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ep 66 伊勢__竹野内刑事の秘密の隠れ家にて〜前〜

現在過去分を加筆修正中です。

ep 5まで修正済みで、今後も順次修正していきます。

よろしくお願いします。

 「で、実際はどうなんだ?殺人未遂犯を捕らえた…というのは建前なんだろ?嬢ちゃんが珍しくゾロゾロと引き連れて、いったい何があったんだ?」

 

 一人掛けのソファに体重を預けている竹野内刑事が訊いた。傍らには刃路姉が何を考えているかわからない表情で床に座っていて、その両手には封魔環がかけられている。かけられた者は魔力を練ることができなくなる特殊魔道具だ。当初の予定では火瀧に使うつもりだったが、火瀧には必要がなくなったので、代わりに危険度の高い刃路姉に使うことにしたのだ。

 

 「周防。俺のことも説明したほうがいいか?」

 

 町中がカウンターにもたれていた腰を浮かせて訊いてきたので「後ほどお願いします」と伝えた。正直町中の話には興味があるが、竹野内刑事に説明するのが先だろう。

 

 「殺人未遂犯というのは…そうですね、竹野内刑事の仰る通り建前です。問題はずっと深刻で、場合によっては日本が存立危機に陥る可能性もある…そんな大事件の鍵を入手したので竹野内刑事とは共有しておきたかったんです」

 

 「日本の存立危機…魔法省には報告したのか?」

 

 「一人には。私の都合で省内への周知は控えてもらっていますが」

 

 竹野内刑事が眉根を顰める。

 

 「まぁいい。聞こう」

 

 私は頷き、ゆっくり回るシーリングファンを見上げた。

 

 「先日ここ伊勢の地で精霊召喚が行われ、召喚された精霊は洗脳の力を有していることが判明しました。召喚術師は十名以上。召喚目的不明。精霊の、しかも洗脳の力など碌な使い方はされないでしょう。竹野内刑事の傍らにいる彼女こそ召喚術師の一人ですが、彼女には一旦我々についてきてもらわないといけないので、先に重要参考人である火瀧さんに事情を聞いてください。ああ、彼は被害者ですのでそのように扱っていただきたい」

 

 「精霊召喚か。禁忌だな。この女、すぐにでもしょっ引きたいんだが」

 

 「彼女はこの子…美鈴さんに呪いじみた魔法をかけて解こうともしないので、それを解くのが先ですよ」

 隣で縮こまって椅子に座っている美鈴の肩に手を置くと、美鈴は私を不安そうに見上げた。

 

 「大丈夫です。かけられた魔法は解けますのでそんな顔をしないでください」

 

 「周防の嬢ちゃんよ」

 

 竹野内刑事が語気を強めた。

 

 「この女から事情を聞くのが先だと思わんか」

 

 「貴方ならそう言うと思っていました。しかし彼女__ああ、火瀧さん、彼女の名前を教えていただけますか?」

 「覇紺です」

 「覇紺さんの身に何かあれば美鈴さんの命が絶たれるやもしれません。覇紺さん以外の召喚術師達が彼女をどうするかなんて、我々にはわからないんです。話など後でも聞けます。理解してください」

 

 空気が張り詰めるのがわかる。竹野内刑事が射殺さんばかりの視線を私に送る。

 

 「…存立危機なんだろ?」

 

 「理解しろって言ってるんですよ竹野内刑事」

 

 私の目は、今紅く光っていることだろう。

 

 私は目の前の相手を握り潰さんとする感情を抑えるでもなく、殺意を込めていた。


読んでくださりありがとうございます。

2ヶ月の休載をしますが辞めるわけではありません。

他所で書くことになりましたので、そのための休載です。

2ヶ月後また再開しますので、

もしよろしければブックマーク、評価、コメントなどいただけると嬉しいです。

よろしくお願いします。

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