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ブラックよりのカプチーノ  作者: レア役ウマ太郎


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3月7日

 3月7日。僕の人生で最も忌々しい日だ。学ランを身に纏った僕は、体育館に用意されたパイプ椅子に座り、友人の名前が呼ばれるのを聞いていた。いや、友人ではなく、同級生という呼び方が相応しい。


 この日は卒業式であり、第一志望である国立大学の合格発表日。センター試験で大失敗をした僕にとって合格は絶望的であった。それでも何かの間違いで合格していないかと祈るような気持ちだった。


 通学中、占いサイトを見た。獅子座の僕は「自身を成長させてくれる困難に出会う日」だとのこと。その困難とは大学の不合格なのだろうか、それとも合格発表を震えながら待つ、この時間なのだろうか。


 反省点は山ほどある。センター試験に向けてろくな勉強をしてこなかった。目標をたてては実行せず、また目標を考え直す。深夜まで漫画を読み漁った翌日に友人の勉強する姿を見て焦り、釣られるように勉強する。そんな日々だった。それでも、国数英で高得点をとって、理科社会は今までの知識を思い出せばいけると本気で思っていた。結果は悲惨だった。


 山口だの、山本だのと、知らない名前が読み上げられ続ける。この学校にはこんなに生徒がいたのかと驚いた。中学の時は友人がたくさんいて、卒業式も寂しかったのを覚えている。


 卒業式がやっと終わり、僕たちは教室に戻った。担任の話は長かった。何かの理由で軽く怒られたことは覚えている。「真っ直ぐな姿勢で座りなさい」と語っていたことも覚えている。


 午前中に解散となり、クラスの連中は写真を撮っている。クラスの仲間、部活の仲間。卒業式に撮る写真の枚数が、そいつの高校生活を象徴していると思った。僕はというと、クラスのかろうじて友人と言える数名と撮った1枚だけである。そんな高校生活だった。


 午後1時。名残惜しく写真を撮っていた連中はチラホラと帰宅し始めた。僕は教室の角で合格発表サイトを開いた。自信は全くなかった。「今から不合格発表を見るわ!」と、例の友人を集めた。3人が僕の後ろで画面を見守ってくれた。不合格発表を見て、「ん〜、、激オチちゃーん!」と叫ぶべきか、「いや、落ちてるんかーい!」と叫ぶべきか、真剣に考えていた。


 合格発表を見る。僕の受験番号は306。オンライン掲示板。304、305、307。ない。落ちた。わかっていたことだ。さあ、用意していたギャグを披露するチャンスだ。激オチちゃーんにしよう。


「、、」


 言葉が出なかった。気がつくと、ショウが背中をさすってくれていた。ショウは受験勉強に真摯に向き合い、トップレベルの国立大学を受験した。そして合格発表を翌日に控えていた。

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