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28.決着

「ここからは一気に展開するぞ!ルナ、見逃すなよ」

召喚獣が呼び出された後は、一気の攻防戦だった。ハーヴィンの忠告がなければ、慣れないあたしは目が追いつかなかったかもしれない、というほどに。

観客の応援にも一層力が入っているようで、魔法少女たちが動くたびに、魔晶石がどんどん光り輝いていく。

わかり易いのは魔晶石の魔力は溜まるたびに色が変わるところだ。

青から黄色、そして緑、赤と変化していく。



奥のギルドの魔法少女たちは、既に赤く輝いた魔晶石の力を存分に利用し、精霊タイプの上位召喚獣だというベヒーモスを攻め立てた。その度に魔晶石は消耗し、緑から黄色へと変化する。手前のギルドの魔法少女たちは防御に専念しているようだった。

しかし魔晶石は使っていないのか、完全には防ぎ切れない。

ベヒーモスが苦悶の表情を見せる。だが魔晶石の方は黄色から緑へと変化していた。


そして、決着の時が来た。

「これは、こちら側のギルドが勝ちますね。見事な作戦勝ちです」

程なくして、トルベの言う通りになった。

奥側の魔晶石から色が消えたとき、魔法少女の魔力も尽きたのだろう。ベヒーモスに対する怒涛の攻撃が止んだ。そして、まだベヒーモスは倒れない。

その刹那、手前のギルドの魔法少女の二人がシンクロするように動いたのだ。

赤く輝いた魔晶石が一気に色を失うと、魔法少女から発せられた攻撃は、ただの一撃でドラゴンを打ち倒したである。



「はー、最後はあっけなかったわね」

あたしは素直な感想を漏らした。何しろこの無血戦争はショービジネスの要素も多分に含んでいるのだ。もう少し長引かせるかと思ったが、戦いが始まれば脚色、演出不要の実力勝負だった。

「それは当たり前です。彼女たちの戦いの裏にはなにかしらの利権や大金がかけられているわけですから」

「なるほど、筋書きはないってわけか」

あたしとしてもそのほうがやり易い。これだけの人間を集めるのだから、何かあるかとおもっていたがガチ勝負なのだ。

だからこそ、あのジェニーでさえ魔力が暴走するほど追い込まれたのだろう。

「しかしあのベヒーモスを召喚した魔法少女は大したもんだな。マリーネの抜けた穴をうめてくれるかもしれん」

「え、引き抜くの?」

「交渉するさ。おまえのとこにはマリーネをやったんだから、今回は手を引いてくれよな」

なるほど、ギルド関係者達はその為に観戦に来ているのか。ということは……

「……わたしのママがほっとかないでしょうね」

シャイニーズが動けば、引き抜くのは容易ではないだろうとハーヴィンは渋い顔をした。

「早いとこマリーネのデビュー戦に俺を招待してくれよ」

しかし最後はそう言い残して笑顔で去っていった。

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