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2話:日常に戻っちまったか

召喚されたのは学校について、トイレに行った時だった。チャックを上げたらいきなり俺の周りが光を放ち始めて


「あ、召喚に成功しました!」


「おー!流石は姫様!素晴らしいでございます!」


なんていう会話が聞こえてきて俺が発した異世界の第一声は




「・・・へ?」


という間抜けな声だった。


これが全ての始まりで俺が成長する事となる第一歩だった。


そして、俺が現実を知る事となる第一歩でもあった。




こっちに帰ってきた時刻としては帰還する際に、召喚された時間の10分後と言われていたのでそのまま教室へ向かえば丁度チャイムが鳴る頃だろう。


さて、向かうかと思ってトイレから出たところで


「あら、こんな所で合うなんてね。桐生くん」


ゲッ…この声はと声の方向へ顔を向けるとそこには俺をパシリにしてくるクソ女。東雲 亜矢が立っていた。おまけに容姿が良くて人当り良いから声高に「こいつ、人でなしよ!」なんて言ったら色んな人からバッシング食らうのは俺だ。本当嫌になる。


「よう、東雲。悪いがいつもの理不尽要求をゆっくりリスニングしてる暇は無いんで。そんじゃ。」

と言って逃げようとしたんだが、

「HR始まってしまうものね。桐生くんにしては賢明な判断じゃない。同じクラスなんだし一緒に行きましょう?あなたの言う理不尽要求とやらが何かは見当もつかないのだけれど、お願いしたい事もあるし、話しながら行きましょう?ね?」


これは・・・詰みだ\(^o^)/


と、敗北宣言をしっかり自分の中でしてしまったから歩きながら聞くことにしよう。


「んで、東雲さんは私なんかの低俗な者に何を頼みたいのでしょうか」


「そう卑屈にならなくても・・・今日の体育ちょっとだけ助けてほしいだけよ」


「ん?体育?あー、バレーのチーム分けするって言われてたな。その関係?」


「ええ。男女3ずつのチームでとりあえずはやっていくって言ってたでしょ?でも、私がチーム組んでって言える男子はあなただけだから」


「そうなんだな。俺で良いなら構わないぜ。他の2人も俺のダチ連れてくるし。それで良いか?」


「え、ええ。ありがとう」


教室に着くと、今度は


「おっはよー。蒼矢ー」


快活女子と表現するのが正しいだろう。伊藤 美奈。誰とでもすぐに打ち解けられるコミュ力の塊とか言う学校生活の勝ち組女子。


「おはよう。伊藤」


「もう!名字で呼ばれるのやだって言ってるじゃん。なんで美奈って呼んでくれないのかなー。あ、もしかして。名前呼びは恋人だけとか決めてる系?そうならそうと早く言ってくれれば良いのに~」


・・・こんなテンション朝からやっててよくもまあ疲れないなこいつ。それにしてもめんどい。疲れる。だから苦手だ。


「ごめんな。女子を名前呼びにするのにはなんか抵抗あるんだよ。許してくれ」


こう言うと彼女はすぐに別の友達の所へと旅立っていった。


程なくして、ホームルームは始まり朝の時間は終わりを迎える。






俺はその日の授業の間、ずっとある事を考えていた。勇者の力はこっちでも使えるのか。どのくらい俺が人間離れしてしまったのか。放課後どっかで検証してみるか・・・どこにしよう?なんて考えてると


「おい桐生。人の話聞いてるか?」


「え?あ、やべ」


「お前にしては珍しいな。まあ良いや。テストも近いんだしこっからは聞いとけよ」


「はーい」


はあ。先生に言われちまった。ま、言われた通り聞いておくかな。


「よし。こっからは過去大学の入試に出た問題を解いてもらう。解けた奴は成績に加点するから、成績欲しい奴は真面目に取り組むように」


うわ。出た。このクラスの数学担当たまにこういうチャレンジ企画やるんだよな。そういや、前に重力魔法で隕石降らせるときに計算補助魔法作ったっけな。使ってみるか。


とは言ってもね、俺の頭でも分かるレベルかもしれんし使うのは少し待とう。さて、問題は・・・

はい。無理です。これは諦めよう。てなわけで


『イニット』


小声で詠唱すると頭の中に


”2√3”


式とすぐ答えが返ってきた。思わず


「え?は?」


と結構驚いて声を上げてしまった。勿論先生は


「お、おい桐生。今日どうした?体調悪いのか?帰るか?」


「あ、大丈夫です。それよりも解き終わったので確認を」


「あー分かった。って、ちょっと待った~!?もう解けたのか!?分かった。持ってこい」


心の中でご心配をおかけして大変申し訳ありませんとスライディング土下座をしておきました。まあ、合ってるのは分かってるから堂々として先生に渡しに行く。


「凄い・・・答えは合ってる。式は書けるか?」


「あー。なら書いてきますねちょっと待っててください」


俺が術式を解除するまで出てくれているなんて当時これを作った俺を褒めてやりたい。なんて思ってると


「お前、そんなに天才だったっけか?」


と隣のイケメンにして俺の友達、芹澤 颯斗が声をかけてきた。


「フッ、君も私の真価に今更気が付いたようだな」


「いや、なんかキモイわ。それはそうと少し教えてもらえね?」


「書きながらで良いなら構わねえよ」


こうして数学の時間は終わった。さて次は体育か




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