表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/130

2都市奪還作戦 ①

投稿ミスを除いて、毎日投稿で100話まで来ました。

以降はなるべく毎日の投稿を目指すスタンスになります。

俺とエリーが目覚めた時、陽は既に高く上って正午近い時間だった。

すぐに食事が用意され、簡単に食事を済ましお茶を飲んでいたら、会議室へと呼び出された。

兵士の1人に案内され、俺とエリーが会議室に入ると、ガウラン辺境伯からの援軍は、俺達以外は皆揃っていた。

他にスハイツ、ダミアン、バーセル領主が既に席についている。


「ずいぶんゆっくりだな!ヒデキ!!」


案の定セルゲイにからかわれてしまった。


「すまん、寝すぎてしまった」

「冗談だ!冗談!昨日の勝利の立役者は、ゆっくり寝ていても良いって!!」


雑談もそこまでで、エバートンがすぐに本題に入った。


「バーセルを攻めていた帝国軍は、昨夜、一部の投降者を除いて殲滅しました。皆が作戦通り動いてくれたおかげです。さて、投降者から得た情報ですが、商業都市ツーロンと工業都市ディリはそれぞれ5000の帝国兵が占拠しているそうです。指揮を執るっているのは、どちらも中隊長クラスの貴族。参謀にS級の魔術師がついています」

「中隊長クラスが5000人の指揮は厳しいですね」

「ダミアン殿の言う通りだ、簡単に奪還できるのではないか?」


ダミアンが指摘すると、スハイツも追随する。


「確かに指揮官は脆弱ですが、両都市の位置が問題です。商業都市ツーロンと工業都市ディリはご存知のように、隣接した都市です。互いに連携が取りやすく、片方を攻めると必ず片方が救援を送り、挟撃される事になります」

「ですが、帝国軍は両都市を落として占領したのですから、我々も可能なのではありませんか?」


スハイツの質問にエバートンは澄まし顔で答えた。


「もちろん可能です。ですが王都奪還までは出来るだけ損耗を押さえなければなりません。ですから、相手の連携を逆手に取ります」

「なるほど、エバートン殿の考えが見えて来ました」


ダミアンがニヤリと笑った。


「そうです、片方の都市を攻め、相手が挟撃に出たら、手薄になった都市をまず落とします。落としてしまえば、後は簡単、こちらが挟撃して終わりです」

「作戦は理解しましたが、敵は2都市併せて1万。こちらは1000・・・戦力が違いすぎるのでは?」


スハイツが再び質問する。


「戦力不足だと?」

「そうです」

「スハイツ殿はまだヒデキ殿の実力を理解されていませんな」

「理解はしていますよ。ですが召還魔法だけでは・・・そう言えばムカイの魔法が!?」


反論しようとして、スハイツが俺の魔法がムカイ並みな事を思い出したらしい。

実際はそれ以上なのだが、6大魔法は今回封印しているからな。


「今回は王都奪還も含めて、ヒデキ殿の魔法ありきの作戦です。元々ムカイが健在ならば、帝国の侵略もなかったでしょうから。では、逆に考えれば、ムカイ以上の魔術師がいれば、全てを覆すことが出来ると言うことです」

「なるほど・・・しかし王国騎士団でもない冒険者のヒデキ殿にそこまで重責を負わせても良いのでしょうか?」

「ふむ、スハイツ殿のおっしゃる事は分かります。ですが戦時中に冒険者も王国騎士団も区別はないでしょう。ヒデキ殿が帝国に雇われていない幸運に感謝すべきかと・・・そしてヒデキ殿の敵にまわる事になった帝国の不幸に同情するべきです」


エバートンの意見にスハイツは俺を見た。


「ヒ、ヒデキ殿はそれで良いのですか?」

「帝国への侵略戦争ならばお断りですが、今回は帝国が侵略して来たわけですから、いくらでも協力しますよ。ここにいる冒険者パーティは皆そうです」

「それに国王直々の依頼だ!依頼料も破格だからな!!」


俺がせっかく格好の良い事を言ったのに、セルゲイが台無しにしてくれた・・・


「バーセルには特殊結界魔法陣を置いて行きます。ほぼ有り得ないと思いますが、帝国軍の再度の攻撃があった場合のみ作動させて下さい。強力な魔力で破らない限り、1ヶ月は何人たりとも出入り出来ません。1か月分の備蓄は絶やさぬように!!」

