どちらが好きになったんですか?
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二泊三日の海に向かいます。
「じゃあ、俺達は真ん中のシートね。お前は運転席の後ろの席だから先に乗って」
「わかったわ。おじゃましまーす」
「えーっと、今更だけど忘れ物ないよな? 大丈夫か?」
「はいはい、もうそれ四回目だよ? 大丈夫だってば。心配しすぎよ」
「お、おう。じゃあ、ドア閉めて…… 親父、オッケーだ。さて、あとは親父に運転任せてゆっくりしよう」
「皆さん、よろしくお願いします! ……でも、ホントに良かったの? あたしなんか来ちゃって」
「お前それ八回目だぞ? ダイジョウブダッテバ シンパイシスギヨ」
「う、うんもう! 分かったわよ。それじゃよろしくね?」
「おう」
「で、でね?」
「な、なんだ? いきなり耳元で」
「あんたのお父さんなんだけど」
「うん?」
「めっちゃカッコいいじゃん!? 爽やかさがハンパ無いわよ! 美男美女のご夫婦で素敵すぎない?」
「そうか? ただのおっさんだぞ? オカンはまあ見た目は若いけど」
「あんた目腐ってるの? おっさんじゃないわよっ。あんたの目指すべきおじさまって感じよ?」
「はあ? おじさまってなあ…… あれがか? あれを目指すの、俺? うそぉ」
「うそぉって何よ。爽やかで、笑顔が素敵で、優しくて、そうだあたしの荷物だってすっごく自然にスマートに持ってくれていつ手に取られたか気付かなかったぐらいよ? あんたそれが分かんないの?」
「えーーーー? そうかーーー? うーーーーん、なんだ? オカンに鍛えられたのかねえ?」
「あのね、元々の素地が悪ければ鍛えられたってああはならないわよ。お父さんの優しさはお母さんの愛によってより一層高められたのねー。素敵だわー」
「なにをウットリしとるんだ…… まあ、親父とオカンの仲はいい方のは確かではあるな」
「もーーー、いい方どころじゃないわよ、最上級よ!?」
「そうか? 比較対象が無いからわからんけど。なら、お前ん家はどうなんだよ?」
「あたしんところ? あたしんところは普通よ、普通。どこにでもいるような夫婦って感じよね」
「俺だって家のことはそう思ってるんだがな。あれか、隣の芝生は青いってやつじゃねーのか?」
「そうかなー、そんなことないと思うけどなー」
「どっちにしても仲悪いわけじゃないんだからそれでいいじゃねーか」
「そうだけどさあ。 ……えへへ。ちなみにお父さんとお母さん、どっちが先に好きになっちゃったのかな?」
「はあ? そんなの知らねえよ。人の親のそういうこと聞くか?」
「だって、美男美女のご夫婦よ!? すっごく気になるじゃない、憧れるー」
「俺はそういう話は聞いたこ…… ん、なんだ? ちょっと待って。 そ、え? うん、うん、へー、うん、へーーー。へーーーーーー、そうか」
「な、なによ、急に妹ちゃんと話し出して」
「お兄ぃの口から言うべきだということで秘密裡に情報を仕入れた」
「秘密裡にって目の前で展開されてたわよ?」
「さてどっちが先に好きになったのかだが」
「スルーかよ」
「妹がオカンに聞いたところによると」
「よると!?」
「どうやら、オカンが親父に惚れてアタックしまくったらしい」
「へ、へーーーー。意外と言えば意外なんだけど、そうと言えばそうかもな感じかも」
「なんだそりゃ」
「ふーん、そうなのね。でも、あんな美人からアタックされたのならすぐに陥落しちゃったじゃないのかしらねー」
「で、話には続きがあってな」
「え、なによなになに? 早く話しなさいよ何勿体ぶってんのよ」
「食いつきいいなおい」
「いいから早く、言えっ、吐けっ」
「落ち着け。えーとな、当時、あー今でもたいして変わらんと思うけど、当時親父は朴念仁で全然アタックされていることに気が付いてなかったから知り合ってからお付き合いに発展するまで年単位でかかったんだってさ。だからすぐに陥落とかじゃなかったそうだ」
「あ………… そ、そうなんだ。お、お、お母さんもさぞかし大変だったでしょうね」
「親父も親父だよなーーー。まあ、息子から見てもオカンは見目はいい方だと思うんだけど、そんなオカンにアタックされまくってるのに気が付かんとはどうしょうもない」
「そ、そんな、どうしょうもないって、ああああんたね、あんたこそどうしょうもないじゃないのよ!」
「おい、なんで俺なんだよ? 親父の話してるんだぞ」
「うううううるさい! ああああんたがまぎれもなくお父さんの子供ってことがよく分かったわよ」
「なんだよそれ。 え、な? うん、うん、なるほど、うん、うん、へーーーーー」
「な、なによ?」
「我が同志。さらなる情報を秘密裡に入手したぞ」
「それはいいから」
「オカンの押しのおかげで付き合い始めたんだけど、そこからはお互いに一途でそのまま結婚までたどり着いたってさ」
「そそそそそそうなのね! おおおおおお父さんもお母さんが大好きになったのね!」
「ちょ、声でかいって。 まあ、そうだな、今じゃ親父の方が惚れてるように見えるけどな。オカンも釣った魚に餌はやらんてか? がははは」
「な、なにががははよ! 大減点よ! そんなことないわよ! お母さんだってお父さんが大好きに決まってるんだから! いーや大好き以上、大々好きなのよ!」
「おおおい、なにをそんなに怒ってるんだよ、だから耳元でがなるなってば。まったく、自分のことでもあるまいし」
「うるさい! あんたは反省してなさい!」
「訳わからん…… ……え、なに? うん、……え? いや、ちょ、そ、ちょ、え、そ、そうか」
「今度はなによ? 妹ちゃん顔真っ赤だけど」
「うーん……」
「吐け」
「いやあ……」
「早くしろ」
「お兄ぃもたいがい朴念仁だけどお姉ちゃんが好きになってくれてよかった、って」
「そ、そ、そ、そうよまったく、あんたを相手にできるのはあたしだけなのよっ。あんたも顔真っ赤にしてんじゃないわよ。それで全部?」
「えーと……」
「おい」
「そんなお姉ちゃんが本当のお姉ちゃんになるのはいつかなーって」
「ちょ……」
「おお前も真っ赤になってる」
「ううううううるさい! うるさい! 見るな!」
「な、なんだよ三人して真っ赤じゃねーかよ…… 自爆かよ……」
「だまれ」
「まったく」
「だまれ」
なぜか運転席と助手席も真っ赤になってた。
女三人めっちゃ仲良くなったのでした




