今日はバレンタインですよ?
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バレンタインデー、ひたすらいちゃこらします。
「おはよう!」
「おう、おはよう」
「はい! 大本命チョコレートよ! ありがたく受取りなさい」
「早速来たな! ははー。誠に光栄でございます」
「えへへー。12個入ってるの。それぞれ味が違うからね。学年末考査まで一日一個で頑張って」
「おお、ありがとうな。全部味が違うとは手が込んでるね。嬉しいよ」
「うん。はー、バレンタイン過ぎると試験が待ってるのよね。ホント3学期はバタバタするわ」
「そうだよなー。気分的にも慌ただしい感じがするな」
「でさあ、今日はさ、勉強会やめてデートしない? ほら、たまには息抜きも必要でしょ?」
「デートかあ。ずっと勉強会だったもんな。まあ勉強会もデートっちゃーデートだけど、華は無いしな」
「どう?」
「もちろんOKだ。リフレッシュも必要だと思う」
「やった。で、どうしよっか?」
「うーん、スイッチオフにしてのんびりしたいね。ぼやーっと」
「ぼやーっと?」
「そう、ぼやーっと」
「あ、じゃあさ、あの丘の公園行かない? 景色見ながらぼやーっとすんの。コンビニでおやつでも買ってさ」
「いいねぇ。景色見ながらぼやーっとかー。それでいきますか」
「じゃ、放課後すぐに行くわよ」
「roger」
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「ここはホントに眺めがいいわね」
「そうだな。町が一望できるしな」
「あ、あれ? なんかあそこ建設中? なんだろ、マンションっぽい感じ」
「え、どこ?」
「えーっと、あそこにモールが見えるよね? そのちょっと右側にいかにも建設中なやつがあるの」
「んー、どれだ? ……あ、あれか。結構大きいみたいだな」
「モールとそんなに離れてないし、いい立地じゃない?」
「ほ、ほう。そういう考えには思い至らなかった」
「あんたはどんな風に思う?」
「でかい」
「子供か」
「あとは、完成までどれくらいの期間がかかるのかなとか、建築費はいくらくらいかなとか」
「なるほど。つまりあの建物そのものについて考えたってことよね?」
「そう」
「あたしは建物そのものじゃなくて、あの建物が町にとってどんな影響をもたらすのかなって思ったの。モールの周りって商業地域じゃない? マンションの人達によって結構潤うんじゃないかなーとか」
「へえ、面白いな。同じものを見ても視点が違うと世界が変わるな」
「なんか大げさね」
「いや、正直目から鱗だよ。へえー」
「あんたの中に視点が一つ増えたんじゃない?」
「ああ、そうだな。……お前、ホントにすごいな」
「あら、ありがと。……こうやってもっとお互いを知っていければいいね」
「そうだな。もっと、ずっとな」
「うん」
「……なあ」
「うん?」
「好きだよ」
「ちょっ!! いいいいきなりなによ!」
「真っ赤」
「ううううううるさい! なによ! ああああんたね、今日はぼやーっとしに来たんでしょ!」
「そう」
「全然ぼやーっとじゃないわよ! なにドキドキさせてんのよ! 心臓止まるかと思ったわよ」
「生きて」
「犯人が言うな! もう! このっこのっ!」
「ははは。痛い痛い。DVだー」
「なにがDVだーよ。あーまだドキドキしてる。不意打ちは反則よ!」
「今日はバレンタインデー、心を伝える日だよ」
「なななななにカッコイイこと言ってんのよ! ドキドキさせるな!」
「だからさ、お前も俺に伝えてよ」
「チョチョチョチョコレート上げたでしょ!?」
「言葉で」
「あああああんたずるいわよ。あんた、人には不意打ちしといて、受ける時は準備万端とか」
「ほら」
「言わない! 言わないわよ!」
「えーーーーーーーーーー」
「えーじゃない!」
「言ってくれるまで俺が言うよ?」
「な!?」
「好き」
「やめて!! 死ぬ! わかったわかったって!」
「言う?」
「言う言う言うから、待って、ちょっと落ち着かせて!」
「うん。じゃお願い」
「ふーふーふーふー…… はーはーはーはー…… ………ふーふー…………………………………」
「好き」
「やめろーーーーー!! 喧嘩売ってんのか!!」
「ははは、ごめんごめん」
「ちょっと待ってろって言ってるだろ! 泣くぞ!」
「ごめんてば。待ってるから、黙ってるから」
「ふーふーふー…… はーはーはー…… …………………………… ……あー、では」
「はい」
「その……」
「はい」
「あたしはあんたが」
「はい」
「好きです」
「……はい」
「ぷはーーーーーーーーー ……あああああんただって真っ赤じゃん」
「……身構えていても強烈だな…… 来るもんがある」
「あんたはそれを不意打ちしてきたんだぞ!」
「にゃはー」
「にゃはーじゃねえっ!! まったく。なにがぼけーっといたいだよ! 二人でドキドキしてどうすんだよ!」
「いや、恋人同士だし、バレンタインだし」
「そうだけど! そうじゃないだろ!」
「どっち?」
「ああああああああもうっ! 知らない!」
「お前、ホント可愛いな」
「可愛い言うなっ!」
「可愛い」
「うぐっ……」
「さて、ドキドイタイムはお終いにしてぼやーっとタイムに入りますかな」
「勝手な事言うなー!! ドキドキしっぱなしだろうが!! このっこのっこのっこのっ」
「痛い痛い痛い痛い、ほらぼやーっとタイムだって!」
「ぼやーっとタイムじゃない! このっこのっこのっこのっ」
「痛い痛い痛い痛いごめんごめんごめんごめん」
「ふーふーふーふー、ゆゆゆ許さないわよ」
「ごめんてば。どうしたら許してくれる?」
「…………あ、頭撫でてくれたら許してあげる」
「…………わ、わかった。じゃこっち来い」
「……うん」
「ほれ。許してくれるか?」
「もっと」
「わかった。ほれ。……これ、ドキドキするな」
「……ドキドキするわね」
「全然ぼやーっとできてない」
「あんたのせいよ」
「そうだな」
「……好きよ」
「はがっ!? ちょっ! おまっ!!」
「仕返し。ほら手が止まってるわよ、ちゃんと撫でなさい」
「ぐっ ……やられた…… 卑怯だ」
「盛大なブーメランねえ。自覚ある?」
「……は、はい」
「ちょっと落ち着いてぼやーっとタイムに入りましょ」
「そ、そうだな。ふーーーー」
「はーーーーー」
「ふーーーーー」
「はーーーーー」
「……」
「……」
あんまりぼやーっとできなかった
激甘。次は学年末考査結果。どっちに勝たせようか。




