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悪役令嬢だけど、善行してるよ?  作者: 肉まん太郎
第一章
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王子の思考 pt1

第二王子エリック

こんなはずじゃなかった。






スカーレットは昔から私に感情をあまり見せない。


見せてくるのはあの優しい笑顔だけだ。


でも、私は知っている。これが、本当の笑顔ではないことを。


なぜかって?私とスカーレットの婚約が決まった日、私はスカーレットを探していた。そのときに偶然、彼女を見つけ猫に何かを話しかけているのを見た。


その時の彼女の微笑みは、蜂蜜のように甘く...見ていただけの私の心を溶かしたのだ。


私も、その猫に向けたように私に甘い笑顔を向けてほしかった。


だから、私は迷わず公爵家にスカーレットとの婚約を申し込んだ。


婚約して何年たったのだろうか。彼女と何日会ったのだろうか、何時間一緒に過ごしたのだろうか。


彼女は相変わらず偽りの笑顔を私に向けるのだった。


そのうち、私は心配になった。


「スカーレットは私のことが好きなのだろうか?」


私は何百回も彼女に愛の言葉を捧げているけど、彼女からは一回も「愛してる」と言われたことがない。


社交界でも彼女の愛を確かめるために他のレディーと踊ったり、褒めたりしていたが彼女は、


「それも、殿下のお仕事のうちの一つだと理解しております。将来、殿下に嫁ぐ身として心得ております。」


と、嫉妬のかけらもない返事が返ってきた。


どうやったら、彼女が私に嫉妬してくれるのだろうか?


私が悩んでいた時期は丁度、学園に入学する時期だった。




学園に入り社交界よりルールが緩くなったせいか色んな人が私に声をかけてくるようになった。


もちろん私の妃になりたいと声をかけてくるレディーや自分の姉妹や従姉妹を妃に進めてくる貴族も少なくはない、私にはスカーレットがいるというのに大胆な人たちだ。


それでも、スカーレットは私に嫉妬をしない。目の前で自分の婚約者に他の女を勧められているのにだ。彼女は微笑んでそれを見ているだけだった。


もしかして、もう婚約したから安心しているのか。それとも、ただ単に私に興味がないだけなのか。私はなぜかそのことをハッキリさせたかった。愚かな私は私に言い寄ってきた男爵家の娘と親密な関係を持ってみたり、その男爵家の娘にプレゼントをあげたり、愛称で呼ばせることもしてみたり、心が痛いがスカーレットの注意を聞かないようにしたり、いろいろした。


噂が学園中に広まりスカーレットが何か行動を起こすかと思ったら何も起きなかった。


イラついて思わずスカーレットに、


「この状況、どうするんだい?君の将来の夫が他の女と親密にしてるんだよ?何も思わないのかい?」


と聞いてみても、


「どうもしませんわ。恋愛は殿下の自由です。人の心は縛れないものですから。」


そう言うだけだった。


私は、その答えがどういう意味なのか受け入れたくなかった。


まるで、私が他の女性と親密にしてもいいと聞こえるような答えだ。




「エリックゥ~いつミーラァをお嫁さんにしてくれるのぉ~私のことぉ~愛してるんじゃないのぉ。さみしいよぅ。早くあの女とはなれてよぅ。」


なにを言っているんだこの男爵の娘は、男爵の娘程度の身分では側室になることが精一杯だと知らないのか、頭が悪いにもほどがある。


いや...これは、こいつを利用するのにいいチャンスかもしれない。


「あぁ、そうだな。皆にこの話をした方がいいかもしれないな。そう思わないかい?ミーラ」


「ホントにぃ~!?ミーラァうれしいなぁ!」


早速、私といつも行動をしている騎士団長の息子、宰相の息子、大きな商店の息子、侯爵の息子。


侯爵の息子に書いた手紙をスカーレットへ届けるように言って私は男爵の娘と手紙に書いた待ち合わせ場所へ行った。

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