お米が鍵だったようです
屋敷に帰ってきたら皆に心配されたけど変な顔もされた。多分、顔に出てたのだろう。嬉しすぎてにやけが止まらなかった。
お父様、お母様、妹と兄弟達はカンカンに怒っていて、お父様は元から威圧感が凄いのに怒ると魔王みたいになっていた。お母様は相変わらず優しそうな顔をしていたがなんか黒い。妹は「こんなにも美しいお姉さまと婚約破棄するなんて!#%&”!##&$%#‘”#$@」と意味が分からないことを叫んでいた。お兄様も静かにだけど、確実にキレていた。お母様にそっくりだね。弟は第二王子が私に送ってくれたプレゼントをゴミを入れる袋に入れて捨てようとしていたところのジャファルに止められた。見つかったら不敬罪に問われる可能性があるからね。
まぁその日の屋敷は騒がしかった。
婚約破棄の翌日、王様からの正式な婚約破棄のお手紙と謝罪のお手紙が来た。あと、クソ王子が一日に何通も手紙を送ってくる。
大体の内容は、言い訳、復縁願い、謝罪の手紙だ。
正直めんどくさい、他の手紙の返事とかもしないといけないし。このクソ王子そんなに暇なのか?王よ、こいつにもっと仕事を与えてやれ!
って内心思ってる。
「ッチ、またクソから手紙が来てるんだけど。マジだりぃわ。」
「スカーレット様、口が悪いですよ。」
「いいじゃねーか、どうせ公爵家の人間しかいないんだから。」
「まぁ、そうですけど。外に出るときはやめてくださいね。」
「うーっす」
公爵令嬢らしからぬ口の悪さ、まぁしょうがない。転生したんだから。
実は私、5歳のころに日の国の物を売っているという小さな商店に行き。その国の主食であるお米を試食してみたのだ。炊き立てのお米を口に入れた瞬間、前世の記憶が蘇ったて泣きまくった。
ジャファルはご飯に何か毒が入ってるのかと思って店長に危害を加えようとしていたので、止めてお米を大量購入した。ついでに梅干しと納豆、あとこの国ではなかなか手に入らない食材や調味料も買った。まぁお店の物全部勝ったと言ったった方が早いと思う。
今でも、そのお店はよく利用している。
前世の私はお弁当屋さんで働いていた。
お父さんがお米炊いたりおかず作ったり、漬物作ったり、料理を担当していた。
お母さんは盛り付け担当で、私が販売担当だった。
なんかヤンキーっぽい弟も二人いたけど、見た目の割にはちゃんとお手伝いとかもしてくれていた。
確か、私が死んだと思われる日は配達に行って信号がない曲がり角があった。そこで思いっきり車にぶつかったと思う。正直、その記憶だけが曖昧だ。
私が生まれ変わった世界は多分乙女ゲームだ。
前世で友達がゲームを遊んでいるときに横で見ていたがジャファルとそっくりのキャラクターと今の私とそっくりなキュラクターが登場してたから、多分これは乙女ゲームだと思う。しかも、私は悪役の可能性が高い。
なぜかって?プラチナブロンドの髪に赤い瞳、そしてお父様の遺伝子をしっかり受け継いでいるであろうこの威圧感。優しく微笑んでも顔自体は優しそうに見えるものの威圧感だけはどうしても消えない。
ジャファルや屋敷の使用人たち、そして家族や仲が良い人は可愛らしいと言ってくれるが。
これぞまさに悪役令嬢って感じだ。
運が悪いことにゲーム自体もともと遊ばなかったのでどう進めばいいか分からない。
なんか詰んだっぽくない?
でも、悪役っぽいことしなければ大丈夫じゃない?ということで、前世の記憶が戻ってきてからは善行を心掛けている。
休みの日に神殿に行ってお祈りしたり、ホームレスが多い地域に行って食料の無料配布したり、公爵家で料金を請け負って治癒師を雇いスラム街で無料で怪我人や病人を治癒してもらったり、お古の農具を買い取ってそれを農業を始めようとしてるけどお金がない人に貸したり、土の改善をして植物を育てやすくしたり、いろいろした。
名前を公開してないのにいつの間にか特定されて、聖女と呼ばれるようになった。
この世界の特定坊こわっ。仮面とかかぶって、服装もできるだけ庶民っぽくしたんだけど特定された。
「お嬢様おやつの塩オニギリとウメボシとミソシルでございます。」
やったー!待ってましたー!
「やったー!やっぱり、こういう頭が痛くなる手紙、読んだらこれだよねー」
「スカーレット様は、何もしなくても食べているのではないですか。」
メイドが持て来たおにぎりに手を伸ばすとジャファルは口を開いた。
あーはいはい、いつもの毒見と称した俺にも一口くれ!ってやつですね!
「はい、どうぞ?あーん」
「あーん。...相変わらずおいしいですね。」
だよねー。わかるわーやっぱり米って神だわー。




