表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
むかしむかしあるところにーーー白雪姫が帰ってきました  作者: ミソラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/54

マーリン登場

「図書室の司書ではないですか。いや姫さま、年が離れすぎてますよ。倍以上離れてます。」

「あと四年もすれば倍じゃなくなるわ。」

「そうではなくてですね……。」


 ドラキュラ伯爵とカーミラは思わずそっと目を閉じる。

(……そいつも二百年近く生きてます。)


 焦りながら説得を試みる宰相を制し、女王がゆっくりと白雪姫に尋ねた。

 

「姫、その者が何者なのか知っているのか?」

「もちろん知ってます。大魔法使いのマーリンですよね!」


 また広間に動揺が広がった。


「またクズを引き当てたわよ。」

 カーミラがドラキュラ伯爵にだけ聞こえるように囁くと、伯爵は頭痛を抑えるようにこめかみに指を当てた。


 かつて、大魔法使いマーリンはモテにモテまくる美男子でドラキュラ伯爵のライバルであった。ドラキュラ伯爵が時間をかけて女性の血を吸う間に、マーリンは次々と魅了の魔法をかけて掻っ攫っていったクズである。

 

 ドラキュラ伯爵がカーミラと結婚して落ち着いた頃、遊ぶのにも飽きたマーリンは図書室で魔法に関する本を記述するうちに、そのまま司書となって王宮に住み着いていた。

 ちなみに、その本は雷魔法で守られた重厚な本棚に収められていて、見られるのは魔法を自在に使いこなせているマーリンと女王のみだ。

 

 そして百年ほど経った今「大魔法使い」としてのマーリンの存在は忘れられ「真面目な図書室の司書」として認識されていた。


 *


 白雪姫が何度も図書室に通ううち、二人は言葉を交わすようになった。


「いつも魔法の本を読んでるんですね。」

「私だって魔女の娘なんだもの。きっと才能はあるはず。」

「それは火魔法の本……。城を燃やす気ですか。」

「違うわよ! 友達の結婚式で花火を上げるの!」

「火魔法は独学では危険です。……水芸にしては?」

「水芸?」

「例えば扇の先からとか、いろんな場所から噴水のように水を出すんです。火よりはまだ安全です。」


 それは曲芸では? と疑問を持った白雪姫だが、魔法を会得する第一歩として簡単なものから始めるのもいいだろう。


「ふうん、わかったわ。でも魔法ってやっぱり独学じゃ難しいのかしら。この本に書いてあるのもよくわからないし。」

「まあ、才能と感覚の問題ですからね。」

 白雪姫は司書を見た。

「知ったような口をきくわね。あなたは魔法が使えるって言うの?」

「ええ、使えますね。」

 司書は飄々と答えた。

「……じゃあ教えてよ。」

「では基本から。まずは原理です。実技はその後。」


 それから司書が少しずつ白雪姫に魔法について教えるようになった。


 *


「それに見て!」


 白雪姫がばっとマーリンの顔からメガネを奪い取り、長い金色の前髪をささっと横へ流した。すると琥珀色の目をした、色気のある大人の美しい顔が現れた。

 ドラキュラ伯爵と双璧を張る美しさである。


「え……、あたしもその人がいい……。」

 ラプンツェルが呟いた。


「あげないわよ! あんたは子どももいるしヘッセン王子にしておきなさい!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