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アドミラル~魔法艦隊の艦長に転職したら、彼女(提督)ができました~  作者: 九重七六八
第2章 パンティオン・ジャッジ~トリスタン編
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決戦!霊族長VS妖精女王(壱)

 セミファイナルの1回戦。霊族の小夜と妖精族女王シトレムカルルの戦いが始まります。妖精族は最弱と言われていますが第5魔法艦隊も最弱と言われていましたからねえ・・・。

「敵艦との距離は?」

「距離変わらず…こちらの速度に合わせて後退を続けています!」


 妖精族の女王シトレムカルルは、旗艦アウグストゥスで指揮を取っていた。戦端が開かれてから、すでに3時間が経過している。霊族の代表である怨情寺小夜の長距離ミサイル戦艦によるアウトレンジ攻撃を受け続け、妖精族の艦隊は無傷な空中戦艦は1隻もなかった。シトレムカルルは、この戦いに向けて作戦は十分練っていたつもりであったが、小夜の攻撃方法は予想を上回っていたのだ。


 当初は、こちらの射程距離よりもはるか遠いところからのミサイル攻撃に対して、足の速い高速戦艦、巡洋艦を中心とした艦隊編成にし、攻撃をかわしながら接近戦を挑むつもりであったが、そのアウトレンジ攻撃が強烈であった。


「本艦の3時の方向、10時の方向にミサイル発見!」

「対空防御!一発も撃ち漏らすな!」


 アウグストゥスの対空砲がうなりを上げて、突然、現れたミサイルを撃ち落とす。それをすり抜けてくるのは、展開するバリアで防ぐが、そのバリア強度もかなり削り取られてしまい、もう保つことはできないだろうと思われた。


 僚艦の高速戦艦ジークムントは煙を幾筋も出して、降下しつつあるし、高速巡洋艦ハミルトンもミサイルが着弾し、爆発と共に火災が発生している。


(霊族のミサイル…霊子弾頭弾っていうの?威力は弱いけれど、突然出現するのは勘弁して欲しいわ)


 シトレムカルルが苦戦を強いられているのは、アウトレンジから発射された霊族のミサイルは、発射された直後から姿が消え、突然、目標である妖精族艦隊の至近距離に現れるという反則技のような攻撃だからだ。現れれば、レーダーにとらえられるのだが、それまでは一切、感知できないのだ。


「あと、航行できるのは何隻?被害状況を報告しなさい」


 シトレムカルルは、混乱する乗組員に毅然と報告を求める。この状況でも落ち着いて指揮をすることで、なんとか妖精族の艦隊は秩序を保っていたのだ。


「高速戦艦ジークムント大破、戦線離脱。同じくベルスコーニ撃沈。高速巡洋艦ハミルトン火災発生、航行不能状態です。同じく高速巡洋艦アウグスタ、エルヴィン撃沈。このアウグストゥスと駆逐艦ベルン、コルネだけが航行可能です」


 この戦い、下馬評では、圧倒的に霊族の小夜が上であった。だが、アウトレンジ攻撃をかけてくる小夜の旗艦は動きが鈍く、さらに至近距離での砲撃戦に持ち込めば、大量のミサイルを保管しているだけに、誘爆を誘って仕留めることも可能であった。それで足の速い艦編成で臨んだのだが、どういうわけか霊族艦隊は、同じスピードで後退して距離を詰めさせないのだ。


 また、最近まで内乱で多くの人材を失ったシトレムカルルには、片腕になる人材がいなかった。乗組員の練度も不足しており、彼女の思うような動きができないのも響いた。完全に追いつけないまでも、ある程度の距離を詰めれば、彼女にはまだ逆転する方法があったのだ。


「航行できる艦はすべて最大戦速。少しでも距離を縮めなさい!」


 シトレムカルルは、腹をくくった。エネルギー、妖精力をつぎ込んでスピードを上げ、距離を縮める策に打って出たのだ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「意外と粘るな、妖精族の女王ぞな。ケケッ」


 小夜は指揮する旗艦大黒天の指揮席に正座をしている。霊族なので足は見えないのだが、正座で指揮しながら、湯呑で熱いお茶を飲んでいた。旗艦大黒天は、攻撃機能だけに特化した巨大ミサイル戦艦で、まるで要塞であった。


当然、スピードは出ない。霊族の予選では、長距離攻撃の波状攻撃で他部族の艦隊を退けたのだが、さすがにセミファイナルはそんなに甘くないと小夜は考えていた。今回、最弱だと言われる妖精族の女王が簡単に勝たせてくれるわけがない。


「小夜さま。敵の旗艦、最大戦速で近づいてきます」


「ほほう…開き直ったぞやか?だが、われの艦隊に攻撃するには、まだ30分以上もかかるぞや?招き猫どもに連絡。全力で後退しつつ、霊子弾をお見舞いしてやれ!」


「はい!小夜さま。霊子弾頭弾、200発射!」


 大黒天から、耳をつんざくように次々とミサイル(霊子弾頭弾)が放たれる。それは飛び出してある程度飛行すると突然、姿を消した。そして、大黒天を6隻のタグボートが全力で引っ張っていく。


 招き猫1号から6号までの6隻は、この戦いに新たに導入した新兵器であった。ものを引っ張るだけに特化した空中船で攻撃力も防御力もなかった。あるのは巨大なエンジンで重いものを運ぶこと。これが6隻も束になってミサイル戦艦大黒天を引っ張って後退させていくのだ。足の遅い大黒天が高速戦艦に追いつかれない理由はこれであった。


「シトレムカルル、ここで終わりぞや!ケケッ」


 開き直って全能力を前進することに振り向けた妖精族艦隊も、この霊子弾の雨あられには耐えられないだろう。これで、ジ・エンドだ。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「女王陛下!霊子弾、多数接近、2時、11時、7時、5時の方向の出現、もうダメです!」


「防御は無視しなさい、最大戦速であと少し距離を縮めなさい!」


 霊子弾の雨の中、猛然と突き進むアウグストゥス。護衛の2隻の駆逐艦が楯となり爆沈していくが、それにに構わず突き進む。


グワーン、ドドド、ドカーン・・・何発か着弾するがその衝撃も無視して突き進む。


「500、400、300、200、女王陛下、100に達します」


「よし!妖精の輪を発動しなさい!」


 シトレムカルルの命令が絶望的な状況を覆すかのような凛とした響きで、妖精族旗艦アウグストゥスの艦橋に響いた。


起死回生の妖精族女王の反撃が始まる!

小夜ちゃん・・・反則です。

アウトレンジからの攻撃・・どうすりゃいいの!?

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