七話 バリアが一撃で壊れたからって惚れないで!あと副騎士団長ヤンデレなのやめて!
今あったことを簡単にまとめよう。
自分の黒歴史呪文を放ったら、悪魔が勝手に契約を結んでました。
は?
ごめん自分でも何言ってるのかわかんなくなってきたよ。
――ザザザ。
おっ誰か来たぞ?
「もやし!平気か!」
アイリさん!?え?地平線までぶっ飛ばされてましたよね?
「で?悪魔はどこ行った?私が細切れにしてやる。」
――ブウウン!
アイリさん、腕からチェンソー生やさないで、ガチで怖いから。
「悪魔はなんか、僕の体の中で居候してます。」
「……は?」
ですよねぇ。アイリさん僕だって理解してないんだもん。
「……見つけた。」
ん?なんかぶつぶつ言ってるぞ?
しかも雰囲気がなんか変わった?
すっごい嫌な予感、僕のこれ良く当たるんだよね。
せっかくあてた当たり付のアイスの棒を排水溝に落とした時とおんなじ予感だ。
これは……やばい。
アイリさんが、ゆっくり僕を見る。
「ついに見つけた私の愛人!私はこの人についていくために生まれたんだ!」
ど、どした?
「ハァハァ。興奮でチェンソーの回転が止まらない!ヒャッホー!!!」
え?アイリさん?
「もやし様。と呼ばせていただきます!そういえば本名は?」
ふつう逆だろ?
「主人 公です。」
てか久しぶりに名乗ったな。
ん?なんで目がとろんとしてるんだ?ただ名乗っただけだぞ?
「す、素晴らしいです!この世界で苗字を持てるのはごく一部の貴族です!もやし様も貴族の出身なのですね!!!ヌフフ♡このアイリ、全力で奴隷として尽くします。」
重い、重い。さっきまでのイキリ具合はどうしたの?
まじで怖い怖い。
――ザザ
おっ!また来た誰かこの状況助けて!
「おい、もやし。あの女そんなにやばいやつだったか?」
ほら暴力の悪魔がガチ引きしてるよ?
「お疲れ様ですアイリさん。」
僕は思わず心の中でガッツポーズをした
ロリ来ちゃぁぁぁぁア!!
……いや、別に変な意味じゃないよ?
ほら、こう……テンション上がるじゃん?
「まさか、僕が到着する前にアイリさんが討伐してくれるなんて、仕事奪わないでくださいね?」
ロリは頬を膨らませながら言う。
はい、かわいいですね。
ポチもかわいいけど?やっぱりロリもかわええやん!?
「もちろんです。それよりも、今、ここで入団試験をしろセロリ。」
アイリさん!?怖いよさっきまでめっちゃ重かったじゃん急に戻らないで。
「うるさいですね!セロリ呼びはやめろって言ってんだろ?」
ロリ、口げんか強いじゃないか。
「おい、そこのもやし。私の名前はセロ……ではなくセリだ。アイリさんの指示だから仕方なくしかたな~く試験をやる。あんまり失望させるなよ?」
何でこいつも、もやし呼びなんだよ!一種の才能か?
「ルールは簡単。私のバリアをどれだけ傷をつけるかの簡単な試験。」
セリさんの周りにバリアが展開される。
へぇ。正六角形だ。バリアの相場ってそんなもんなんだな。
「何を見ている早くやれ。私は早くアイス食いたいんだ。」
やれって言われましてもね?絶対拳じゃ破壊できないよ?
まぁ?とりあえず?やってみますか?
「あぁ神よ。黒き邪竜を封印しなされ!マサーシュ。」
——ズガガガガ
「待て、もやし!それを撃ったら……!」
暴力の悪魔さん?そんなに慌てなくても。
僕はもやしなんだからセリさんも耐えられるっしょ。
——パリン
ん?パリン?何だこの音は?
またしてもすごい砂埃。
これ、どうにかならないかな?
「……ました。」
へ?
「参りました。」
セリさんは暴力の悪魔のように全力土下座する。
土下座がブームなのか?
だったら僕最強じゃないか。
社畜が時代を作るなんて、感動。
「わ、私のバリアを一撃で破壊……なんて、前代未聞、これは神の所業。」
ん?神?
「私はあなた様に一目惚れいたしました♡私と婚約しましょう。」
……は?
え?
んん?
は?
バリアが一撃で壊れたからって惚れないで!あと副騎士団長ヤンデレなのやめてぇぇえ!!!
【次回予告】
バリアを壊した。
ただそれだけ。
なのに——
「結婚してください♡」
「待てセリ、その席は私のものだ。」
なんで修羅場になってんの?
しかも。
「もやし、責任取れ。」
「いや何の!?」
副騎士団長はヤンデレ化。
ロリ試験官はメスガキ化。
悪魔はドン引き。
そして当の本人は、
「帰りたい。」
次回――
「思考が全部読まれます」
もやし、今日も胃が痛い。




