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真珠の姫君~海に捧げる子守歌~  作者: とも
第一章 緩やかな時
9/36

~緩やかな時~8.

ネタ紛失部分が終わらない……。

も少し続きます。

***************

パチパチパチッ


時折、外から聞こえる風の音と、焚き火のはぜる僅かな音がする。


それ以外は静寂に包まれた、穏やかとすら思える時間が過ぎていく。


前触れはなかった。

突然、彼は音もなく飛び起き、まるで見えているかの様に、マリエッタの背後から、彼女を羽交い締めにしたのだ。


同時に、

「お前は誰だ」

と、言う言葉も聞こえた。


そしてそのまま硬直する。自分が後ろから抱き締める形になっていた者は、明らかに自分より華奢で小さく、やわらかかったからだ。


そのまま、意識を失う前のことを徐々に思い出す。最後に見た顔と言えば……。


「マリエッタ、なのか……?」


ウィルのその問いかけに、彼女は答えた。


「んーっ、んんぅ」


……一瞬で動けない様に拘束されて、口も塞がれていたのだった。


「あっ、ごめん」

パッと拘束を解くと、マリエッタがぷはぁと息を吸った。


「ちょっと、ずいぶんご挨拶ねっ」

変な空気を吹き飛ばすように、わざとぷりぷり怒った風に言う。


「本当にごめん。ちょっと混乱していて……」

ウィルはおろおろして、先程までとは一転年相応な雰囲気になっていた。


そのまま後退りしようとした彼が、

「あ、痛うっ」

と頭を押さえた。


今度はマリエッタの方が慌てて、

「駄目よまだ動いちゃ!頭を打ってるのよ?」

と、抵抗がなくなった彼を、元の場所に横になるよう促す。


「ここは何にもないから、止血しかしてないの。目はごめん、視界を妨げないやり方はできなくてそんな感じに」


「ああ、うん。大丈夫。煙にやられて、目も霞んでたから」

横になっても頭の傷に障るのか、うつ伏せの体勢になって頭を上げて落ち着いたようだ。


「ウィル……、大きくなったね」


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