第11話 この天然タラシが…
私はさっきから疑問に思うことがあるから奴に聞いてみた
「ねぇ、なんであんたここにいたの?」
「はっ?えっと、それは…自動販売機を探しに来たついでにぼっちがどうなってるかなと思ってわざわざ様子を見に来てやったんだよ」
「ふーん、そうなんだ、へー」
とりあえず聞いてみたはいいものの、なんかわざわざ様子を見に来てやったとかめっちゃうざかったから聞かなかったことにしよ
あーあ、はやくこんな奴から解放されないかなー………
しかしここは異様に住宅が多いなぁ
実に道に迷いそうだ、既に私は迷子だがなー(笑)
熱海は大丈夫なのか?
さっきから顔の表情もあまり変わってる様子もないし…
「おいっ!お前轢かれるぞ!!」
「え………」
ピピピーッ!!と車のクラクションが五月蝿く鳴り響いた。
気が付くと私は熱海の腕の中にいた
「っ!?ちょっ熱海!!何してんだよっ!!離せっ!」
「うるせーな、クラクションよりうるせーぞ」
「なんで普通に『危ないよ』って声かけてくんなかったの!?」
「馬鹿っ!そんな暇無かったんだよ!!」
「なっ!そんなに危なかったの!?」
「当たり前だろ!?それに一応声かけたろ?」
「ま、まぁ…確かに……」
「それにあの時は咄嗟の判断だったから仕方ねぇんだよ、ああすること以外でお前を守る方法が思いつかなくて…」
トクンッ
いや、トクンッじゃねぇよっ!!
どこの少女漫画だっ!!!!
それに私こいつ嫌いだからな!
生涯こいつを好きになることはない!
絶対にあり得ない話だ!
「っ!?ええぇ!その…なんか…すまんな」
「別にお前が謝る話じゃねぇ、俺だっていきなりあれは酷かったと思うし…」
きっとあの時の熱海はもしかしたら私のことを守ろうとしてくれた?
でも普通は嫌いな人を助けようなんて思わないはず…
でも私たちはお互いに嫌い同士だし…
熱海はいつもうちのことぼっちって言うし…
でもさっきのアイツはまるで別人のように優しく見えた…もしかして私の思ってるより悪い奴じゃないのかな?
だとしたら私の方が悪い、助けてくれたのに突き放すような態度をとった私の方が悪いに決まってる
「すまない、わざわざ嫌いな私を助けてくれて感謝するよ、お前だって助けたくなかったろう、ありがとな」
「えっ?俺お前のこと嫌いって言ったっけ?」
「違うの?」
「嫌いだったらたすけな…違う、助けることに嫌いな人はやだとかは関係ないだろ…?」
「いや、関係あるね、少なくとも私は嫌いな野郎共は助けないね、そのまま苦しめばいい」
「お前サラッとひでーこと言うな…」
「そうか?普通だと思うが?」
「はぁ…やっぱお前は他の奴とは違うな、面白いな!」
「え、何いきなり?」
「なんでもねぇ、こっちの話だ」
「そ、そう」
こいつは呆れてると思えば突然楽しそうに話始めるし…何でだし?
~♪←携帯の着信音
ん?メール?
未登録のメアドじゃん、やだ…もしかしてついにうちも迷惑メールの被害者に………と、とりあえず見よう
未登録アドレス
件名:ヤッホー俺月彦だぜ!
何か氷鷹ちゃんはぐれちゃった見たいだけど大丈夫?
あ、そうそう、俺らねもう帰ろうかなーって思ってるから今〇〇駅にもうついてるんだー(笑)
だから速く〇〇駅に来ないと俺ら来た電車に乗って帰っちゃうからー(笑)
頑張って〇〇駅まで来てね~
あ、もしハルを見つけたら俺に連絡頂戴ね、何か熱海もはぐれちゃったみたいなのよ(笑)
「やっぱり迷惑メールだったわ…」
「ん?」
「ほれ、熱海行け、もう時間がない私が取り残されたらお前の責任だ」
「はぁ?しょうがねぇな…で、お前の班の奴らはどこにいるんだ?」
「〇〇駅」
「え!お前もしかして…」
「そうだよ、本当に取り残されるんだよ」
「マジか!?でも大丈夫だ!俺は近道を知ってるから案内してやるよ!」
「おおぉお前使えるな~」
「そうと決まったらダッシュだ!急げ!」
「あっ!ちょっと待ってよ!!」
熱海は突然走り出して私の先を急いだ、何やらとても楽しそう
さすが運動部、体力あるな~私はすでに息が切れてる
「ハァハァ…ちょっと待って!もう…体力が…」
「マジで!?しょうがねぇな…ほれ手」
「何?こんな時までふざける気?」
「ちげーよ、とりあえず手を出せ」
私は恐る恐る手を差し出した、すると…
「よしっ!しっかり掴んどけよ!」
「わっ!ちょっと!」
熱海は私の手を握ってそのまま走り出す
「こうしとけばいやでも走れるだろ?それに俺が引張ってるから少しはスピードも上がる、一石二鳥だ!」
「………」
こいつは何をキザな行動をしている、それとも何も考えずにやっているのか?
だとしたら恐ろしい、天然タラシではないか、熱海は本当に恐ろしい
「お、なんだ意外と速く着きそうじゃねぇか!このまま走るぞー」
「もう好きにしろ…………」
こうして天然タラシと言う称号新たに手に入れた熱海とちょっと前までぼっちだった慰雨は無事に駅に着いたとさ
そしてどんな月彦班の皆さんがとられた反応は言わずもがなであろう。




