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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第三章 勇者と魔王

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スミスの義手。


「あ、二人が王女様を守ってくれてた勇者か。ありがとうな。それで、スミスさん知らない?此処に居たはずなんだけど…」


「アンタ誰よっ!」


「…ちょっと待て!何か見た事あるぞ?」


「何?アンタの知り合い?」


「何言ってんだよ、お前だって戦ってたろ?」


「はぁ?知らないわよこんな銀髪…」


「どうしたっ!何かあったのか!…ってコージじゃねーか!久しぶりだなおい!」



二人の声が聞こえたのだろう、スミスが部屋へと飛び込んで来た。

久しぶりに見た浩二の姿に嬉しそうな顔を浮かべ浩二の肩をバンバンと叩く。



「痛っ!痛いですよスミスさん!」


「何だよ!来るなら来るって言えよな!」


「いやいや、伝える手段ありませんから。」


「そういやそうか。…まぁ、良いわ。それで?ただ顔を見に来たわけじゃねーんだろ?」


「はい。そこの勇者二人にも渡す物があるんだ。」



浩二は持って来た大きめの袋から腕輪を二つ取り出し二人の勇者に渡す。



「これは?」


「…何なのよコレ…?」


「ここに来る前に急いで作って来た魔道具だよ。二人は結界維持が大変だろうと思ってね、魔素を急速で集めて溜め込める腕輪だ。精神力の消費がかなり少なくなる筈だ。」


「マジか!?」


「ちょっ!アンタ信じるの!?」


「スミスさんがあれだけ信用してるんだ、心配ねーよ。だろ?」


「あぁ、おかしな細工はしてないさ。二人には感謝してるんだ。王女様とスミスさんを守ってくれてたんだからね。本当にありがとう。」



浩二は胡座をかいたまま二人に頭を下げる。

疑っていた勇者も浩二の行動に戸惑う。



「別にアンタの為に守ってた訳じゃないわよ。」


「分かってる。それでも結果は変わらない。本当にありがとう。」


「う…分かったわよ!」



バツが悪くなったのだろう。素直に真っ直ぐに礼をする浩二から視線を外すと貰った腕輪を腕に嵌めた。



「これ、どう使うの?」


「普通に腕に嵌めたまま魔法なりスキルを使えば、精神力より先に腕輪に蓄積された魔素が消費されるようになってる。」


「おおっ!すげぇ!本当に精神力消費されねーわ!」



説明を受けている横で早速スキルを使った勇者が驚きの声を上げる。



「…マジで?」


「おう!スゲーぞ?全く疲れねーから!」


「…ふうん…」



もう一人の勇者も半信半疑でスキルを使用してみる。



「…うわ…本当に全然消費されないのね。」


「だろ?なぁ、これどのぐらいまで消費無しでいけるんだ?」


「んー…大体上位魔法二回分ぐらいかな?まぁ、常に魔素を集め続けてるからすぐに回復するけど…」


「はぁ!?」


「なっ!?」



浩二の言葉に目を見開いて驚く二人の勇者。

こんな所でも浩二は相変わらずのようである。



「おいコージ、俺には何か無いのかよ。」


「スミスさんにもちゃんと持って来ましたよ…ってか、こっちがメインなんですけど。」



浩二は袋から布に包まれた義手を取り出すと布を取り払いスミスに見せる。



「おっ!義手か!」


「はい。ずっとお世話になっていたお礼です。」


「嬉しいねぇ!義手ってのは高くてなぁ。」


「喜んでもらえて良かった。早速付けちゃいましょう。あ、その前に血を一滴貰えます?」


「血なんて何に使うんだ?」



そう言いながらもナイフを使い血を取る準備をするスミス。



「この義手も魔道具なんです。だから、魔核に遺伝子情報を読み取らせて生身の腕と同じ様に動かせる様にするんですよ。あ、この魔核に垂らして下さい。」


「ん?いでんしじょうほう?まぁ、良く分からんがコージの言うことなら間違いないか。」



浩二は義手の根本にある魔核を指差すとスミスに差し出す。

スミスは躊躇いもなく指先を切り魔核に血を一滴垂らす。

すると、魔核が淡く輝きやがて静かに光が収まる。



「良し。さぁスミスさんこれで完了です。付けてみてください…そのまま嵌め込む感じで…」


「こう…か?おおっ!吸い付くみたいにくっ付いたぞ!」


「動かしてみてどうです?」


「すげぇ!全く違和感を感じねぇ!とんでもねーなこの義手…ん?」


「どうしました?」


「…おい…コージ…この義手、感覚まであるぞ?」


「へ?」


「剣を握ったらグリップを握る感触を感じるんだよ。」



鞘を付けたままの剣を持ったスミスが驚きの声を上げる。



「…マジですか?」


「…おいコージ…まさか知らなかったのか?」


「…いや…だって義手の試しとか出来ないし…」


「…全く…爆発とかしたらどうすんだよ…」


「…爆発か…アリだな。」


「ねーよ!」


「いやいや、こう…相手の顔面鷲掴みにして爆発とか!ロマン満載じゃないですか!」


「なんで目をキラキラさせてんだよ!」



その時、勇者の一人が浩二の手をギュッと握り、



「分かるぜ!そのロマン!」


「おぉ!分かってくれるか!」


「あぁ、後は爆発前に技名叫べば完璧だな!」


「素晴らしい!分かってるじゃないか!」



そして二人はスミスの方へ視線を向ける。

付けないの?ねぇ付けないの?と言う念を込めて。



「巫山戯んな!俺は人間破壊兵器になるつもりはねぇよ!」



スミスの拒否にガックリと肩を落とす二人。



「なんで男ってこんなに馬鹿ばっかりなのかしら…」


「一緒にしないでくれると助かる。」



肩を落とす二人を冷めた目で見詰めながら溜息をつくスミスと勇者。



「良し…それなら、新たに作ろう…そして君に授ける。」


「マジか!?」


「あぁ、使ってくれるか?」


「勿論だ!もう技名も考えてある!」


「ほぅ…聞いてもいいかな?」


「その名も『バーストエンド』だ!」


「素晴らしい!」



コージと勇者はガッチリと握手を交わす。



「君の名前は?」


「俺は猛。獅童猛(しどうたける)だ。」


「熱くて良い名前だ。なら猛と呼ぼう。」


「俺は浩二の兄貴と呼ばせてもらうぜ!」



この瞬間、これから長い付き合いになるであろう異世界初の浩二の舎弟が生まれた。

読んでいただきありがとうございます。

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