健斗への手紙、その後…
あらすじ:私リズ!お母様…改め、瑛美が健斗への手紙を読んだわよ!
「以上が健斗への手紙よ!」
エリーゼの声が部屋に響く。
少しの沈黙の後、ケンドリックが口を開いた。
「エリーゼ、いや、瑛美。枷になるだなんて…そんなことを思っていたのか。」
「…ええ。私と違って健斗の人生は長いもの。だから…早く忘れて欲しかったの…」
「瑛美…そんな「でも!!」えっ。」
「でも…今となっては言えば良かったと思っているわ!」
「そうだね、ちゃんと言って欲しかったよ。…まあ、その『後悔』がなければ、私達は再び会うことが無かったかもしれないと思うと…言わなくて正解だったかもしれないな。」
「いいえ。例え『後悔』が無かったとしても、私と貴方なら必ず結ばれたはずよ!根拠は無いけど!」
エリーゼの言葉に、ケンドリックはキョトンとした顔をした…後、笑い始めた。
「ハハハッ!無いって!…でも、私達は互いに前世を知らない状態で結ばれたんだ。エリーゼの言うことは本当かもしれないね。」
手を取り合い微笑む2人。
そんな中、少し申し訳なさそうにエリーゼの父、グレント公爵が話し掛ける。
「2人の世界に入っている最中ですまないが…エリーゼ、ケンドリック、改めて聞くよ。…君達は今、幸せかい?」
「ええ!もちろん!」
「もちろんです。」
「そうか…良かった…」
即答する2人に、グレント公爵は安堵の表情を浮かべる。
瞬間、グレント公爵の目に涙が溢れた。
「本当に…良かった…!」
グレント公爵はずっと不安だった。仲睦まじいと話に聞きながらも、結局は政略結婚で結ばれた愛娘のことが。
ケンドリックの人柄は信じつつも、他国へ嫁いでいった娘のことが…
ただ、その不安もエリーゼの笑顔で掻き消された。
娘の前世からの想いが成就した喜びに、グレント公爵は打ちひしがれていた。
「ちょっとお父様!泣きすぎよ!」
「す、すまない…」
エリーゼがグレント公爵に寄り添っていると、リズがエリーゼに話し掛けてきた。
「ねえ、お母様。」
「どうしたのリズ?分からないところでもあったかしら?」
「いやいやいや…どうしたもこうしたも無いよ!ふざけたことって何!?あんなに悩んだのに!なんだったら【瑛美】との記憶が戻ってきた時にも結構不安だったのに!」
「…まあ、そう言うことだよな。考えすぎだったんだよ、【紗貴】は。」
ケンドリックはそう言ってリズの頭を撫でる。
「その辺も含めて!次は【紗貴】への手紙を読むわ!覚悟して聞きなさい!」
エリーゼは高らかに声をあげた後、手紙を取り出し、読み始める。
「…【紗貴】へ。」
次へ続く!
次回、瑛美から紗貴への手紙です。




