Episode 12
「お待たせしました⋯!」
早めに待ち合わせ場所へ行ったのに、ユウさんが居て慌てて駆け寄る。
「大丈夫、今来たところだから⋯」
優しく微笑むユウさんに、胸の高鳴りが抑えられない。
「っ⋯今日は、よろしくお願いします⋯」
「⋯こちらこそ、よろしく」
さり気なく手を差し出され、戸惑いながらも握手をする。
そのまま、指を絡め取られた。
手を繋いで歩き出す。
「⋯今日は⋯どこに行くんですか?」
「水族館はどうかな?」
「⋯水族館、好きです⋯」
「良かった⋯好きそうだと思ったんだ」
他愛のない話をしていると、あっという間に水族館に着く。
「混む前に、先にお昼食べようか?」
「そうですね!水族館のカフェって、何があるんだろ⋯」
カフェに入り、メニューを見つめる。
「⋯何で迷ってる?」
「えっ?⋯どうして、迷ってるって⋯」
「真剣な顔でメニュー見てたから」
「っ⋯は、恥ずかしいです⋯」
「可愛いから、いいんじゃない?」
優しく微笑みながら言われた言葉に、恥ずかしさとは違うドキドキが止まらない。
「っ⋯パンケーキ、この2つのどっちにしようかなって⋯」
メニューを指差す。
ユウさんが、私の指を優しく包むように握り⋯
「シェアすればいいんじゃない?俺もパンケーキの気分だったし⋯」
「っ⋯お願いします⋯」
「ドリンクはどうする?」
「⋯ミルクティーで⋯」
私の返事を聞き、優しく微笑んで注文してくれる。
頼んだものを待つ間、何気ない話をしながらも胸がうるさいくらいに鳴っていた。
パンケーキを分け合いながら食べる。
クリームのせいだけじゃない、特別な甘さを感じた。
カフェを出て、どちらからともなく指を絡める。
2人で肩を寄せ合い、ゆっくりと水族館を見て回った。
楽しい1日が終わる。
家まで送ってくれたユウさんをジッと見つめ⋯
「今日はありがとうございました⋯凄く、楽しかったです⋯」
「俺も楽しかったよ⋯」
「⋯じゃあ、また明日⋯」
そう言葉に出しても、名残り惜しくて繋いだ手が離せない。
「⋯未来ちゃん、好きだよ⋯」
「っ⋯!わ、私も⋯ユウさんが好き、です⋯」
指を絡めたまま、ゆっくりと近付く唇を受け止める。
「⋯恥ずかしいから、皆には内緒にしようか⋯」
「⋯はい⋯私も、人に言うのは⋯恥ずかしいです⋯」
優しい微笑みとキスが落ちてくる。
私は今まで感じた事のない幸せに満ちていた。
これが運命の恋だと、確信しながら⋯




