ブルネルへ
今日も投稿できてほっとしています。
ここから、登場人物が増えてゆきます。
俺達はブルネルに向かう途中、討伐隊の冒険者パーティと合流した。
討伐隊は、S級冒険者2名上級冒険者3名のパーティだった。
パーティランクとしてはS級だそうである。
男が4人、女が1人のパーティだ。
男4人はそれぞれ剣やバルディッシュを持ち、剣士、女はローブを纏い魔術師という組み合わせだった。
トロール8体ぐらいなら、これで充分と言うことだろう。
恐らく魔術師が足止めをして、剣士が首を撥ねるという作戦が定石かな?
しかし状況が変わった、ライカンスロープと魔人、背後には魔族もいるはずだ。
デトレフさんは討伐隊のリーダーらしき男に現状の説明をしている。
トロール討伐と思っていたパーティの面々は驚きの表情を隠せなかった。
そんな中、討伐隊の女性がじっとこちらを見ていて、近付いてきた。
ローブのフードを取って挨拶をして来た。
「こんばんは、私、リーナです」
「こんばんは、ヒデキです」
「妻のエリーです」
合流する前に、デトレフさんと相談して、エリーは妻ということにしておいた。
エリーは大喜びである。
小躍りしていた。
ブルネルでレイト村の人と出会った時のことが気になったが、トカゲは村で逃がした。
エリーは元々、レイト村で合流する事になっていて、トロールとの戦闘中に合流した、と言うことにしてある。
「エリーさん、どうして上着だけで、靴も履いていないの?」
魔術師の女がこちらにやって来て、エリーを見て、俺に尋ねた。
「トロールとの戦闘中に、待ち合わせ場所だったレイト村にやって来て、戦闘に加わってくれたのだけど、服を破られてしまったんだ。その後逃げ出す事になったので、俺の上着を着せたのさ」
「トロールは動きが鈍いので、油断してしまいました」
エリーが追加でフォローする。
「今回のような事になって、着替える暇もなく逃げて来たのね。そう、わかったわ、でも変な上着ね?私のローブを貸してあげるから、着替えなさいよ」
「ありがとうございます、リーナさん!」
エリーはリーナにお礼を言ってローブを受け取り、ローブを羽織ってから、上着を脱いで俺に手渡した。
「上着ありがとうございました。ヒデキ様」
「ブルネルに戻ったら、靴と着替え用意してあげるからねエリーさん!」
「それはどうも、今、手持ちがありませんので、ブルネルで稼いで、返しますので」
「気にしないで下さい、ヒデキさんの活躍は聞きました、村人全員がブルネルに避難できたのも、デトレフ師匠も無事なのも、ヒデキさんのおかげだそうですね。それ相応の報奨金が出ますので、期待しいて下さい」
「そういえば報奨金がもらえるって、聞きましたね・・・デトレフ師匠?」
「ええ!!そうです!!デトレフさんは、今ここに来ているパーティ『シルバーファング』のメンバー全員の師匠なんですよ」
「ええっ!?じゃあデトレフさんの実力はかなりのものなのでは?」
「そうですよ!S級に上がる前に、開拓村に行ってしまったから、上級ですけど、ブルネルではトップクラスの実力者です」
リーナはこっそりと耳打ちするように言った。
「ここだけの話ですがS級になるのをずっと拒んでいて、いいかげんS級になれと言われて、レイト村へ逃げたとか・・・」
上級までは自動的に上がるけれど、S級はその資格があっても、自分で上がらなければ上がらなくてもいいらしい。
尤も、あまり上がらないと、冒険者ギルドからつけ上げが来るそうだ。
人狼に対しても、ましてやイフリートを見ても、落着いているなあと思っていたけど、トップクラスの実力者だったのか。
「俺は凄い人と一緒に戦ったと言うわけですね」
「そうですが、ヒデキさんも凄いのですから、そこまで恐縮しなくても良いでしょう。それよりもこの後はどうされるおつもりですか?」
リーナが俺とエリーを見ながら俺に聞いた。
「もちろん冒険者として、参加します」
