国王護送
王族の構成考えるのがきつかったです。
プロットではその辺り、はしょりますから。
共和国にしておけば良かった。
帝国兵の残敵掃討が終了する頃、スプレイルニルの空馬車が到着した。
ガウラン辺境伯の用意した馬車も豪奢ったが、国王陛下の乗っている馬車はそれ以上に豪奢だ。
エバートンとスハイツが協議して、4頭立てのスプレイルニルを2頭ずつ分けた。
2頭立てのスプレイルニルが引く馬車を4台、4頭立ての馬が引く馬車を1台に編成し直した。
これによって、国王陛下と王族はそのままの馬車で移動する事ができる。
もちろん俺達に加えてスハイツが、余ったスレイプニルの馬車に乗り同行する。
帝国の追撃が再び来る前に移動を開始するので、国王陛下との謁見は移動後の最初の休憩時に行うことになった。
エバートンがスクロールを取り出し、街道の両端に魔法陣を広げた。
敵兵が通ると作動する罠で、同時に敵兵の動きがエバートンに伝わる仕組みにもなっているらしい。
相変わらずエバートンの作る魔法陣は万能だ。
敵味方含めて死体を一箇所にまとめ、ファイヤーゴーレムを使って一気に荼毘に付した。
まずは国王陛下と王族一行を安全なブルネルへ送り届けなければならない。
すぐに馬車は出発した。
通常の馬車には王国騎士団の魔術師と兵士が乗り、後に続いたが当然スレイプニルの馬車には遅れてしまうが、空馬車にするよりはましだ。
とにかく国王陛下一行を救い、護送の任務についたわけだ。
俺とエリー、デトレフさんは冒険者なので、行きはガウラン辺境伯に雇われ、帰りは国王陛下の護衛なので、王国に雇われる形になるらしい。
大雑把な世界だと思っていたのだが、会計面は意外としっかりしていると思った。
スレイプニル2頭立ての馬車は当然のように、他を引き離し4台の馬車だけが、街道をブルネルへ向かいひた走る。
到着は王族の休憩を多めに取ることにしたので、10日後の予定だ。
今回はエバートンと俺がいるため、逃避行ではなくなり安全は保証された。
王族の疲労をできるだけ抑えるための措置らしい。
馬車は走り続け、夜になって休憩となった。
ここで国王陛下以下王族との謁見となるが、俺は王族に対する礼儀作法が全く分からない。
どうすれば良いかエバートンに聞いたら、片足で跪き頭を垂れて、顔を上げて良いといわれるまで、頭を下げていれば良いと言われた。
無礼打ちとかならないだろうな?
準備が整い、まずは国王陛下と王妃との謁見となる。
「オルトン・マドック・アリベル国王陛下とエリカ・マドック・アリベル王妃様が馬車よりお下りあそばされる。皆、臣下の礼を!!」
スハイツの声に従い
エバートンを中心に、向かって左が俺とエリー、右にデトレフさん、後ろ親衛隊のディートリッヒとベルタが跪いて頭を垂れた。
豪奢な馬車から国王陛下と王妃が降り、スハイツが俺達の紹介を始めた。
「エバートン殿はご存知でしょうから、割愛させて頂きます。こちら冒険者で魔術師のヒデキ殿と妻のエリー殿。同じく冒険者のデトレフ殿、ガウラン親衛隊ディートリッヒ殿とベルタ殿。今回危機を救ってくれたのは、ヒデキ殿の召還魔法でございます」
「うむ、ご苦労である。余がオルトン・マドック・アリベルである。皆、顔を上げ楽にするが良い」
国王の声に、皆、顔を上げる。
楽にと言っても、姿勢はそのままで、顔を上げて国王と王妃のご尊顔を拝謁しただけだ。
国王は50代後半だろうか、身長190センチぐらいで、がっしりとした体躯、太ってはいるが、肥満ではなく、筋肉太りといった面持ちだ。
髪はプラチナブロンドで、豪華な王冠がそれを際立たせている。
瞳は碧眼で、目つきは鋭かった。
一方王妃は30代後半、身長170センチぐらいで、プロポーション抜群の金髪碧眼美人だった。
髪は腰までの縦ロールで、さぞかし手入れが大変だろうと思われた。
頭部にはこれまた豪華なティアラが乗っていた。
こうして見ると、まるで物語の中の王様と王妃みたいだ。
国王は俺の方を見て、静かに言った。
