第二王子と愚かな仲間達
「入れ。」
私がそういうとぞろぞろと私が使っている部屋に入ってきた。
「この王宮は...ヤバい。早く帰った方がいい。」
筋肉馬鹿が言い出した。
「そ、そんなの門から見ただけでわかってるはずではないのか!?今気づいたのか!?」
宰相の息子も震える声で答えていた。
私は不思議だった、なぜあの筋肉馬鹿がここから出たいのかを。
「騎士団長の息子よ。なぜここから早く帰った方がいいと思うんだ?」
「...勘だ。あの騎士達を見た時全身が震えた。あれは、そうだな。恐怖と絶望を感じたと言った方がいいかもしれんな。もしあの騎士達の誰かと決闘すれば、俺は手足も出ないで肉片にされるな。」
......騎士団長の息子よりも強いのか。こいつは、こんなに馬鹿だけど学校の剣術大会では優勝を取っている。剣術だけなら我が国の騎士団にも負けないと言われているが、こいつが手足も出ないとなればこの筋肉馬鹿は使えないな。
作戦を煉らなければならないな。
さて、どうしたものか...そうだ!スカーレットに手紙を書こう!彼女をデートに誘ってそのまま、国へ帰ろう!そうだ!それがいい!
私は早速さっき来た馬鹿達を追い出してスカーレット宛てに手紙を書いてメイドに渡し、彼女に渡してもらうように言った。
数時間後返事が来た。
「明日の昼に荷物を持って門で待ち合わせ?あの馬鹿共も途中で一緒にのせていくけど行きたい場所についたら降ろす?まぁいい!スカーレットはやはりまだ俺のことが好きなんだ!やっぱり、砂漠の国の王子との婚約は乗り気じゃなかったんだ!」
ワクワクする気持ちを抑え私は明日着ていく服を選んだ。
コンコンコン
外から誰かがドアを軽くノックした。
「入ってもよろしいでしょうか?」
「入ってくれ。」
そういうとさっきの若い執事が部屋の中に入ってきた。
「スカーレット様が一緒にお食事はどうか?と、」
執事が言い終わる前に俺は返事をした。
「わかった。今、準備をするので待ってくれ。」
「スカーレット様は同郷だけで、気軽にお食事をと仰っておりましたのでそのままで大丈夫かと。」
「そうか?わかった、では連れて行ってくれ。」
スカーレットも私に会いたかったに違いない!やはり、私達は愛し合っているんだ!
部屋を出ると、他の馬鹿達も呼ばれたようだ。確かに同郷と言い私だけを呼ぶのは砂漠の国の王子の婚約者という立場からすれば怪しまれる。でも、スカーレットは私が目的でこの馬鹿達も食事に誘ったんだ!
しばらく歩くとダイニングルームについた。スカーレットとあともう一人の女が私と馬鹿共の反対側に座っている。
スカーレットは砂漠の国でよく着られている軽い布で作られたドレスを着ていた。
女神のようだった。流石は私の婚約者だ。他の馬鹿共も彼女をじっと見ていた。
私と馬鹿達が座るとスカーレットの隣に座っていた女が自己紹介を始めた。
名前はルーナというらしい。どうやら彼女は我が国から来た研究者でスカーレットと仲が良いらしい。
にしても、この女邪魔だ。私がスカーレットと話そうとすれば代わりに答えるし、スカーレットはニコニコしてそれを横で見ているだけで私と馬鹿達に聞こえないようにルーナとかいう女に話しかけている。
食事が終わり、結局私はスカーレットと一言も話せなかった。あのルーナとかいう女のせいで。




