3.5 仲間たち
狩猟
仲間たち
転校してきて木山とすぐに仲間になってのは、成田、横山、鈴木だったそうです。木山は見た目は平凡ですが、わが校に転入試験で合格しただけあって、成績は優秀にはいるレベルでした。それと比べれば成田、横山、鈴木はいずれも優秀とは言えず、わが校のレベルにようやく合格する程度でした。そんな三人が、どのようにして木山とすぐに親しくなったのか、そして隷従とも呼べるような関係になったのか、白木は不思議だったようです。しかも三人は、わが校では粗暴といって良いグループに。教員達の間では加えられていました。
しかし、三人が木山と親しくなってからは、そんな素振りも消え成績も向上してきたそうてす。
学校側からすれば良い傾向でした。木山に感謝すらしても、批判するところはなかったのです。まして教員達の中でも評判の良い生徒でした。
唯一、白木に対してだけは別だったようです。
他には級長の松田幸次も木山になびいたひとりだったようです。木山が転校してくるまでは模範的な級長らしく、指導力もあったそうです。しかし、木山が転校してきて二ヶ月もすると、何事も木山に相談して物事を決めていったようてす。
わたしの目からは、いつもと変わらぬ松田でしたが、白木から見ると微妙な変化があったようです。
一度だけ松田が授業中に居眠りをして、注意をされたことがありました。松田には珍しく、職員室でも話題になったほどです。でもそれはたった一回でした。それを聞きつけた白木が松田に尋ねると彼は「木山とテスト勉強をしていて遅くなってしまった。」と言ったそうです。
「また、木山か?」
白木はそう思ってそうです。それまでと違う何かが起きると、そこには必ず木山がいた、といいます。
傍目から見るわたしには、白木が木山を気にし過ぎているように感じました。
そんなある日、白木は放課後ひとりでいる成田を見つけると、半ば強引に自分の専用教員室に連れて行くと、牛田の一件は木山の指図か?と聞いたそうです。
『あいつは最初はそうじゃないと言った。だか、俺が語気鋭く問い詰めると、知らないと言い、最後には木山の指示だと白状した。
すぐに俺は木山と決着をつけるべく、成田に証人になるように迫った。すると成田は何を恐れているのか、俺は知らない、木山じゃないと、と証言を覆した。それからは何を聞いても、知らない知らないと言うばかりで、口を閉じてしまった。俺は成田を誘導したのだろうか?それとも・・・・・。
成田は俺を恐れて嘘を言ったのか、木山を恐れて口を閉ざしたのか?』
この時白木は、成田の表情から自分が木山に感じた最初の感情、「身体の奥底からの慄え」をあらためて実感したと書いてます。




