エフェクトがかかる
「明暗〜二つの道〜(エフェクトがかかる)」の登場人物
主人公
カウンセラー
アナ
小さい頃は、他者からの影響をスポンジのように吸収すると言われている。それは、良いようにも・悪いようにも…。吸収したまま成長して養分にするか、カビさせるかは、その人次第。私はどちらだろうか。
「〜人の性格が決まるのは、それ相応のきっかけがあるらしいの。あなたの昔話をしましょうか。」
きれいなお姉さんが私に話しかける。私は自分の昔の話なんて話したくなかったから早くこの時間が終わって欲しいとばかり考えていた。誰も話さないまま沈黙が続いたが、この重い空気の中 無邪気に話し始めたのはアナだった。
「誰も話さないなら、アナから話していいかな?……えーとね性格が決まった時か…幼稚園の時かな?たぶん…アナはすっごく元気な女の子だーってお節介な子だーって、良く先生とかお母さんに怒られてたんだよね……。
アナが通ってた幼稚園はね、ヤンチャな子が沢山いて賑やかだったんだ!その中でも一際目立って元気な子がアナだったんだけど、色んな人に話しかけたり、ケンカをしてる友達がいると仲裁しだしたり、お砂場の頂点に君臨していたんだ。アナの仲良くしている子の中には、耳が聞こえず補聴器を付けて手話を使って会話をしている女の子がいたんだけど、アナね、しゅーちゃんと話す為に頑張って少しだけ手話を覚えたんだよ!
「先生、先生!アナって手話でどうやってやるの?」「先生、先生!おはようって手話でどうやってやるの?」「先生、先生!楽しいね!って手話でどうやってやるの?」「ねぇ、先生、先生!」って熱心に何度も何度も先生に聞きに行ったんだ」
「それでもね、アナがどれだけしゅーちゃんと話すために頑張っても、しゅーちゃんはアナとは話したくなかったんだよ…毎日アナうるさいって言われてた…あのね補聴器を付けてると子供の甲高い声はうるさく聞こえるんだって。あの時はなんでうるさいって言われるのか理解してなかったんだ」
「幼稚園児って真似っ子とかおままごととか好きでしょ?アナもね好きだったんだよ!よくやってたのはね…プリンセスとか…妊婦さんとか…耳の聞こえない女の子みたいなのもやってたの。まだ小さかったから障害とかそういうのよく分からないから妊婦さんと難聴者は同じカテゴリーだったんだよね。大人からは変な目で見られるし少し怒られることもあったけど、あの時は偏見は全くなかったから…なんで怒ってんのか分からなかったんだよ。」
「みんなアナと遊んでくれるんだけど、しゅーちゃんはひとりで遊んでることが多かったの。手話が使えるしゅーちゃん担当の先生とふたりでね。アナね、みんなで遊ぼってよく誘ってたんだ。断れたけどね。どれだけ誘っても断られるし、話しかけるとうるさいって言われて手話を使うかゆっくり話すしか会話方法はないから、早口だし、アナ声大きいから会話上手くできなくて、すごく悩んだんだ。」
「会話ってこんなにも難しいんだって何となくで伝わらないことがもどかしかったのを記憶してるんだよね。それとね……」ニコニコしながら会話をしていたが、突然重たい空気へと変化した。
「それとね…」の後アナは何の話をするのだろうか!




