朝の夢は私を苛ます
私の朝は今日も早く訪れる。
「…やっぱり全然寝れなかった。」
ここのところ、いや、ずっと前から嫌な夢ばかり見る。しかも、オバケとかそういうふわふわした感じの夢ではなく、実際に、……私が体験した悪夢をなんども繰り返し見るのだ。最初の頃は泣いてしまった日もあったが、今ではもう…なんか、慣れた。ほんと、慣れって怖い。
それでもやっぱり怖いようで、私の頭は私を眠りにつかせてくれないのだった。
まだ時刻は午前5時半。暖かくない春の気温に身を震わせながら私はもそもそと起き上がった。
「五時半…でも前よりは全然マシか…。今からどうしよっか…」
近所のハトが餌を求めて公園に来るのは六時半ぐらい。いつも見ている朝のテレビ番組は七時からだ。
仕方ない。私は早めの朝食をとることにしたのだった。
今、この国は戦争を目前に控えている。第三次世界大戦が勝者として終わったのもつかの間、次は海底に眠る豊富な資源をとりあっているらしい。全く、戦争が好きな政府だ。それを支持する国民が異常なのかもしれないが。
その戦争好きな政府が考え出した極秘で進められている計画、その名も『自立型戦闘兵器開発計画』。
それは人間そっくりの、だが戦闘能力は人間を遥かに超えるという殺戮兵器を作り出すという何とも恐ろしい政策だ。第三次世界大戦でそれを他国に見られたからとはいえ、それはごく一部に過ぎない。今ではきっと1000体は軽く超え、そして改良もされ続けているだろう。
…何故そんな極秘事項を私が知っているのかって?
理由は単純だ。私の名前はロンド。
戦闘兵器第四号機。そう、私自身が、電気を司る最凶の兵器だからだ。
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…小さなノイズ。
〈…早急に…………その場から………危……〉
なにを言っているのかは聞き取れない。
ただ、この状況からしてきっと退避命令だろう。
しかし私ーーいや、私たちは止まれない。つまりこれは政府の指示ではなく、『彼女』の指示なのだ。
もう勝ったかのような顔でいる相手の顔に、私は電気をまとった触手の一本を使って傷をつけ、そのついでに先端のナイフで四肢を刈り取る。
相手側はパニックに陥った。そうなればもう相手に勝ち目はない。
ゾクゾクしてきた自分の唇を舐め、私たちは惨殺を繰り返す。
飛び交う赤。できた血溜まりに相手の目が落ちる。そんなものに興味も持たず、私は次の敵に狙いを定める。
ここは戦争。精神が狂うことぐらい普通なのだ。
だから私はその時まで、親友がーーーノックが、おかしくなっていたことに気づくことができなかった。
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