ドラゴンと共に
プロットを1話分小説にした後は、プロっとの続きを書いています。
プロットを書いておかないと、アイデアを忘れてしまうのが、もったいないのです。
ブルネルに入り、一日目の夜が明けた。
宿に案内されたのが遅かったのと、ベッドに入ってからのエリーとの情事で、ほとんど寝ていない。
結局俺はエリーと性交をいたしてしまった。
自分の性欲に勝てなかったのだ。
俺を慕ってくれているエリーは満足そうだ。
ご機嫌である。
エリーは大事な相棒だ。
その相棒を性欲だけで、抱いてはいけないだろう。
しかし自己嫌悪に陥っている場合ではない、今日は対魔族会議があるのだから。
当事者である俺も参加することになっているのだ。
ベッドから降りて服を着た。
「おはようございます、ヒデキ様」
エリーは少しはにかんで微笑み、ベッドから降りて来た。
下着をつけて服を着る。
「おはようエリー、エリーはその姿で魔法は使えるのか?」
「はい、ブレス以外ならば、詠唱が出来ますので、もちろん無詠唱でも使えます」
「そうか、炎の魔法をS級まで使える魔術師と言うことにしておこう」
「承知いたしました、後は魔物を探知でますので、探査もできると言う事に?」
「それでいこう。今日の会議で、魔族の討伐に参加するなら、俺とエリーのパーティーと言う事にしよう」
「はい!!」
エリーを欲望の赴くままに抱いてしまった事を反省し、今後エリーを愛せるように努力する事にした。
ドラゴンは高位の存在である。
知能も人間以上に高い。
人と対等以上につきあえる存在なのだ。
ドラゴンの恋愛感情はどのようなものかは分からないが、エリーは俺を慕ってくれている。
『この世界でエリーと共に歩んで行こうと決心した』
そうこう考えているうちに、迎えの使者が尋ねて来た。
「お早う御座います、ヒデキ様!起きてらっしゃいますか?」
ドアの外で元気な声がした。
ドアを開けて見ると、迎えに来たのはリーナだった。
荷物を持ち、リーナの案内で表に出た。
眼前にはブルネルの町並みが広がっている。
辺境都市と言うから田舎だと思っていたが、日の光の下で見たブルネルの町並みは大都市だった。
宿屋を出たら左右に整備された幅20メートルほどの太い道がまっすぐ走り、大勢の人や馬車が行き交っている。
両側の路肩には所狭と露天が並び、商人の声が元気よく響いていた。
朝早いと言うのに、活気で満ち溢れている。
右を見れば、遠くに城門が見え高い城壁が左右に延びている。
左を見れば遠くに城を思わせる屋敷が立っていた。
あれが領主の屋敷なのだろう。
「本日はガウラン辺境伯も同席されて、レイト村での事件の報告と対策会議になります。お疲れのところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします」
「はい、承知しました。ところで、ガウラン辺境伯はどのようなお方ですか?」
リーナの案内で、ガウラン辺境伯の屋敷に向かいながら情報集する事にする。
この世界、ネットがないのだから、こうやって情報を集めるしかないのだ。
情報は大事である、それはどの世界でも変わらない。
ガウラン辺境伯の人となりを知っておきたかった。
「このような辺境を統治されているお方ですので、武に秀でたお方です。王都での武芸大会にて準優勝を2度されています。その功績により、この地ブルネルの統治を任されたのです。」
「このような立派な都市なのに、ブルネル地方と同じ『ブルネル』と言う都市名なのは何故ですか?」
「ガウラン辺境伯は実を重んじられる性格で、『都市の名など、どうでも良い。この地と同じなら忘れることもなかろう!』とおっしゃいまして・・・」
なるほど、本当に実利主義なのだな。
「統治者としての評判はどうなのですか?」
武よりも政治家としての手腕が大事だ。
リーナはにこりと笑いながら答えた。
「大変優れたお方です。ブルネルに着任されて直ぐに税制の改正を実行されました。様々な租税を撤廃して、人頭税に統一、収入が一定以下の者は無税、一定以上は増税」
