作戦会議?
「ごめんなさぁ~い…つい…」
「ついじゃないわよ…全く…」
何とか回復(?)をしたミラルダが恥ずかしそうに頭を下げる。
「一体何があったんです?」
「ん~…食事?」
「アレが!?」
「ち、違うわよぉ~…何時もはあんなじゃないものぉ~」
「コージ…多分だけど…コージのエナジー…所謂生命力とかが普通の人より濃かったせいだと思うわ。」
「…生命力?」
「簡単に説明すると、精神力と対になる物よ。」
「成程…確かに体力には自信がある。」
「凄かったわぁ~♪あんなにぃ…濃いのぉ…初めてぇ♪」
「「言い方っ!!」」
「まぁ、コージの場合は間違いなく『操気術』の影響ね。」
「…あぁ、成程。」
確かに身体から出る青い靄は操気術で精神力と気が混じったものだったが。
「成程じゃないわよ…全く…少しは抑える努力をしなさい。」
「すみません…頑張ります。」
「まぁ、コージの方は影響無いのよね?」
「全く。」
「なら良いわ。もう…会議遅れちゃったじゃない…」
「面目次第も御座いません…」
「はぁ、それじゃ会議を始めましょう!」
今一締まらないが、作戦会議が始まった。
□■□■
「なぁ、麗子のスキルって…展開したまま移動って出来るのか?」
「残念だけど無理よ。一箇所に展開したら、私の精神力が尽きるまでは時間制限無しだけど。」
「そうか…やっぱりバレずにって理由には行かないか。」
展開したまま移動出来るなら一緒に行動すれば姿や音も気取られずに行動出来るんだが…
「そうね。多少は仕方ないわ。」
「なら、やっぱり俺が単騎で乗り込むのが妥当か。」
「確かにコージの戦闘力なら間違いないわね…でも、結城の事だけが気掛かりね…」
「まぁ、なる様になるだろ。どうしようも無くなったら…その時は素直に倒すよ。」
「コージ…」
「それに、ちょっと考えもあるし。それより、受け入れ側の方頼むな。結構ポンポン送ると思うから。」
「全く…『転送』って本来そうポンポンと使えないんだけどね…」
「コチラは任せておけ。俺とミラルダが居れば状態異常に関する心配は無い。」
「安心してぇ♪コージ君のお陰でぇ♪久しぶりにフルパワーだからぁ♪」
「よろしくお願いします。多分、兵士達もかなり疲労してる筈だから、舞と栞…回復頼むな!」
「はい!頑張ります!」
「頑張るよ!お兄ちゃん!」
既に三人には結城の話はしてある。
結城が殺人をしている事と同級生が殺された事実を知り複雑な表情を浮かべてはいたが、何とか気持ちの整理はついたようだ。
しかし、結城の言葉を舞に伝えた所…
「気持ち悪いです。」
だそうだ。
この発言には蓮も驚いていた。
少なくともこの世界に…いや、魔族領に来るまではこんな発言間違ってもしなかったそうだ。
「きっと心境の変化があったんだと思うよー。でも、悪い方には行ってないから大丈夫!」
と言うのが蓮の意見だ。
確かに、あまり人見知りしなくなった気もするし、たまに毒舌気味の言葉を投げ掛けられている気もする。
まぁ、悪くは無い…かな?
いや…優しくして欲しいです。
「取り敢えず蓮と猛と麗子は留守番な。」
「おう!」
「えぇ。」
「えー!」
「えーじゃない。今回の作戦に戦闘はないんだから、近接格闘も遠距離砲台も要らないよ。」
「お兄さんと一緒に行っちゃ駄目?」
「駄目だ。万が一蓮が結城に操られたら俺は蓮に攻撃出来ない…いや、したくない。だから、恐らくは必要無いだろうけどもしもの時の為に受け入れ側に待機しててくれ。」
「分かった…気を付けてね?お兄さん…」
「おう!任せとけ!」
役に立てなくて歯痒いのだろう。
蓮は黙って俯いてしまう。
「俺の目が届かない間…舞を守ってくれ…な?」
浩二は優しく蓮の頭を撫でる。
「…分かった。本当は舞を守るのはお兄さんなんだからね!」
「分かってるよ。舞も蓮も栞もちゃんと俺が守ってやる。」
「…違うんだけどなぁ…」
「ん?」
「んーん、何でもない!それじゃ舞のところに行くね!」
「あぁ、頼んだ。」
蓮が手を振りながら回復組である二人の元へと駆けて行った。
「成程…これが鈍感系って奴か。」
隣で猛が腕を組みながらウンウンと頷いている。
「ん?なんだ?」
「何でもねーよ兄貴。」
「そうか…あ、この件が終わったら例のアレ作ってやるからな。」
「マジか!?楽しみにしてるぜっ!」
「あ、後麗子。もう少し離塔の結界維持頼むな。王女様はまだあの塔に居ることにしときたいんでな。」
「この腕輪があれば楽勝よ。任せといて。」
腕を前に出し、浩二から貰った腕輪を見せる。
「王女様はソフィアと一緒に城内で変わった所がないか使い魔で確認してくれ。何か分かったら念話で連絡を頼む。」
「了解よ。」
「分かりました。気を付けて下さいね岩谷さん。」
「はい。それじゃ、行ってきます!」
浩二は王女とソフィアにそう告げると、ゲートを開き躊躇いも無くその中に飛び込む。
向かう先は…懐かしいあの地下牢だ。
□■□■
「さて…どうなってるのやら…うわぁ…」
到着した浩二の目の前に広がるのは、狭い通路にこれでもかと言わんばかりに詰め込まれた兵士達の姿だった。
「これはまた…牢に着くまでに一体何人居るんだよ…」
兵士達は浩二に気付くと生気の無い目をこちらに向けヨロヨロと、しかし確実に浩二へと向かってくる。
「んじゃまー、やりますか。」
浩二は首をゴキゴキと鳴らすと、先頭の兵士に一瞬で詰め寄る。
「ちょっと痛いかも知れないけど、我慢してくれよ?」
そう言って無造作に右拳を兵士の土手っ腹に叩き込む。
踏ん張りの効いていない兵士は浩二のステータスも相まって5人程が纏めて後ろへ吹っ飛ぶ。
その先には六角形のゲートがポッカリと口を開けていた。
「ほい、五名様ご案内っ!」
巫山戯た物言いと共に兵士達はゲートに次々と吸い込まれるように消えていく。
「さぁっ!どんどん行くぞっ!」
ゲートを閉じた浩二はすぐ様次の兵士達へ向かい走り出した。
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