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調査前日

日曜日で休日だったので、早めに投稿します。

翌日にレイト村調査を控え、調査隊の編成が完了したらしい。

改めて会合をするので、辺境伯邸への呼び出しが来た。

デトレフさんのお迎えで、シルバーファングの面々と合流しガウラン辺境伯邸へと向かう。

ライカンスロープにイフリート、その背後には謎の魔族。

調査だけでも、それなりの戦力をそろえなければならなかった。

ガウラン辺境伯は参謀エバートンに調査隊の編成を指示。

その戦力がそろい、めでたく召集がかかった次第である。

ガウラン辺境伯邸に着いたら、今日は中庭に案内された。

相変わらず名前の分からない執事の案内で中庭に進むと、広場があり、かなりの人が集まっていた。

指示された列に並ぶ。


一番後ろだったので、全体が見渡せる。

前方には少し高くなった台が2つあり、向かって右の台にエバートンがこちらを向いて立っていた。

真黒いローブを羽織、高価そうな杖を右手に持っていた。

もう片方は空いているが、まず間違いなくガウラン辺境伯が立つのだろう。

その台に向かって右側の列に俺達は並んでいた。

俺達を含めて、明らかに冒険者とわかるパーティが3組いた。

左側は伯爵の私設騎士団だろう。

俺達の散漫な整列に比べて、整然と並んでいる。

訓練が行き届いている証拠だ。

本当に女癖以外は、才能の塊だな、ガウラン辺境伯は。

数は16人、8人ずつ2列、同じ紋章の鎧を身に纏っている。


ガウラン辺境伯はまだだろうか?とぼんやり眺めていたら、前にいたフルプレートの冒険者が振り返って、何かに気づいたのか、俺の方へドスドスと大股でやって来た。


「なんだ!ヒデキじゃねえか!?お前もこの調査隊に入っていたのか?シルバーファングに入ったとか聞いていたが・・・早速か・・・」

「どちらさまでしたっけ?」


こんなフルプレートの人に、知り合いはいない!


「ん?誰って?お前・・・ああ・・すまん、すまん」


やって来た男はフルフェイスのヘルムを脱いだ。

マッチョな狐耳のおっさんの顔があった。


「セルゲイさん、あなたも参加するのですね?」

「おうよ!エバートン参謀から直接の依頼だからな、俺達『パワーボム』も喜んで参戦よ!!腕がなるぜ!!」


パワーボム・・・か・・近代プロレスのスタンダードな技の名前か・・・

セルゲイにぴったりのチーム名だ。


「しかしヒデキよぉ!今からでもこっちに来ねえか?俺はお前が気に入ったのよ!」

「嬉しいですが、それは、またの機会に・・・」

「つれねえなあ、一緒に昼飯食った仲じゃねえか!!」

「そう言われましても・・・」


どこまでもパワフルな狐耳である。

狐を差別するつもりは全くないが、もう少し、こう、何と言うか、控えめなものじゃないのかな?

まあ、良いのだけれどね。

しかし、この押しの強さは・・・


「セルゲイさん、ヒデキさんはうちのパーティのメンバーですよ。横槍はマナー違反ですからね」


シルバーファングのリーダー、クラウスが割って入った。

助かった!クラウスに感謝!!

セルゲイは悪びれずに離れる。


「チッ、クラウスか!分かったよ、今回の遠征はお前んところに譲ってやるよ。だがあきらめねえからな!!」

「無理な勧誘でなければご自由にどうぞ」


そうこうする内にガウラン辺境伯が姿を現した。

早足である。


「ガウラン辺境伯の「前口上はいらん!!」

「ハッ!!」


相変わらずの短気っぷりだ。

エバートンの横に立つと、いきなり話し始めた。


「レイト村が魔物と魔人に襲われてから3日、魔族の影も感じられ、明日調査隊を送り込むことになった!!」


ここで辺境伯は一拍おいた。

辺境伯から殺気のような気迫が迸る。


「本来ならば、我が開拓村を占拠した魔物など、即座に殲滅をしてやりたいが、そうもいかん。魔族が暗躍している可能性を考え、明日調査隊を派遣し、王都からの使者が来るまでに報告が出来るようにするのが、今回の目的である!!調査が目的であるので、損害を出すわけにはいかん。しかるに、エバートンに万全の編成を組ませた。具体的な作戦はエバートンより、説明がある。以上だ!!エバートン!!」


