賢者の指輪
眠い。。ひたすら眠い。
やっとの思いでハザドにある宿屋のベッドにたどり着いたコゼットは力無く倒れ込む。ああ、寝れる。。
少しすると夢を見ている感覚になった。
「やあ、お久しぶりです」
ご機嫌な神様を感じる。
「念願のルール改正がとうとう認められたんです」
両手でマラカス振って神様が喜んでいる。
「待ちきれずに来ましたよ。さあ願いをどうぞ」
え?眠いんだけど。夢だから寝てることになるので問題無いのか?
「じゃ、そんな改正ルールは取り消して」
「・・・出来ますが嫌だ。やっと改正を認められたのに変更の申請をした私が否定するのか?ぐぐぐ。
か、可能ですので、た、対応します」
「次は起きたときスッキリした目覚めを下さい」
「最後はピンチになったら、心を込めて呼ぶので3つのお願いを聞いてもらえませんか?」
「可能ですのでお受けします」
泣きながら神様が走って去って行った。変な夢だ。
起きたら覚えて無いんだろうな。
◆
どれくらい寝ただろうか?最近にないスッキリした目覚めだ。生まれ変わったかのようだ。いまなら女神にだってなれる気がする。
お昼すぎだろうか?さすがに宿屋の食堂にはご飯の準備は無いだろうから、外の料理屋に出かけた。
近くにあったピザを提供する店でピザとサラダを頼んだ。周りの客の声が聞こえてくる。
「聞いたか?昨日鎧の騎士の亡霊が出たらしいぞ」
あ、それ私かも?
「最近、南部のグラン村で数年ぶりに陶芸家の免許皆伝が出たらしいぞ」
え?それってニュースなの?
「南部といえば冒険者で人気のエイヴィがゴリラ女にやられたらしいぞ」
悪意しか感じない。南部に戻ったら発信元を見つけてやる。
料理は普通だった。温かい料理が食べれて満足だ。
もっといい話題を提供できるようになりたい。
◆
宿屋に戻ると勇者リアムが待っていた。
「守護が呼ばれている。一緒に来て欲しい」
リアムはコゼットの答えを聞かずに先導する。
王城までは近いので謁見の間まではすぐだった。
玉座には骨のように細くなった指が印象的な細っそりした老人がいた。貴賓を感じるし、どこから出しているのか王者の風格を感じる。
「昨日は2人ともご苦労だった。おかげで決定的な決裂を色々な意味で回避できた。礼を言う」
「ついては礼を渡す。リアムにはこの指輪を。コゼット?じゃったかな、そなたにはこの指輪を託す」
「このような大事な物いただけません」
リアムは守護がくれる物が分かっているらしい。
「もはや、ワシには過ぎた宝じゃ。力はリアムに、癒しはコゼットに託したいのじゃ。次の時代を担う勇者たちの力にならんことを祈る」
そう言って、指輪をそれぞれに渡すと面会は終わった。
宿屋に戻って部屋で鑑定眼により指輪を見た。
賢者の指輪 本物・時価(値付け不能)
ここまでは想定内。
効果は癒しや状態異常の回復、蘇生などが書いてある。機能がすごすぎる。
とりあえず右指の人差し指にはめた。
使うことが無いことを祈る。
明日は、早いけど北部に出来れば出発したい。