「感謝します」


今まで沈黙を保っていたバーセル領主が発した言葉は、この一言だけだった。


「商業都市ツーロンと工業都市ディリ両都市の奪還作戦の説明をいたします。本日出立し、両都市近郊への到着は2日後です。先ほどの解説通り、どちらか一方の都市を陽動として攻めます。それでは、どちらの都市を攻めるべきか?」


エバートンはぐるりと我々を見回した。


「商業都市ツーロンを陽動に使います」

「理由は?」


スハイツが聞く。

この男、いちいち理由がないと安心できないのか?

しかし、エバートンは面倒がらずに、丁寧に答える。


「ツーロンは商業都市、ヒデキ殿の召還したゴーレムや魔獣が暴れても、建物の倒壊等の損害で済みます。一方ディリは工業都市、建物の大半が工場です。つまり建物と設備そのものが財産なのです。できるだけ被害を少なくする必要があるのです。陽動でツーロンへ帝国兵が向ったところを狙い、一気に奪還します」

「なるほど、それでは騎士団はディリへ突入ですね」

「そうですが、こちらもヒデキ殿のゴーレムを先に向わせます」

「損害を少なくするのでは?」

「その通りですが、少なくするためのフロストジャイアントを向わせます」

「なんと!フロストジャイアントまで召還を!?」

「そうです、フロストジャイアントが工場を凍らせてから、突入していただきます」

「なるほど!!了解いたしました!!」


スハイツとエバートンの問答に終始してしまったが、作戦会議は終り、俺達は商業都市ツーロンと工業都市ディリ両都市の奪還作戦に出立した。

到着まで2日、ほとんど馬車に揺られる中で過ごす事になる。

乗り物酔いの体質でなくて良かったと、つくづく思った。


2日の移動中も敗走中の王国軍に数度遭遇して、ブルネルへ王国軍が集結していると伝えて、皆ブルネルへ向わせた。

この調子で行けば、ブルネルに集まる王国軍はかなりの数になることだろう。


2日後、商業都市ツーロンと工業都市ディリが早朝の陽の下に見えて来た。

この2つの都市は城壁と城壁の間に陸橋が渡され、直接行き来できるようになっていた。


「通常の門とは別に、直接隣の都市に行けるのですね。あれならばどちらかが攻め込まれても、すぐに救援に向えますね」

「そう、それが利点でもあり、欠点でもあるのです」

「やはり城砦都市なのですね」

「商業も工業も重要ですから、当然城壁で守る事になります。まあ、モンスターが跋扈する世界です。城壁がない都市のほうが少ないですが」

「バーセルは、敵が外でこちらが内でしたが、今回はこちらが外から攻める事になりますが、どうしますか?」

「ヒデキ殿にやっていただく事はバーセルと同じです。『不可視』で潜入、ロックゴーレムと雷獣を召還して後退です。こちらに合流してもらい、そこで普通に翼竜を召還していただきます。帝国軍が隣に救援に向かい次第、攻撃開始です」


やることは一緒か・・・ダンジョンでは最初だけしか通用しなかったけれど、やはり『不可視』は役に立つ魔法だ。

ムカイさん、感謝しますよ。

王都奪還して、報酬をもらったら半分はムカイさんに譲ることにしよう。


馬車が止まり、俺達は左の商業都市ツーロンのほうへ向う。

スハイツとダミアン率いる王国騎士団は右の工業都市ディリのほうへ移動して、待機する。


俺は既に『不可視』を発動させている。

ゆっくりと城門に向って歩き、門の前に待機している商人の後にぴたりと付いた。

帝国軍の占領下でも、商人の出入りがあるとは、さすが商業都市である。

商人がいなかった場合、リーナが商人に扮装して潜入する予定だったが、その必要はなかった。

暫く商人の後で待っていると、許可が出て城門が開けられる。

商人の後から簡単に商業都市ツーロンへ入る事が出来た。

さあ作戦第一段階の開始だ。





明日のプロットはあるので、投稿できると思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