離婚
弁護士に離婚について全て委ねることを電話で話した。
電話で話してから、俺の気持ちを母に伝えた。
「離婚って……どうして? 私のせいなの?」
「違うよ。母さんのせいじゃない!」
「だって……歩けなくなったじゃない、私。」
「前みたいに歩けないようになっただけで、全く歩けなくなったわけ
じゃないだろ?!
骨折して2回も入院して、足の筋肉量がちょっと減っただけだからね。
前みたいに歩けるようになるよ。リハビリ頑張ろう、ね。」
「リハビリ…… 頑張るわ。
ねぇ、本当に離婚するの?」
「うん。するよ。」
「嫁姑が原因なの?」
「違うよ。」
「だって、お父さんにも、私にも会いたくなかったんでしょう!?
だから、貴方達が結婚してから会うこと、ほとんどなかったじゃない。
私、嫌われてるから…… 離婚なの?」
「母さん、父さんや母さんが原因じゃないんだ。」
「じゃあ、何なの?」
「性格の不一致……だよ。」
「そんなの、誰でも性格の不一致よ。お父さんと私も不一致だったわよ。
亡くなった後ね、思ったのよ。
そんなに好きじゃなかったなぁ…って、それにね………
性格って合うものなのかしら?」
「どういうこと?」
「性格って、みんな違うでしょう。」
「うん。」
「親子でも合わない場合もあるでしょう。」
「うん。」
「他人同士が結婚するのに、合うはず無いじゃないの。
合わなくて当たり前じゃないの?」
「そうだね。」
「だから、その理由は、お母さんには分からないわ。」
「だろうね。」
「理由、分からないの?」
「本音を言えば……疲れたのかな?」
「疲れちゃったの?」
「うん。一緒に居るのが疲れたんだよ。」
「そうなの? やっぱり、お母さんには分からないわね。」
「当たり前だよ。親子と言えども、別の人間だから……ね。」
「離婚したら、どうなるの?」
「それは、これから話し合うんだよ。」
「そうなの……、ごめんね。」
「何が!?」
「私がまともに一人で暮らせていたら、離婚しなくて良かったんじゃ…。」
「もう何度も言うの、嫌だから。これが最後だよ。
母さんのせいじゃないから! これは本物の夫婦になれなかった俺達夫婦の
問題だから……。」
「ごめんなさい。もう、何も言わないわ。」
「母さん、こっちこそ、ごめんね。声を荒げて……。
でも、俺達の問題だからね。気にしないで!」
「分かったわ。」
妻が俺の両親に気を配ってくれたことなど一度も無かった、
それなのに、妻は妻の両親に俺が気を使って当たり前だと言ったのだ。
妻は………親との距離が近すぎるのではないかと思った。




