Episode 1
「ただいま〜」
誰も居ない部屋に声を掛ける。
荷物をソファに置き、ベッドに身を投げた。
天井を見つめたまま、スマホを弄る。
「⋯暇⋯」
友達はバイトやデートに忙しいらしい⋯
何の趣味もない私は、暇を持て余していた。
「⋯そうだ⋯」
手軽に音声配信が出来るアプリを、友達が絶賛していたのを思い出す。
「⋯確か⋯」
記憶を頼りに、アプリを探す。
「⋯これ、かな⋯?」
アプリをインストールして、登録する。
「⋯これでいいのかな⋯?」
一度深呼吸をして、配信開始ボタンを押す。
「⋯誰も来ない⋯」
配信開始して数分、何の動きもないアプリを見つめ続ける。
「⋯はぁ⋯」
盛大に溜息をつき、配信をやめようとした時⋯
「っ⋯!こ、こんばんは⋯!」
慌てて挨拶したせいで、声が裏返ってしまう。
ユウ『こんばんは』
ユウ『もしかして、初配信?』
「はい、初配信です⋯」
ユウ『もしかして、初リスナーになれた?』
「はい!ありがとうございます!」
ユウ『良かった(笑)』
ユウ『今日は配信見るつもりなかったんだけど、たまたま覗いてみたら気になって⋯』
「っ⋯!嬉しいです!」
ユウ『俺も嬉しいよ』
ユウ『こういうのも縁だしね』
「⋯縁⋯そうですよね⋯!」
ユウ『アカウント名、何て読むの?そのまま、みらい?』
「はい、みらいです!」
ユウ『みらいちゃんは普段何してる人?学生?社会人?』
「大学生です!ユウさんは⋯?って、聞いてもいいんでしょうか⋯?」
ユウ『いいよ(笑)』
ユウ『俺は社会人』
「ってことは、お仕事終わりですか?」
ユウ『そうだよ』
「お疲れ様です」
ユウ『ありがとう』
暫く、他愛のない話をし⋯
ユウ『そろそろ落ちるね』
「あ、はい!ありがとうございました!」
ユウ『また配信してくれる?』
「っ⋯!はいっ⋯!⋯また、来てくれますか?」
ユウ『もちろん』
ユウ『また話しようね』
ユウさんが落ち、配信も終了させた。
時計を見ると、意外と時間が経っていた。
不思議な気分を感じつつ、また配信しようかなと思った。




