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冒険者ギルドの酒場

明けましておめでとうございます!!!

遅くなってスミマセン(/´△`\)

レンが『アヒルの宿』に帰っている頃、冒険者ギルドの酒場で『荒野の月』の祝賀会が行われた。冒険者ギルドマスターのレイスが主催者であり、本来はこの様な事はしないのだが、この祝賀会には?理由があった。

表向きはポイズンタイガーを討伐した『荒野の月』のメンバーの労いと称賛だが、その実?はワインと『アヒルの宿』の宣伝と、『荒野の月』のメンバーを酔わせてポイズンタイガーを倒したのは誰かを吐かせる為である。


「えーと。それではポイズンタイガーを討伐した『荒野の月』に乾杯!」


「「「「「「乾杯!!!!」」」」」


冒険者ギルドマスターのレイスの乾杯の合図とともに次々と酒樽が開けられていく。


「おい!このワイン美味いぞ!」


「本当だウメェ!」


「ギルマス(ギルドマスターの略)!なんてワイン何ですか?初めて飲んだぜ!」


「フフフ。そうだろう。サリー商会が特別にワインを安く売ってくれてな。実はこのワインは『アヒルの宿』にしか売ってないみたいなんだ。今日は宣伝も兼ねて今日の主役の『荒野の月』の祝賀会だ、盛大に飲んでくれ!」


「「「「「「うおぉーーー!!!」」」」」」


「所で今日の主役は何処に行ったんだ」


ギルマスが『荒野の月』を探している。


「ギルマス。あそこで埋もれています」


見ると、人だかりの中心に『荒野の月』がいた。サインを書いたり、握手をしたりと有名人だ。


「ポイズンタイガーにとどめを刺したらしいなアントニオ!流石俺が見込んだ男だ!」


「いや、そんな事ないですよ。アハハ」


「カイル、怪我をしたって聞いたけど元気そうだな!」


「お、おう」


「ロザさん今日も美しい!」


「あ、ありがとう」


「聞いたぜダン。お前がポイズンタイガーの目を射ぬいたらしいな。もっと話を聞かせてくれよ!」


「偶々だ。偶々」


「エディーさんがポイズンタイガーの毒を浄化したって本当ですか!?すごいです!私にもやり方を教えて下さい!」


「今度機会があれば・・・」


各冒険者が『荒野の月』を褒め称えているが、本人達は気まずそうにしている。

それもその筈、本来称賛されるのはレンなのだが、今この場にいない。

漸く質問責めから解放された『荒野の月』はフラフラに成りながらテーブルの椅子に腰かけた。


「やっと解放された」


「何でこんな事になったんだ」


「それは貴方のせいですよカイルさん」


「うっ」


それはレンと別れてポイズンタイガーを受付で出した時にカイルが『俺達が倒したんだぜ!』と美人の受付嬢にかっこつけて言ったせいで、受付嬢から別の受付嬢へそこから一気に冒険者に話が広まり、気が付けば王国全土に広まった。何度も違うと言おうとしたが、時すでに遅し、ギルマスに捕まり『本当は誰が倒したんだ!』と尋問まがいな事までされて、怖さのあまりずっと同じ言葉を繰り返していた。なんとか許してもらえたけど、もう二度とギルマスの話し合いと言う名の尋問は受けたくない。


