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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第三章 勇者と魔王

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勇者のスキル。


「コージ、あれから色々分かったわ。実は中には話したくない内容なんかもあるんだけど…もう、良いわ。全部話す。」


「そんなに酷いのか…?」



夕食を終えた後、浩二はソフィアの部屋に呼び出され今日の偵察の内容も含めて今後のプランを話し合う事になった。


内容が内容だけに、三人の人族組は呼んでいない。

まだ聞かされてはいないが、三人には刺激が強い内容なことも何と無くソフィアの表情で分かった。


浩二は膝にナオを抱き、優しく撫でながらソフィアに偵察内容を聞いていた。



「多分察しはついていると思うから、最初から飛ばして行くわ。まず、既に勇者の数人は殺されたわ。」


「……そうか。」


「この殺された勇者のスキルは既に奪われていると考えて良いわね。これが勇者のスキル一覧で、赤い線が引いてあるのが恐らく奪われたスキルよ。」



ソフィアは一枚の紙を浩二に見せる。

結構な量のスキルが記載されているが、その中の4つに赤い線が引かれていた。



「『催眠』『千里眼』『透視』『生贄』か…字面がヤバそうなのが二つ程あるな…」


「その四つについては既にスキルの効果が分かっているわ。内容はこっちの紙よ。」



□■□■



『催眠』

相手に催眠をかけることが出来るスキル。

催眠による暗示の内容はスキルレベル依存。

スキルレベルが上がるにつれより複雑な催眠が可能で、より解けにくくなる。

かかりやすさはレベル依存で、相手がスキル所有者よりもレベルが高いと著しく成功率が下がる。


『千里眼』

遠くを見通せるスキル。

基本的に建物や障害物の中は見られないが、『透視』と併用する事により見透すことが出来るようになる。

見通せる距離はスキルレベル依存。

尚、会話や音は聞き取る事が出来ない。


『透視』

建物や障害物を透かして見る事の出来るスキル。

透視出来る厚さはスキルレベル依存。

『千里眼』と併用する事で遠くの物を見透す事も可能。


『生贄』

スキル所有者の命令で死んだ者のステータスを一部自分のものに出来るスキル。

いかなる場合でもそこにスキル所有者の指示があった場合は成立し、直接殺す必要は無い。

奪い取るステータスは最大値の15%固定。

スキルを使用した場合、業が上がる。



□■□■



「これは明らかに計画的に奪ったな…『千里眼』と『透視』なんてどう見てもワンセットだしな。…それにしても、『催眠』と『生贄』か…特にこの『生贄』ってのがヤバ過ぎるな。」


「殺してステータス奪うとか…そりゃ業も上がるわよ。」


「で、その業って徳と反対の業か?」


「えぇ、そうよ。詳しくは分からないけど…碌でもない効果があるのは間違いないわね。」


《『業』って言うのは『徳』と対になる数値で、上がると負に偏ったスキルの効果が若干だけど上がるよ。》


「うおっ!?」



突然会話に乱入して来た女神の声に驚いて変な声が出る。



「コージ!?いきなりどうしたの!?」



ソフィアは浩二の声に驚く。


どうしようか…

この際、ソフィアにも女神様の話をしとくべきか…?



《えーと、女神様。ソフィアに女神様の事を話しても大丈夫でしょうか?》


《んー、良いんじゃないかな?彼女は上位種だしね。それに一度は私と会話してるんだから。》


《え?…あぁ、進化の時ですか。》


《そうそう。それじゃ、私から話しかけてみるね。》


《あ、ちょっ!》



浩二の静止も聞かずに女神はソフィアに話しかける。



《ソフィアちゃん、久しぶり。》


「ふえっ!?」


《私の声、覚えてるかい?》



ちょっと可愛い声で驚いたソフィアは、女神の問い掛けに思い出すように瞳を閉じ…やがてワナワナと震える声で言葉を紡ぐ。



「……ま、ま、まさか…」


《多分それで合ってるよ。》


「あの時の…天の…声…?」


《あぁ、今は女神様って事になってるよ。》


「女神様…」


《うん。今は彼のスキルとして頑張ってるよ。これからよろしくねソフィアちゃん。》


「は、は、はいっ!よろしくお願いしますっ!……って…スキル?…コージ…まさか…」



ガチガチに緊張した挨拶を終えた後、女神が発したスキルの言葉を聞き頭にクエスチョンマークを浮かべ、そして…思い出した様にジト目がこちらに向けられる。



「コージ…質問よ。進化の時に貰ったユニークスキルの名前を言ってみなさい。」


「…はい。『素手の極み』と『女神の加護』です。」


「…はぁ…この際ユニークスキルを二つ覚えた事に関しては驚かないわ。…問題は『女神の加護』?ってスキルね。」


《そう。それが私と会話するスキルだよ。この世に一つしかない唯一無二の彼専用スキルさ。》


「コージ…いくら何でも女神様と会話って…」



ソフィアが今までに無いほどドン引きしている。



《まぁまぁソフィアちゃん。このスキルは私が彼を気に入ったから、半分強引に私が作ったスキルだから、そんなに引かないであげてね。》


「…分かりました。…女神様に気に入られるとか…やっぱりコージは普通じゃ居られないのね…まぁ、良いわ。」


《そんな事より、さっきの話には続きがあるんだ。》


「さっきの話?」



ソフィアが可愛く首を傾げる。



「あぁ、ソフィアには聞こえてなかったもんな。業ってのについて女神様が知ってる事を教えてくれたんだよ。業ってのが上がると負に偏ったスキルの効果が若干上がるらしい。」


「…負に偏ったスキル…ねぇ。」


「うん。それで、業には更に追加で何やらあるらしい。それをこれから女神様が教えてくれるんだよ。」


《説明ご苦労様。それで、その追加情報なんだけど…業が上がり過ぎると種族進化出来なくなる。更に場合によっては種族が魔物へと変わる場合すらある。》


「…魔物へと堕ちる…?」


《そう。言うなれば『進化』じゃなく『退化』だね。》


「洒落にならないな…そこまでリスクのあるスキルなんだから、やっぱり効果も強力なんだろうな。」


《これはあくまで予想なんだけど…彼の目的は君を殺してステータスを奪う事なんじゃないかな?》


「…確かに…コージのステータスなら15%でも洒落にならない数値よね。」


「…それなら俺だけ狙えば良いのに…」



浩二はソフィアの様に頭を抱えるのだった。

ストックが…


ストックがぁ…



いつも読んでいただきありがとうございます。

頑張ります!

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