ガウラン辺境白が一気にまくし立てた。


「ハッ!それでは、ガウラン辺境伯私設騎士団参謀エバートン、辺境伯に代わりまして説明いたします!」


ガウラン辺境伯の激が終わり、エバートンが作戦の解説を始めた。


「編成はガウラン辺境伯私設騎士団より、中隊を一隊15名、但し隊長には右翼師団長アイオロスとする。遊軍索敵部隊として冒険者パーティを3チーム・ゴールド・エクリプス5名、パワーボム5名、シルバーファング7名、以上の3チームの隊長を冒険者ギルド・レイト村支部長デトレフとする。指揮系統の混乱を避けるため、最終決定権はアイオロスとする。しかし、それは最終決断を迫られた時に限る事とする。通常は騎士団、冒険者3チームの指揮は各隊長の判断に一任する。」


ここでエバートンは一息ついた。

周りが意図を理解する為に間をおいたようだ。


「続けろ!!」


そんな意図は無視して、辺境伯が催促する。

少しは参謀の意図を汲み取ってあげて欲しい。


「引き続き作戦を説明する。出発は明日、日の出の刻!冒険者3チーム及び隊長のデトレフは、スレイプニル4頭立ての馬車にて先行、それに続き騎士団が騎馬にて後を追う。冒険者チームはレイト村の少し手前で、停車。直ぐに索敵を開始、戦闘は極力避け、後続の騎士団を待つ。騎士団到着後、索敵報告」


エバートンは再び一息つき、伯に辺境言われる前に続ける。


「その後騎士団を中心にレイト村へ突入、冒険者パーティは遊軍として展開。敵戦力を確認しながら戦闘、魔人、あるいは魔族を確認した場合は、撤退しながら戦力の分析。被害甚大になる前に、完全撤退を完遂。不測の事態として、魔族が最初から確認された場合は、即座に撤退をすること。以上だ。何か質問は?」

「勝てそうならば、魔人や魔族と戦っていいのか?」


パワーボムのセルゲイが豪快な質問をした。

どうしてこの狐耳のおっさんは、質問までマッチョなのだろう?


「魔人は場合によっては許可するが、魔族は許可できない。何故ならば、計算上この戦力では、イフリートを使役できる魔族には勝てないからだ」

「なにぃ!?俺らじゃ勝てないって事か?」

「然り!!是非もない!!」

「ウッ」

「他に質問は?」


セルゲイの反応を無視して続けるエバートン。


「魔族を確認するまでは戦えと言うことでしょうか?」

一番前のゴールド・エクリプスから質問が飛んだ。

女性の声だった。

ほう、リーダーは女性なのか。

どのようなチームなのだろう?


「可能な限り確認してもらいたいが、先ほども言ったように、被害甚大になるようであるならば、その限りではない。他に質問は?」

「この街の守りはどうなります?」


シルバーファングのリーダー、クラウスさんが質問にした。

いかにも真面目な彼らしい質問だ。


「街の守りは、残った騎士団と冒険者全員で当たる。冒険者ギルドにも手配済みだ。他に質問は?・・・・ないようならば、これで解散とする!明日、ここより出発する!全員遅れないように!!それでは解散!!」


実に気持ちの良い受け答えだった。

さすが、ガウラン辺境伯の参謀だ。

エリーを檻に閉じ込めて飼っていた事は気になるが、有能な人物である事は間違いない。

この事件が終わったら、一度訪ねてみる必要があるな。

それはさておき、あっという間に会合が終わってしまった。

食事にでも行こうかと思っていたら、デトレフさんが声をかけて来た。


「ヒデキ殿、毎度のことですまないが、パワーボムとゴールド・エクリプスのメンバーを紹介するので、一緒に食事をしようではないか」


こちらとしても願ったり叶ったりではある。


「分かりました、行きましょう!」


次の投稿は、明日です。


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