボブで、それでーー




(え……?『前』……?)




頭を苛む痛みから逃れる様に、その『私』から目を背けた。




ざあっと、風が流れる。



強い風は草木をかきわけ、蓮の花弁を揺らした。




その池に、知らない童子が映っているのに気づく。





顔を上げる。


優しい眼差しの、美しい女の子が、こちらを見ていた。



私と同い年くらい。

高貴な傅女(かしずきめ)を表す、そばかす一つない白肌。 



肩のあたりで切り揃えられた、艶やかな濡羽色の黒髪が、揺れる。




鏡の様に向かい合い、ただ立ち尽くす。



絵巻物から抜け出したように愛らしい姫は、私に言った。




「……あなたはもしかして。


紅蓮の精?」




月からやってきたかぐや姫の様な、儚さだった。




(わあ、美少女~~!

まるで平安時代のお姫様み、た……)



パカっと口が開く。



(あ)



後朝《きぬぎぬ》の文(ふみ)。

入内《じゅだい》。

牛車《ぎっしゃ》。

主上《おかみ》。

東宮《とうぐう》。


幼い頃から聞き慣れたフレーズが、かちりと音を立てた。



(まさか)



ざあっと血の気がひく。



(まさか、ここ――古典の教科書の中!?)



それと同時に。



『予算編成』『国会答弁』『他省庁との泥沼利害調整』。



思い出すだけで胃がキリキリと痛む、前世の社畜としての記憶が、濁流となって脳内にブレインジャックを仕掛けてきた。




「え、紅蓮の精?!」


美少女の悲鳴をBGMに、意識がシャットダウンされた。



【悲報】生まれ変わった場所がまさかの千年前な件について。     


――なお、ブラック労働からは解放されなかった模様。




最後までお読みいただきありがとうございます!


まさかの源氏物語に転生してしまった主人公、紅蓮の君。


彼女は一体どうなるのか? 



もし少しでも「クスッとした」「続きが気になる」と思ってくださったら、

ぜひ下の【★★★★★】で評価やブックマークをしていただけると大変励みになります!


本日【12:00】にも続きを更新しますので、ぜひブックマークしてお待ちください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。