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クレアの魔法


「姉さま! わたしも嬉しいですよ!」



 エリナの登録証を覗き込んでいたクレアがエリナに抱きつきながら言う。



「クレアありがとう!」



 抱きついてきたクレアの頭をなでながらエリナは礼を言うが、こいつらほんと仲良いな。

 仲が良いと同じ結婚相手でも嬉しいのかは知らん。

 現代日本人にはそういう感覚がわからん。



「あと俺頑張ったと思うんだけどなー、なんでヘタレがつくんだろうなー」


「称号は深層意識ではなく、こちらで認証、書き込みをするものなんですけれどね」


「じゃあそっちのミスじゃねーか、修正しろ」


「いえ、エリナさんと同時に書き込みをしてこれですよ。多分もうこびりついちゃったのでは」


「ウンコみたいに言うなよ、もう一回やってくれよ」


「はいはい」


 

 ピカッと一瞬光った後に登録証を見てみる。



「兄さま変わってませんね」


「ほんとにやったのか?」


「もう一度やりますか?」


「んーいいや。もう諦めた。それより冒険者ランクが一気にBになったんだが、あってるのかこれ」


「普通、竜種討伐はAランクかBランクが行うものなんですよ。それも何人も集めてです。そして仮に竜一体に昇格ポイントが百あるとすると、ソロ討伐でそのまま百、二人で討伐すると五十ずつと人数で振り分けられるので、地竜を二人で狩ったから一気に高得点を取ってしまったわけですね」


「良くそんなのを見かけたら狩ってこいって言えたな……」


「でも実際狩れましたよね?」


「死にかけたけどな」


「近づいたからじゃないんですか?」


「その通りだから何も言えん。あと今日はこの子の魔法適性を調べたいんだが、頼めるか?」


「ロリ婚だという事は十五歳未満なのですよね」


「悪意ある変換やめろ。ちゃんと十五歳になってから結婚するんだよ」


「銀貨二枚頂きますけどよろしいですか? あとで登録証を作る時でも割引等はありませんが」


「かまわん、頼む」


「では、こちらの水晶球に両手をかざしてください」



 事務員に銀貨二枚をエリナが渡すと、がこんと机の天板が外され、大きめのスイカサイズの水晶球が現れる。

 財布も置いてきちゃったんだよな。

 恥ずかしい。



「は、はい!」



 クレアが水晶球に両手をかざすと、中に白の玉がふよふよと浮き出した。というか水晶球より一回り小さい位だ、エリナの時よりもでかいな。



「トーマさん、孤児院って貴族の落胤を集めたりしてるんですか? もしくはそういう息抜き的な用途の館だったりするんですか?」


「知らんわ、あと息抜き的な用途って言うな」


「兄さま、これって魔法が使えるって事ですか?」


「ああ、そうだぞ、よかったなクレア」


「クレアすごいよ! 白魔法は私より大きいよ!」


「えっそうなのですか?」


「たしかにエリナの時よりでかいぞ」


「私兄さまのお役に立てるんですね!」


「これ以上クレアが役に立ったら俺が駄目人間になっちゃうぞ」


「私が兄さまを養いますから!」


「エリナの時も言われたような気がする。白魔法だけだけどこれってすごいんじゃないの」


「上位貴族でもなかなかこの潜在魔力は見ませんよ。他の魔法適性が全く無いのに白魔法に特化してるなんて、珍し過ぎて誰も信じないでしょうね。それにクレアさんは十五歳未満ですよね、まだ伸びる可能性がありますよ」


「マジか、爺さんっていつ来るかわかるか?」


「バッハシュタイン卿ですか? あの方は王都の魔導士協会長なので普段はめったに来ないのですよね」


「卿?」


「侯爵様ですが」


「まあそうだよな、愉快な爺さんだから忘れてたけど、全属性で全盛期は空中に浮かぶ事が出来たとか言ってたしそりゃ貴族だよな、それも上級の。じゃあどうするか、別の高レベルの講師とかいるのか? 魔力を励起できるやつ」


「いませんね。他人の魔力の励起なんて出来る程の魔力操作に長けた講師なんて、王都でも二、三人なんじゃないんですか?」


「そんなレアだったのかよ」


「だからお勧めしたんですよ」


「あの時は助かった」


「二人で銀貨二十枚っていうのもその日、うちのギルド長といかがわしい店に行くための軍資金でしたからね。本来なら正式な手続きを経ても何年も待つレベルですし、金額も普通の人相手なら一人金貨五枚とかですよ。私には面白い奴がいたらその夜の飲み代程度の金額で見てやるからいつでも連れて来いと言われてましたけど」


「爺さんもギルド長も適当なのな、ここは」


「仕事はちゃんとするんですけれどね」


「わかった、その辺はなんとか考えてみる。そちらでも爺さんが来る日があったり、有能な講師の来る日があったら教えてくれ」


「わかりました」


「あと金を下ろしていく。銀貨二十枚もあればいいか」


「はい、では登録証をお願いします」



 出金処理が行われ、銀貨二十枚を受け取る。



「じゃあまた来るわ」


「はい。それと、ブラックバッファローの異常発生は終了しましたのでご了承ください」


「たしかにあの日は全然見かけなかったしな。そのせいでこんな目に逢ったんだが。まあダッシュエミューに切り替える予定だったし丁度よかったよ。じゃあまたな」


「お待ちしてますね」


「「ありがとうございました!」」



 刀身があれば親父の店に行きたかったんだが、孤児院で荷物を待つか。

 防具屋にも行かないとな。

 凄く嫌だけど。


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