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結果は大事だけど過程も大事なんですよ?

# 評価、ブックマークありがとうございます! 励みになります。

# 初の作品で拙いものではありますが、続けて読んでいただけるよう頑張ります。


捧げが加速します。

「くおーーーー やっと全試験終わったぜーーーー」


「はい、お疲れさん」


「ようやく解放だよ」


「学生の本分であるからにして」


「はは、それはそうなんだけど」


「で、手ごたえはどうだったのよ?」


「いやー、お前ってホントすげぇな。出題予想がほぼ的中、そこを重点的にやったおかげで別人のようにすらすら解けたぜ」


「ふふっ、学習は地力、試験はテクニック。今回は地力面を見直しつつも、50位以内を目標にテクニック面に重点を置いたのよ。だから本質的な学力向上とはいいがたいけど、それでも勉強のコツが少しはわかったんじゃない?」


「ああ、本当に助かった。地力とテクニックなんて全然知りもしなかったからな。お前に教わって良かったと思う」


「でも結果がどうなるのかねー。それによっては冬休み覚悟してもらうわよ?」


「それを言われるとちょいとあやしいが…… 150位前後はいつものことなんでわかるんだけど、50位以内ってのがどの程度の点数なのか皆目見当が付かないでねぇ」


「初めての領域ってわけね。不安になるのもしょうがないかもねー」


「まぁ、あとは野となれ山となれだ。やるだけはやった、結果については何が出ようが悔いはない」


「ずいぶん潔いわね。補習地獄が待ってるかもしれないのに」


「いや、今回の収穫はお前に勉強を教わった、勉強の楽しさがわかったってことなんだ。順位ってのは目標だったけど、もうそれは結果であって、そのことよりも過程の素晴らしさに気付けたのが何より良かった」


「ほえー、えらく殊勝なことで。ちょっと驚きですわよ」


「うん、自分でも驚いてる。いやホント」


「なんにせよ、結果はまだだけど役に立てたようで良かったわ」


「ということでだ。明日から試験休みだ。休み中どっか空いてないか?」


「うーん、特には何も無いから大丈夫だと思うけど」


「よし、じゃあ1日俺に付き合え。お礼がしたい」


「なによ改まって。変な事企んでるんじゃない?」


「いやいや、ホントに感謝してるんだってば。嫌なら諦めるけど、そうでなければ是非」


「嫌ってことじゃないわよ。あんたからそんなこと言われたのが初めてなんでどういう風の吹き回しかと」


「そうか……? そうかもか。なんかすまん。お前には気付かされることばかりだ。すまん」


「べ、別にそんなにあやまることはないわよ。ちょっとびっくりしたってだけで」


「そうか。俺、こんなんだし、なんかあったら言ってくれよな。抜き打ち実地試験も及第点くらいとれるようにはなりたいし」


「わかったわ。いつが空いてるかは後で連絡するね」


「うん、お願いする」


「でもホントどうしたの? 先週からめっちゃやさしいんだけど。あたしとしては、そりゃ、う、嬉しいんだけど」


「なんかな、お前に青春を捧げると決めた時から、お前との時間を大事にしてきたつもりなんだけど、そうしたらお前のすごさ素晴らしさがどんどん見えてきてな」


「え、ちょ」


「お前は俺にたくさん教えてくれたし、これからもたくさん教えてくれるかと思う。俺はまだ何も返せてなくて、それが心苦しくてな」


「そ、そんなの気にしないでよ。なんか恥ずかしいよ」


「なに言ってんだよ。お前は俺の青春の捧げ先だぞ」


「や、やめてよ」


「お前が捧げろって言ったんじゃんかよ」


「そ、それはそうだけど、あんたがそんなに見てくれてたなんて」


「俺は一度決めたらのめりこむタイプだからな。だからフィギュアはやめないしゲームもやめない」


「ま、まぁ、それは知ってる」


「お前だけだぞ、フィギュアもゲームもこき下ろすことなく、それ含めて認めてくれてるのは。俺はそれに報いたい。お前は俺にとって特別に大事な奴だ」


「ううう。ご、ごめん、もうやめて。心臓が破裂しそう」


「なんだ、調子悪いのか? 試験そんなにプレッシャーだったか?」


「ちがうわよ!! あんたが…… あんたが……」


「なんだよ分かんねーな。ともかく、後で連絡くれ。たのむぞ」


「わかったわよ……」


「じゃあな!」


「うん。じゃあね……」







 帰り際、調子悪そうだったけど大丈夫かなぁ。


仕掛けたくせになんだか追い込まれてるような。




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