露店商を見ながら、リーナが説明する。
「城壁の外に広大は農地を開墾して、多彩な作物を栽培し、王都、他地方や他国へ輸出。その貿易収入によって、莫大な利益を上げ、ブルネルに治癒術師を多く招き、無料の治療施設を建てて領民の健康管理を徹底させました」
リーナは城壁の外を見ながら続けた。
「辺境伯直営の孤児院を建設し、孤児の保護に努めました。教育も熱心で、私塾を無料で開設、優秀なものは王都への留学制度も設けました」
リーナがある大きな建物を指差した。
おそらく孤児院だろう。
「治安維持にも力を注ぎ、私設騎士団の強化、冒険者ギルドへの資金援助を行っています。それから・・・」
お腹一杯だった。
税制や農業特化の財政には多少穴があるが、名君と言って良いだろう。
農業特化は飢饉が恐いが、この数百年ブルネル地方で干ばつや、冷夏、豪雨豪雪の災害は起こっていないそうだ。
ガウラン辺境伯は、その穏やかな気候を見方にして、農作物の輸出で圧倒的な貿易黒字を叩き出し、領内の財政を磐石なものにしたのだ。
露店の呼び込みにさえ活気があるはずだ。
楽市楽座と言う訳だ。
売り上げ自体からは、税金取られなければ利益率が跳ね上がる。
仕入れ以外は全部儲けになるわけだからな。
「気性はどのようなお方なのでしょうか?」
名君なのは分かったので、伯爵の性格を把握しておきたい。
「善悪に厳しく、多少・・その・・癇癪持ちでいらっしゃいます」
リーナの顔が少し曇った。
あれ?問題ありか?
「強盗団がこの街に侵入して来た際には、全員を捕らえて拷問、強盗団の塒を聞き出した後に全員火あぶりの刑、その後塒に私設騎士団を差し向け殲滅しました」
さらにリーナは俯きながら続ける。
「女、子供、老若男女全て殺しつくしました・・・・生き残りがいると遺恨が残り、後々の災いになるからだそうです」
根切り・・・信長が他城主を攻落とした時に使った戦法・・・
この世界の信長・・そのうち上洛を目指すんじゃないだろうな?
絶対に怒らせないようにしよう。
「それと、、、言いにくいのですが・・・」
リーナはちらっと、エリーを見た。
「エリーが何か?」
「いえ、伯爵は好色な方でして、その美しい女性に目がないのです。エリーさんは美しい方なので、側室にと・・・その・・・」
信長だと思ったら、秀吉だったか、英雄色を好むはこの世界でも通用するのかな?
禿げていなければいいな。
鼠みたいな顔じゃなかろうな?
「断っても良いのですよね、まさか名君の誉れ高い辺境伯が強引にエリーを自分の物にしようとか、しませんよね?」
暗殺とか・・・恐い恐い・・・
「強奪などしませんが、本当に美しい方を好まれますので・・・・」
「どうします?エリーはどこかに預けて行きますか?」
「イヤです!ヒデキ様と離れたくありません」
エリーが必死に俺に縋り付いた。
「・・・エリーさんを隔離するのは無理そうですね・・・とにかく夫婦仲が良いところを辺境伯に見せるようにして下さい。辺境伯もさすがに仲むつまじい人妻には手を出さないでしょうから」
エリーのテンションが急激に上がっていた。
「それなら大丈夫です。私とヒデキ様はいつでも仲むつまじいですから!」
「じゃあ、そのように振舞ってください」
「もちろんです!!」
道中、村人はどうしたのか?と聞いたら、開拓村全員がこの街出身で、実家や知り合いの家に身をよせたそうだ。
イレーネとトムも無事でなによりだ。
妻と言う言葉に、のぼせているエリーが正気に戻って、俺の腕に押し付けている胸を離した頃に、屋敷の入り口に到着した。
さすがにブルネル地方を統治している領主の屋敷である。
でかい立派な門の両側に4人の門番が立っていた、戦士と魔術師の2人ずつの4人組だった。
雰囲気から上級ランク以上の戦士と魔術師というのが分かる。
俺は緊張し門の先、遠くに見える屋敷を眺めた。
しばらくは、状況説明の話が続きます。
では、また明日。




