支え合うんですよ?
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全国模試当日です。
「なんだか緊張するわね」
「みんな真剣な顔してるな」
「ここに来る人達はどちらかと言うと真面目に進学したい人達だからねえ」
「そりゃそうだな。チャランポランな奴はそもそも来るわけがないか」
「まあ、あたしらも自分らがやれることを頑張るしかないんだけどね」
「なにもこれで当落が確定するわけじゃないし、実力測定のために受けるんだから平時の気持ちで臨もう」
「ええ、平常心ね」
「うん。じゃあ、健闘を祈る」
「ええ、それじゃ」
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「はあああああああああああああ」
「なによ、そのため息。あまり芳しくなかったようね」
「いやあ…… ちょっと凹むわ」
「思ったよりダメだったの?」
「うん、思ったよりというか全然ダメだった」
「問題が難しかったってこと?」
「うーん、今思い返せばそんなでもなかったようなんだけど、会場の雰囲気に呑まれたのか焦って思考がまとまらなかったりで、平常心が保てなかったかもしれない」
「あーーー…… それは学力の問題というよりも場慣れの問題なのかもしれないわね」
「そう、なんだろうけど…… ちょっと自分のチキンさが情けない。思い出したけど、高校受験の時も結構ヤバかったんだよなあ」
「まあまあ、あんまり気にし過ぎると肝心の学習が手に付かなくなっちゃうかもよ」
「うううー、そう脅かすなよー。なんとか場慣れできないもんかなあ」
「そうねえ、人がジャガイモのように思えればいいんだろうけどねえ」
「どういうことすればそう思えるようになるのかね?」
「何だろう? ちょっと思いつかないわね」
「人が気になるって言うよりも会場の雰囲気にやられたみたいなんで、大勢の人が居るってのが苦手なのかなあ」
「そんなことないでしょ? あんた、クラスでも特別浮いてるわけでもないし、自然にしてるじゃない」
「それはそうなんだけど。知らん人達が苦手なのかな?」
「そうねえ…… まあ、何が苦手なのか追及するのは王道なのかもしれないけど、それにかまけて勉強の時間が取れなくなるのもアレだし、一旦横へ置いとかない?」
「本試験までに解決するのか…… 心配だな」
「心配なのは分かるけど、今すぐにどうこう出来るようなものでもなさそうだしねえ。あたしも考えてみるよ」
「それはありがたいけど、お前も勉強しないといけないだろ?」
「あ、あんたが入試落ちちゃったらすっごく悲しいし、それにあたし、今日の試験は割とよく出来た方よ? あたしを心配してくれるのは嬉しいけど、あんたの方が危ないんじゃそっちを優先するわよ」
「いや、それはお前の足を引っ張るってことになるから、やっぱり俺が自分で解決しないと」
「だめよ。あたしはあんたの彼女なの。あんたが苦しい時にあたしが助けないでどうするのよ。今のところあたしの方が合格圏に近いわけだし、それに今の学力を損なうようなヘマはしないわよ」
「そ、そうか。なんだか申し訳ない」
「そういうこと言わないの。あたしは迷惑だとか欠片も思ってないし、もっと自分の彼女を頼りなさいよ。だから……」
「だから?」
「申し訳ないじゃなくて」
「なくて?」
「ありがとう、俺も頑張るよって言ってよね」
「……そ、そうだな。ありがとう。ひとまず横に置いて勉強を頑張るよ」
「そうそう。あたしに任せなさい」
「お、おう。……それとな」
「なあに?」
「お前が俺の彼女で良かった」
「う、うん」
「そんで、お前が何か困ったら俺を頼ってくれな。お返しじゃないけど、俺はお前の彼氏なんだからな」
「うん……」
「なあ」
「うん?」
「好きだ」
「うん…… あたしも」
「おう」
「絶対受かろうね!」
「俺頑張るから」
「うん」
俺を支えてくれるあいつのためにも頑張るんだ
学力を試すはずの場が学力以外も試されてしまう




