王都オベリスク
コゼットはキングストン王国中部最大の都市ハザドを出た。目指すは王都オベリスクである。
ここからはこれまでと同じように船を選択した。
オベリスクは、王国を北部と中部に分ける川沿いの中央にあるため船での移動が可能だ。
船のデッキから見えてきたオベリスクはカラフルな巨大な街並みに見える。キングエスクバードの3倍はあるんじゃないかな。建物の屋根が装飾で細く尖っているのが特徴だ。巨大な寺院も見える。あれだけでお城くらいの大きさだ。
船が到着したので入場手続きだ。ハザドで上手く行ったので心配はいらない。一般の入口とは違う係員に南部の守護から貰ったキングストンのブレスレットを見せる。
「あの?」
え?ダメ??
「なんなら南部の守護に貰った家紋入りの短剣と中部の守護に貰った賢者の指輪もあるけど。それでもダメならエスクバード王国で貰った勇者の印があるわ。
どれでもいいから通して頂戴」
とりあえずどれかが上手く行きますように!
「あ、あの初めてお見かけした方だと思ったので、こちらの街の案内をお渡ししていいか迷ったのですが、他国の勇者様で当国ともそこまで親交を深めておられる方であれば国賓として対応させていただきたいので上司に報告して参ります。しばらくお待ち下さい」
係員Aさんは早口で捲し立てるとダッシュで去って行った。
ああ、人の話は最後までちゃんと聞くようにと親から教わったのに失敗した。テンパっちゃったよ。初めての地域に入るのはまだ緊張するのだ。南部だよ、南部での出来事がトラウマなんだよ。
勝手に入ってトラブルになるのも嫌なので大人しく待った。しばらくして上司の方が来たので大人しく全部丁寧に説明した。ただ入りたいだけなのだと。
そして今は城門に設置されている貴賓室でお茶をしている。別に急ぐ旅でも無いので慌てないよう意識してリラックスしている。なるようにしかならないのだ。
「失礼します。馬車の用意が出来ました」
いやいや、そんなことは頼んでいないが仕方ない。
勇者リアムの関わるなの言葉が脳裏にフラッシュバックしたがもう遅い。
「ありがとうございます」
行先も聞かずに従う私って従順。
馬車から見える街並みは賑やかだった。
鑑定眼を通じて見ても品数はとても多いし、目新しいものがたくさんあるようだ。
残念だがいま割安な製品を提案されても買いには行けない。
エスクバードの街の構成が3区画なのに対してここは5区画で横も倍くらい長い。
やはり、お城に行くみたいだ。
城門の脇で手続きをしている。
街があれだけ賑やかだったのに、城は時が止まったかのように静かだ。銅像や花畑を楽しんでいると着いた。
「ようこそお越しくださいました。お部屋を用意しておりますのでおくつろぎ下さい」
40代くらいの品の良さそうなおじさんが案内してくれる。詳しい話は明日以降するので不足があれば部屋付きに言って欲しいと言っていた。
なんか思ってたのと違うけど長いものには巻かれることにした。今日はもう寝る!




