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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第三章 勇者と魔王

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王女とスミス。


頭を抱える浩二を見てソフィアは情報を追加する。



「コージのステータスが目当てってのも多分間違いじゃないわ。でも、もう一つは舞よ。」


「え?舞?」



頭を抱えていた浩二の動きが止まり、微かに青い靄が浩二の身体から見え隠れし始める。



「結城が昨日使い魔を通して様子を見ていた私に念話を送って来たわ。一つは『早く来ないと勇者が全滅しちゃうよ?』って。もう一つは『俺の舞もちゃんと連れて来い』ってコージ宛に。」


「俺の舞?」


「えぇ。確かにそう言ったわ。」



結城と舞は所謂彼氏と彼女だったのだろうか?

なら何故舞はこちらに付いてきたのか…

等と浩二が考えていると、ソフィアが呆れた顔で口を開く。



「詳しくは私からは言わないけど…舞は少なくとも結城の彼女ではないわ。彼女の想い人は他にいるしね。」



コージ貴方よ…とは口には出さず、視線で察してもらおうとするもそこは浩二、気づく筈も無い。



「そうか…なら結城の独り善がりって事になるな。」


「そうね。間違いなく片想いね…まぁ、結城の方はそうは思っていないみたいだけど。」


「これは…舞だけは連れて行けないな。もう、俺一人で行ってぶっ飛ばしてくるかな…」



浩二の発言に躊躇が無くなって来ている。

ソフィアもそうだが、自分の仲間と認めた人が他人に傷付けられるのを激しく嫌う性格の様だ。



「ダメよコージ。今のコージを人族領へ一人では向かわせられないわ。結城がどんな手を隠し持っているか分からない以上はね。」


「でも、時間が経てば経つ程結城の力が増すんだろ?…はっきり言って他の勇者が何人死のうが知った事じゃないが、スミスさんと王女様だけは助けたい。」


「コージ…落ち着きなさい。スキルを返す勇者が死んでしまってどうするのよ…」


「…でも…」


「今は情報を集めて共有するのが最優先。それにスミスって隻腕の人と王女は無事よ。」


「本当か!?」


「えぇ本当よ。今は城の北にある離塔で立て篭もっているわ。二人の勇者に守られてね。」


「勇者二人?」


「そう。多分結界系のスキル持ちなんでしょうね…運がいいわ。」


「そうか…でも、ずっとスキルを使い続けるのは無理だな…ソフィア一つ思いついた事があるんだが…」



浩二は真面目な顔でソフィアを見詰める。



「な、何よ?そんな真剣な顔で…」


「ソフィアにお願いがあるんだ…



□■□■



「リリィ…少し休んだ方が良い。ここは俺と勇者が死守するから。」


「そんな訳にはいきません!スミスや勇者様が頑張っているのに私だけ休むだなんて!…あっ…」



立ち上がり抗議してきたリリィがフラつき崩れ落ちそうになる所をスミスが抱き留める。



「ほら、言わんこっちゃ無い。あんな事があったんだ…少しでも休んどけ。」


「でも!」


「良いから…な?…それに、俺のカンなんだが…助けが来る気がするんだよ。」


「…助け?」


「あぁ、義理堅い奴だからな…きっと来てくれる。」


「…誰なんです…?こんな場所まで…危険なのに…」



スミスはリリィをベットへ横にさせながらニカッと笑って口にする。



「…今に解るさ。」



確証はない…しかし、何故か理由もなく信じている自分がいる。

アイツはきっと来る。



「なぁ、コージよ…」



離塔の最上階。

見えない空を見上げてスミスは地下牢にいた頑張り屋のことを思い出し、小さく呟いた。



□■□■



「はぁ…またとんでもない事考えるわね…コージ。」


「無理かな?」


「…多分大丈夫よ。まずは催眠に対応するなら…ミラルダね。あと一応呪いにも注意するとなるとドルギスにも応援要請しとこうかしら…」


「なら俺はチャッチャと作って来るよ。そのまま人族領へ向かう。頼むなソフィア。」


「…分かったわ。コージ…?無理はダメなんだからね?」


「あぁ、大丈夫。今回は戦闘が目的じゃないからな。」


「それじゃ、一時間後に。」


「分かった。頼むなソフィア。」


「任せて!」



ソフィアはグッと拳を握ると足早に部屋を出て行った。



「さて、それじゃ俺も行くか。」



浩二は肩にナオを乗せたまま地下の小部屋へと向かった。



□■□■



「どうだ?二人共。」


「ついさっきやっと諦めてくれたよ…」


「本当に…執拗いったら無いわ。」



二人は明らかに疲れた様子で床に座り込んでいた。



「これ、いつまで続くんだろうな…」


「分かんないよ…まさか結城がトチ狂うなんて思って無かったし…」


「俺達はたまたま王女さんの近くにいたお陰でこうやって無事で居られるけどさ。」


「…これ…無事って言えるの?」


「捕まったり死んだりしてないだけマシだろ?」


「まぁ…ね。」


「なぁ、スミスさん…これいつまで続くんだ?」



離塔で兵士達の攻撃を結界で防ぎ切った勇者の一人が様子を見に来たスミスに愚痴る。



「どうだろうな…今はまだ分からん。この離塔の上り階段は幅が狭いからこの程度で済んでるんだがな。」



この離塔は本来殺さなければならない程の罪を犯した貴族や王族を殺さずに幽閉する為のもので、窓は小さく格子が嵌められ唯一の通路とも言える螺旋階段は人が一人余裕を持って昇れる程度しかない。

これは兵士一人でも脱獄に充分対応出来るようにする為だ。



「結城の狙いはお姫様なんだよね?…何考えてんだろ…結城の奴…」



もう一人の勇者が嫌な顔をする。



「さぁ?王女さん綺麗だし、下衆な理由でも不思議じゃないんじゃないか?」


「アンタ…最低ね…」


「いやいやいや!俺じゃないぞ?俺はそんな事しないぞ?」


「…まぁ、良いわ。スミスさん、これ…今日はもう来ないかしら?」


「んー…多分な。流石に丸一日攻め続けたんだ兵士も疲労が溜まってるだろうしな。」


「でも、操られてるんでしょ?彼等も。」


「例え操られてるとしても、あんな事を続ければ普通に動けなくなるだろ?取り敢えずここは俺が見張るからお前等飯食ってこい。」


「おっ!やったーっ!腹減ってたんだわ!」


「やった!ごっはん♪ごっはん♪」



二人は碌に食事もせずにこの部屋を死守していたのだ。

空腹もピークだったのだろう。

二人は食事が用意されている部屋へと飛び込む。


その時、二人の目の前に六角形の何かが浮かび上がる。



「なにっ!?」


「敵かっ!?」



二人の勇者が警戒する中、六角形をくぐり抜けるように銀髪の青年が現れる。



「あれ?…スミスさんは?」



離塔に無事到着した浩二は唖然とする勇者を気にもとめずスミスを探すのだった。




遂に…遂に1日のPVが1000超えた…


ヤバい…予想以上に嬉しい!


いつも読んでいただきありがとうございます!

これからも頑張ります!

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