「私も同じです」
エリーが俺の腕にすがるように寄り添う。
「それは心強い!」
リーナがほっとしたように、にっこりと笑った。
「経験が浅いのでたいした力になれないかも知れませんが・・・」
「ご謙遜を!実力がなければ先ほどデトレフ師匠からお聞きした危機は、乗り越えられませんよ」
「いや、本当に、運が良かっただけですから」
「運も実力のうちです、ぜひお力をお貸し下さいね」
「はい、頑張ります!!」
俺の代わりに応えたエリーは、ここぞとばかりに、俺の腕に胸を押し付けた。
この世界の常識なら、冒険者はこういう事件で稼げるはずだ。
頑張ってみよう。
「さあ、ブルネルに一度戻るぞ!ヒデキ殿、よろしいですかな?」
「はい、問題ありません」
「彼らの紹介は、街に着いてからにしますので」
「承知しました」
デトレフさんの一言で、全員騎乗した。
当然俺達3人は、誰かの後ろに乗せてもらうことになる。
エリーは当然、リーナの後ろだった。
馬は疲れた様子も見せずに、ブルネルへの道を駆けた。
徒歩ならば朝までかかったであろう道のりを、馬は数時間で走破したのだった。
ブルネルへの城門が近付き、デトレフさんが門番に一言いうと、城門はすぐに開かれ、中へと入ることができた。
月明かりに町並みがぼんやりと見えるが、色々見ている余裕はない。
ブルネルに着いてすぐに、デトレフさんは俺とエリーに宿を手配してくれた。
冒険者がいつでも利用できる、24時間営業のコンビニのような宿だった。
明日の朝、改めて報告と対策のための場を設けるそうで、迎えが来ることになっていた。
エリーは下着と紺色のワンピースにブラウンの革靴をリーナに用意してもらい、部屋に入ると、うきうき顔で着替えた。
「ヒデキ様、どうですか?似合いますか?」
ワンピースを着てくるりと回り、にこりと笑う。
エリーは上機嫌だ。
自分の服がよほど嬉しかったのだろう。
顔もその仕草も可愛かったので、本気で褒めた。
「うん、可愛いな!最高に似合うぞ」
「ありがとうございます」
「さあ、明日は早い、あまり時間もないが、少しだけでも寝ておこう」
「はい、分かりました。あのう・・ヒデキ様・・」
エリーが真剣な面持ちで語りかけて来た。
「どうした?」
「ご一緒してもよろしいでしょうか?」
「・・・」
二人部屋を用意してもらったので、ベッドは二つあった。
ならば、一人に一個のベッドで休むべきだろう。
だがエリーは1つのベッドで一緒に休みたいのだろう、懇願するように俺を見ている。
「エリー、下世話な話で悪いが、俺はこちらに来てから、一度も性行為をしていない。イヤ、それどころか、恵理子と別れてから、していない。」
「はい、存じております」
「だから、一緒に寝るとだな、手を出さないと言う自信が無い」
「構いません!私の全てはヒデキ様のものです!」
「しかし・・・」
エリーが強気で、俺は弱気だ。
「大丈夫です、ヒデキ様と私では種族が違います。妊娠はしないはずです。」
「いや、そういう問題ではなく、恵理子の代わりにお前を抱くのは、俺の良心が許さないのだ」
最後の理性を振り絞って、ベッドにもぐりこみ無理やり毛布を被り目をつぶった。
これ以上話すと押し切られそうだった。
エリーが恵理子の姿になってから、そういう行為を全く考えなかったと言えば、嘘になる。
俺は聖人君子ではないのだ。
俺はベッドに逃げ込んだ。
鋼の意思で性欲を抑える!!
「この話はここまでだ、さあ寝るぞ!」
エリーはごそごそしていたが、急に俺のベッドの方へ潜り込んできた。
裸だった。
俺は眠った振りをしたが、エリーは俺の背中に、柔らかいバストを押し付けて来て、耳元でささやいた。
「ヒデキ様、どうかお情けを下さいませ」
背中に乳首が当たる感触があった。
俺の理性という障壁は崩壊し、性欲と言う獣が開放されてしまった。
俺の鋼の意思は、竹光だった。
男って基本、意思が弱いですよね・・・