「ヒデキだったか?貴殿は召還魔術が得意なのか?馬車の小窓から見ておったが、複数の魔物とゴーレムを召還し、使役するとは見事な技である」
「お褒めに預かり、光栄至極であります。この度の戦闘では、エバートン参謀ぼ指示で、召還魔術を用いました。的確な戦術の選択は全て参謀のおかげであります」
「ほう、自分の魔術の力に奢らず、自分よりも作戦を立てたものを賞賛するとは、若いのになかなか人間が出来ておる」
そしてエバートンの方を向き、
「ガウランは良い魔術師を抱えているようだな?危急の時の隠し玉か?」
「いえ、ヒデキ殿はこの数ヶ月でブルネル領に現れ、ダンジョン攻略の立役者になられた御仁です。運良く我陣営に加わっていただいたのです」
「ふむ、ヒデキ殿が王都におれば、このような事態にはならなくて済んだものを・・・まあ仕方が無い、この後態勢を立て直し、王都を奪還しなければならん。ヒデキ殿には引き続き尽力願いたいのだが・・・」
「勿論です。ブルネルに、ひいてはアリベリ王国に世話になっている以上、恩義は返させていただく所存です」
「おお!!それは頼もしい!!ムカイの不在が発覚し、帝国に付け込まれたが、これで帝国に目に物見せてやれそうだ!!」
「そのためにも、一度ブルネルまで引き、王都奪回の作戦を立てましょう」
エバートンが長引きそうな話に割って入った。
「うむ、そうであった。今は休む時であったな。反撃はブルネルに入ってからだな」
「さようでございます」
「では、余は休むとしよう」
「御緩りとお休み下さいませ」
国王と王妃は馬車へ入って行った。
王妃は一言も話さなかったが、凛とした姿勢を一度も崩すことはなかった。
これで終わりかと思えば、そうではない。
今度は王子と王女との謁見だ。
2台目の馬車から2人の青年と3人の男の子、3人の成人女性と3人の少女が降りて来た。
スハイツの紹介によれば、最年長の青年が当然皇太子殿下でケイン・マドック・アリベル。
国王に似てがっしりとした体格で長身だった。
顔立ちはどちらかと言えば、母親に似たのだろう、穏やかな顔つきをしている。
年齢は20代後半ぐらいか?
なかなかの美男子である。
次男のカイルは兄のケインに比べて、やや背が低く、父親似のいかつい顔をしていた。
男の子は皆10歳以下で、10歳のアレフ、8歳のバート、5歳のジェイルと幼かった。
長女のアデル王女は20代半ばだろう、母親よりも身長は低いがそっくりの体型と顔付をしていて、頭には小さなティアラが乗っている。
次女と三女は双子で、ベルとベス、ドレスの色が違う以外は、そっくりだ。
一卵性の双子なのは間違いない。
歳は二十歳だそうで、長女のアデルに比べて、活発そうだった。
髪もセミロングをポニーテイルにまとめていた。
アデルが美人なら、可愛い感じの双子だった。
3人の少女は15歳のシェミー、13歳のドーラ、11歳のマーゴ、皆、そばかすがチャームポイントの可愛い子達だった。
この11人の子供達は、全員王妃様が生んだわけではないはずだ。
側室が生んだ王子、王女も分け隔てなく育てられているのは、この国の良いところなのだろう。
王子や王女達も馬車の小窓から、ゴーレムや翼竜、雷獣を見ていたらしくて、俺が召還したと教えられて、畏怖と尊敬がごちゃまぜになった目で俺を見ていた。
まあ、どこの馬の骨とも分からない男が、強力なゴーレムと魔獣を召還したのだ、無理もないところだ。
だが、5歳のジェイルと11歳のマーゴには懐かれてしまい、俺と一緒の馬車に乗ると言われて、スハイツがなだめてもダメで、最終的には、王子、王女付きの年上のメイドが馬車から出てきて説得してもらうはめになった。
3台目の馬車には、国王の叔父、叔母、従兄弟、妹、しれに側室2人が乗っていて、挨拶をされたが、さすがに覚えきれずに終わってしまった。
一度に挨拶されても覚えられる訳がない。
名刺とかあれば楽なのに。
登場人物がどんどん増えて行く。
そろそろ登場人物紹介を載せるべきかもしれませんね。




