表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
真珠の姫君~海に捧げる子守歌~  作者: とも
第一章 緩やかな時
14/36

~緩やかな時~13.

「これを」


ウィルが、何か懐から出してきた。この闇の中でも、少しキラキラ光っている。


「これは……?」

きれい……。うっすらと見える透明な石は、表面が沢山の面に削られていて、僅かな光を集めて輝いている。


「色々考えたんだけど、……これが一番、マリエッタに似合いそうだったから」


手渡されたはいいが着け方が分からず、ただ眺める彼女の手からするりと持ち上げ、ウィルは暗がりの中でも器用に手探りで着ける。


金剛石の首飾りは、銀色の髪、青銀の鱗を持つ彼女の胸に、あつらえたようにおさまった。

居心地が悪いような、くすぐったいような気分で鎖の部分を指でもてあそぶ。


「……似合うよ」

「今、心の中で『多分』って付け加えたでしょ」

こんな真っ暗なのに、分かるかっ。

「……」

「ホラ、やっぱり!」

こんなやり取りをきっかけに、すっかり打ち解けて話が弾み始めたのだった。


殆ど表情も分からないような闇の中で、二人は、たくさんのことを話した。

好きな物や嫌いな物。得意なことやマリエッタの海での暮らしなど、他愛もないこと。


「マリエッタって、困ってる時に颯爽と現れるよね」

「そうね、きっとお姫様が困ってたからね」

「……ソウダネ」

「ちょっと!突っ込んで!!」

終始こんな感じである。一緒に居るうちにウィルの態度も、ただ大人びたものではなく、打ち解けたものになっていった。


「海の中で生活するのって、楽しい?」

ウィルのこの質問に、マリエッタは首をかしげる。


「そうね……。生まれてからずうーっと海の中だから、よく分かんないわ。でも、海の底で時が経つのも分からずに、ぼ~っとしていると、時々息がつまりそうになるの」

そこで一旦切る。けれど……

「でもね、そんな時は外に出て、思いっきり歌を歌うと、少しすっきりするわ」


読んでくださってありがとうございます(*^^*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