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ブルネル到着

芸のないサブタイトルで申し訳ありません。

プロットで苦戦して、頭が回りません。

ブルネルへの国王陛下一行の護送は、何事も無く進む。

懸念されていた帝国の追撃は一切なく、道中での戦闘は皆無だった。

エバートンの仕掛けた魔法陣の罠も発動しない。

少なくともこの街道沿いでは、国王一行にさらなる追撃はなかったと言うことだ。


「王都の制圧に力を注いでいるのと、我々が退けた戦力で追撃は充分だと思ったのでしょう。実際我々の到着が遅ければ、その通りでしたから」


俺達の馬車にスハイツを招き、王都陥落の状況を聞きながら、エバートンは追撃がなかった事への推理を語った。


スハイツから聞いた王都陥落の様子だが、やはりムカイの引退が知られていたらしい。

ムカイ対策の装備は全くなく、通常の魔術師対策の装備で、騎馬隊を中心とした圧倒的

機動力で、帝国兵は攻め込んで来たらしい。

それに加えて多数のストーンゴーレムの攻撃が決め手となったらしい。

ムカイの魔法の力を頼りに組まれていた防衛体制は、ムカイがいなくなり5年が過ぎても完全に補填されてはいなかったのだ。

むしろ5年もムカイ不在を知られなかったほうが凄い。


結果としてムカイ不在の穴は大きく、王都陥落の憂き目に会う事になるのだが。


「スハイツ殿、確認いたしますが、敵の魔術師にムカイ並みの魔法を使える者はいなかったのですな?」

「おりません。王城を攻撃した魔法はファイヤーボールや、ウインドカッター、ファイヤーウォールなどしか確認出来ませんでした」


エバートンの質問にスハイツが答える。


「多数の攻城用カタパルトをゴーレムが操作し、あっと言う間に城門を破られました。その後、騎兵隊と多数のゴーレムに突入されて城は落とされました」

「やはりゴーレムですか・・・どうやらゴーレム召還、あるいは製造できる魔術師を多数そろえたようですね」


ん?製造だと?


「ゴーレムは召還する物だけではないのですか?」


思わず二人の話に割って入ってしまった。


「帝国との国境戦で、カタパルトを操作していたゴーレムがいたでしょう?あの数は召還したものではなく、無から作り出す物です。召還したゴーレムのように複雑な事はできませんが、大量に作り出すことができるのです」

「なるほど、俺が召還したロックゴーレムとかは、自分の意思で戦闘してますね」

「そうです、ヒデキ殿が召還する魔物やゴーレムは意思を持ち、ある程度行動できるのです」

「分かりました。話の腰を折ってしまい申し訳ありませんでした」

「いえ、情報はもう充分です。後はどうやって王都を奪還し、帝国軍を殲滅または追払うかです」


エバートンは勝利を前提で話している。

それを聞いたスハイツが、忠告するように言った。


「エバートン殿、王国軍を建て直し、再編成するのにも時間がかかる。あまりにも楽観的すぎでは?」

「ご心配なく、王国軍はゆっくりと建て直していただいて構いません。残存戦力と冒険者チームで充分です。どの程度帝国が我領土を占領しているかによりますが、占領された都市奪還して、その都市を守る兵さえいれば充分です」

「いや、しかし・・・」

「このヒデキ殿は魔術師ムカイと出会い、全ての魔法を伝授されております。しかも独自の召還魔法は、ご覧になった通りです。それに私の魔法陣術式、帝国軍なぞ、敵ではありません」

「ムカイの魔法を全て・・・それは本当に?」


恐る恐るスハイツは俺を見る。


「はい、全部の魔法が使えます。ブルネルへ国王陛下を護送したら、王都奪還の準備に入ります」

「そ、それは・・・心強い・・・」


スハイツの返事は、半信半疑だった。

無理も無い。


「スハイツ殿には、王国軍を指揮していただきますので、論より証拠、ヒデキ殿の実力をその目で見てもらいましょう」

「は、はあ・・・」


次の休憩でスハイツは国王陛下の馬車に移り、俺たちが乗る馬車はガウラン辺境伯のメンバーだけになった。

エバートンは各都市に送り込んでいる密偵にホットラインで連絡を取り、帝国軍の占領地域の確認を始める。

数時間のやり取りで、ほぼ正確な情報がエバートンの所へ集まった。


完全に帝国軍に落ちた都市が王都を含めた3都市。

他は帝国軍と未だ戦闘中。

王都以外の2つの都市は、商業都市ツーロンと工業都市ディリが帝国軍の占領下にあった。


「商業と工業を押さえましたか、戦争の基本ですね。だが農業・・・わがブルネルは押さえられなかった。食料さえあれば、人は戦えます。あと2日でブルネルに到着します。ブルネルで国王陛下一行をガウラン辺境伯に任せて、我々は王都奪還作戦の人員を集めましょう」

「王都への移動は転移魔法陣を使いますか?」

「いいえ、今回は使いません。王都への転移魔法陣の存在は秘中の秘です。国王陛下を保護できた以上、そこまで危急の事態ではありません。戦闘中の都市に行き、王国軍と合流しながら、進撃しましょう」

「冒険者パーティは?」

「ダンジョン攻略組の3パーティで良いでしょう。あまりヒデキ殿の情報は広めたくありませんから」


デトレフさんの問いにエバートンが答える。

当然今回もいかに実力を抑えて勝つか?が焦点だ。

最悪6大魔法を使えば、勝てるのは間違いないから、油断だけはしないでおこう。


「出立はいつにしますか?」

「冒険者チームに連絡を取り、準備してもらい・・・そうですね・・・国王陛下を送り届けた、3日後にしましょう」


休む暇もなしで移動と戦闘かと思っていたが、3日は休めるらしい。


「それまでに準備が間に合わなかった冒険者チームは、今回は依頼はなしと言うことで、お願いします」

「長期の依頼を受けていなければ、大丈夫だと思う」

「では連絡はデトレフさんにお願いします」

「承知した」


こうして国王陛下の護送は、王都奪回作戦の打ち合わせに終始して終わった。

国王陛下一行は迎賓館ではなく、安全を重視してガウラン辺境伯邸の別館に滞在してもらうことになった。

メイドや執事合わせて、30人以上の大所帯だが、さすがはガウラン辺境伯の別館、余裕で部屋を用意できたと言うことだ。

王族にとってはハードな旅だったのだろう、国王陛下も含めすぐに部屋で休むことになった。

国王陛下が俺達に労いの言葉を賜り、俺とエリーは神妙に挨拶をして、エバートン邸へと戻った。

報酬は後日支払われると言うことだが、金は充分な額が冒険者ギルドに預けてあるので、いつでもいいや・・・と、思ってしまったのは、冒険者として失格かも知れない。

エバートン邸へ戻ると、俺も疲れていたらしい、ベッドに横になったら、眠気に襲われ食事も取らずに寝てしまった。



― ― ―


アベリア王都にて


イーゼルト帝国軍総司令ハンス・ゲルトは、今しがた入った情報に驚愕していた。


「国王追撃軍が全滅だと!?」

「はっ!!帝国軍騎兵隊と魔術師は全滅いたしました」

「馬鹿な!!戦力として5倍近くの数で追撃したのだぞ!!しかも国王以下、馬車での逃避だぞ!!何が起こった?いきなり天から万の王国軍でも降って来たのか!?」

「万ではありませんが・・・天から・・・」

「王国軍が降って来たのか!?」

「いえ、巨大な翼竜とロックゴーレムとファイヤーゴーレム、それに雷を纏う魔獣が出現し、我帝国軍の追撃隊を殲滅してしまったのです」

「まさか・・・」


ハンス・ゲルトはここに至って、何があったか理解した。

傅く報告兵は微動だにしない。

ハンス・ゲルトは報告兵に語るでもなく呟いた。


「ブルネル国境での5万の兵が全滅した。その時に現れたのが、ロックゴーレムと翼竜と雷獣だ。しかも謎の魔術で我魔術師達が倒されて行ったと言う・・・王都陥落の情報をどのように手に入れた?何かしらの連絡手段があると言うのか?・・・とにかく、この戦力が王都奪還へと向かって来るわけだ・・・」


ハンス・ゲルトは暫く沈黙し、報告に目もくれずに玉座の間へと向かった。

玉座の間に入ると、ハンス・ゲルトは跪き、貴族の礼をする。


「報告します。ブルネルのエバートンが介入して来た模様です。国王追撃軍が全滅しました」

「やはり来ましたか!!予想より少し早いですが、まあ良いでしょう!」


玉座に深々と座っている男が不敵に笑う。


「私がいる限り、エバートンに遅れはとりません。決着をつけてやりましょう!!」


男は拳を強く握った。



どうやら敵にも、傑物がいる様子・・・

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