「も~。どうしてくれるのよ。カイル」


「すまない」


ロザがカイルに文句を言う。


「僕、嘘と罪悪感で心が痛いです」


エディーの精神が限界だった。


「これからどうするんだよ。リーダー」


ダンがリーダーのアントニオに言う。


「とりあえず、この場から離れよう」


リーダーの提案に他のメンバーが頷き、そーとギルドから出ようとすると後ろからいきなり声をかけられた。


「よー。お前達飲んでるか?」


「ギ、ギルマス!」


「なんだ、全然飲んでないじゃないか。どうしたお前達顔色が悪いぞ。大丈夫か?」


「そ、そんな事はないですよ。アハハ」


「所でお前達、聞きたい事があるんだ」


ギルマスは逃げられないように、アントニオとカイルの肩に腕を乗せて、首を軽く絞める。


「な、なな、何でしょうかギルマス」


「お前達、昨日の話では王国に着いたら直ぐにポイズンタイガーをギルドに出したと言ったな」


「は、はい。言いました。そ、それがどうかしたんですか?」


するとギルマスは『荒野の月』にしか聞こえない声で言った。


「ほー。それなら何故サリー商会にポイズンタイガーの毛皮と魔石が売られていたんだ」


「「「「「!!!!!」」」」」


『荒野の月』のメンバーは驚いている。


「そそ、そ、それは、ギルドに報告にした後にサリー商会に行ったんです!」


リーダーのアントニオが動揺しながら言うと、他のメンバーもそうそうと何度も頷いた。


「だが、可笑しいな。お前達は昨日からずっとギルドから外には出ていない筈だろ。昨日はこの俺ギルドマスターが直々に話をしてただろう」


「「「「「!!!!!」」」」」


「なんでここから一番近いトルテ商会じゃなく、あのスラム街のサリー商会に行ったんだ?もう嘘をつくな。売りに行った奴が本当にポイズンタイガーを倒したんだろう。白状しろ」


段々とアントニオとカイルの首を絞めるのが強くなってきた。


「・・・・・はい。分かりました。全て白状します。どうか首を絞めるのを止めて下さい!」


『荒野の月』は落ちた。もう何を言っても無駄だと悟ったのだ。『荒野の月』のリーダーのアントニオが口を開いた。


「ポイズンタイガーを倒したのは、レン殿です」


「レン?誰だ聞いたこと・・・いや。もしかして、ガットの所で働いている黒髪黒目の十歳位の子供か?」


「そうなんです!レン殿です!オルト王国に帰る途中でポイズンタイガーに襲われていた我々を助けてくれたんです!」(アントニオ)


「ポイズンタイガーの毛皮と魔石以外はいらないと言って、俺達にくれたんだ!」(カイル)


「でもその代わりに、オルト王国の事とか、お金の計算の仕方とか冒険者の事とかを教え欲しいって言われて教えました!」(ロザ)


「話をしたら『冒険者になりたい!』って言ってたので」(ダン)


「それで一緒に冒険者ギルドまで案内したんです!」(エディー)


ギルマスの重たいため息が出た。


「要するお前達は、レンと言う少年の手柄を横取りしたと言う訳か」


「俺達も冗談で言ったんです!そしたら話が広まっちゃって」(カイル)


「まさかポイズンタイガーの毛皮と魔石がサリー商会に売っているなんて思わなかったんです!」(ロザ)


「てっきりギルドで売っていると思って」(ダン)


「可笑しいと思ったんです。どうしてレンさんが注目されなくて、僕達がこんなにも注目されているか」(エディー)


冒険者にとって魔石を持っている者こそ、魔物を倒したと言う証。いくら強い魔物の素材を持って来ても魔石が無ければ横取りしたのと同じ。

『アイテムボックス』スキルや収納魔法のかかったバックといった物を持っていない冒険者が多く、よく冒険者どうしで魔物の横取りがあり対立をしていた。そこで魔物の魔石を持っている者が倒した魔物の所有権を得るのだ。


「お前達、本当だったら除名処分だからな」


「「「「「え!」」」」」


「『え!』じゃねーわ!冒険者の説明受けただろうが!殺人や略奪等の犯罪行為をした場合は除名処分だ!今回は略奪ではなく譲って貰った事で除名処分は無しだ。お前達、レンに礼をするんだな」


「「「「「はい!!!!!」」」」」


「それとなんで言わなかったのか、なんらかの事情があるんだろう。それは言わなくてもいいが・・・今日はこのワインとそのレンが働いているガットの店の宣伝をしている。お前達、今日はちゃんと宣伝をして、明日はガットの店の手伝えをしろよ。分かったな!」


「「「「「はい、ギルマス!!!!!」」」」」


『荒野の月』は全力で『アヒルの宿』の宣伝をした。そして、『アヒルの宿』が大変な事になるのだが予想もしていなかった。


ありがとうございます(о´∀`о)

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