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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第三章 勇者と魔王

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人族王女と魔王。


ゲートを抜けるとそこは訓練所だった。

浩二よりも先に抜けた王女一行は一箇所に固まり周りを警戒している。



「そんなに警戒しなくても大丈夫だって…あ、ソフィア!戻ったよ!」



最初にソフィアの姿を見つけ浩二が声を掛ける。



「コージ!無事で良かった。…で、そちらが王女様御一行?」


「あぁ、スミスさんは知ってるよね。えーと、こちらが第三王女のリリィ様だ。で、こっちが王女様を守ってた勇者二人。」



王女とスミス、勇者二人がソフィアに軽くお辞儀をする。

これは…多分気付いてないな…



「ようこそシュレイド城へ。私は『鍛冶の魔王』ソフィアよ。」


「っ!?」


「なっ!?」


「!?」


「魔王っ!?」



あぁ、良い反応だ。

心做しかソフィアが嬉しそうだ。



「来たか。」


「遅かったじゃなぃ♪コージ君♪」



その後ろから巨体を揺らして現れたドルギス。

何故か浩二に撓垂れ掛かるミラルダ。

そして、ドルギスの巨体とミラルダの見た目に口を開いたまま動かない王女様御一行。



「お二人共久しぶりです。ほら、ミラルダさん離れて…ソフィアが怖い顔してますよ?」


「あらぁ♪ソフィアちゃんたら…ヤ・キ・モ・チ?」


「ち、ち、違うわよっ!馬鹿コージっ!」


「えぇっ!?俺!?」


「お前等…話が進まん。初にお目にかかる人族の王女よ。俺はドルギス。『鎧の魔王』と呼ばれている。」


「も~、ドルギスは硬いんだからぁ…初めましてぇ♪王女様ぁ♪私はぁミラルダ。『魅了の魔王』でぇす♪」



「「「「!?」」」」



三人の魔王の登場に動きの止まる一行。



「大丈夫ですよ王女様。敵対しているなら挨拶どころか、既に人族領は滅んでます。」


「…そう…ですね。」


「彼等を呼んだのは、これからこの場所に送られてくる勇者や兵士達が呪いや催眠に掛けられている可能性があるので、その対応をしてもらう為です。」


「…成程…では、我々が一方的に御世話になるのですね…お見苦しい所をお見せしました。私が人族王家第三王女リリィです。今回はどうぞよろしくお願いします。」



王女は震える身体を何とか正し、三人の魔王にお詫びと御礼をする。



「構わないわ。コージの頼みだもん、断る理由が無いわ。」


「俺もソフィアに頼まれたに過ぎん。そう畏まるな王女よ。人族へ特に含む所はない、安心してくれ。」


「私はぁ、コージ君に会いに来たついでだしぃ♪気にしなくて良いわぁ♪」


「…あ、ありがとうございます。」



予想の斜め上を行く言葉に戸惑う王女。

実際まともな返答はドルギスだけである。

そして、後の二人は浩二ありきの言葉。



「…岩谷さん…貴方は一体何者なんです…?」


「いやぁ…妙に気に入られてまして…」



実際浩二自身も身に覚えが無いのだから仕方がない。

その時、



「あぁーーっ!麗子ちゃんだぁっ!!」



唐突に蓮の元気な声が訓練所に響く。



「蓮っ!元気だった?」


「うん!麗子ちゃんは?どうしてこんな所にいるの?」


「あー…浩二に連れてこられたんだ。」


「お兄さんに?」



蓮は浩二の方を見て首を傾げている。

あぁ、これは三人にもちゃんと説明しなきゃ駄目かな…



「ソフィア、もう隠すのは無理そうだし…ちゃんと話といた方が良さそうだな。」


「そうね…それじゃ食事の後にでも作戦会議も兼ねて話しましょうか。」


「だな。色々情報の摺り合わせもしたいしな。」


「王女様?それで良いかしら?」


「あ、はい。お任せします…」


「何を言ってるのよ。貴女も参加するのよ?」


「え!?私もですか?」



ソフィアは呆れたように俯いて首を振る。

そして、王女の側へ歩み寄りそっと耳元で



「貴女のお父様は残念だったわ…でも、残った王族は貴女一人…違う?」


「っ!!」


「…心中はお察しするわ…でも、この件に片がついたら纏めるのは貴女の仕事なのよ?」


「…はい…分かっています…」


「なら良いわ。」



ソフィアは王女の肩をポンと叩くと彼女の真正面に立ち瞳を真っ直ぐに見つめて口を開く。



「出来る限りの協力はするわ。だから安心なさい!」


「…ありがとうございます。」


「ふふっ、良いのよ。先ずは食事が先よ!腹が減っては何とやらって言うでしょ?」


「ふふっ…はい。ありがとうございます。」



王女は笑顔でソフィアの後に付いていく。

遅れてスミスと勇者の二人も。



「お兄さん…人族領でなにがあったの?」


「飯の後でちゃんと話すよ。舞と栞も含めてね。」


「…うん、分かった。」



浩二は駆け寄って来た蓮にそう告げると、元気の無い彼女の頭をクシャっと一撫でする。



「蓮には元気でいて欲しいな…」


「…うん!私に出来る事があったら言ってね!」


「あぁ、頼りにしてる。」



蓮は無理矢理笑顔を作ると浩二を追い越して走り去ってしまった。



「…結城の奴…巫山戯るなよ…」



蓮の不器用な笑顔を思い出し腸が煮えくり返る思いを拳を握ることで耐える。

怒りで身体から漏れ出てしまう青い靄を纏いながら。



□■□■



「さて、先ずはどうやって乗り込むか…だけど…」


「コージ…アンタ色々漏れてるわよ…」



未だに靄が収まらない浩二。

それを見たソフィアが頭を抱える。

すると…



「もう我慢出来なぁ~い!」



少々色の混じりすぎた声でミラルダが後ろから浩二に抱きつく。



「ちょっ!?ミラルダさんっ!?」



色々と密着されて慌てふためく浩二。

そんな浩二にお構い無しで更に密着してくる。

次の瞬間、彼女の身体に浩二の青い靄が吸い込まれていく。



「ふふっ♪…お姉ぇさんに任せてぇ♪…って、嘘っ!?」



突然ミラルダの身体がビクンと跳ねる。



「…っ!!…はぁんっ!…こんなにぃ…っ!!」



突然身悶えながら崩れ落ちるミラルダ。

自らの身体を抱き締めるように座り込み甘い声の混じった息を荒くしている。



「コージっ!時と場所を考えなさいよねっ!」


「えぇっ!?また俺っ!?」



作戦会議はミラルダの体調が回復するのを待つ事になった。

その間、浩二が女性陣からの無言の圧力を受け続けたのは言うまでもない。

読んでいただきありがとうございます。

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